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泣きたいほどつらい日

 人生には、泣きたいほどつらい日、というのが何日かある。もっと言えば、一年に何日かある。いや、正確には、人それぞれ仕事やライフイベントなどのサイクルによって、つらい時期とそうでない時期には波があるから、人生全体で割り返すと年に何日か、くらいの割合にばらけると思う。

 わたしにも例外なく、泣きたいほどつらい日というのはやってくるのだが(傍迷惑な話だ)、そういうときは無理に逆らわず、泣くようにしている。涙を我慢するのはつらいし、我慢なんかしてたって、出ちゃうものは出ちゃうのだ。なので、自然のまま、自分の感情のままに泣くようにしている。泣いたからってすぐに気持ちが晴れ渡ったり、原因となっている物事が解決することはないだろう。それでも我慢しないで泣いた方が、いくぶん気分がスッキリする。そうすると、少し冷静にというか、客観的に物事を見られるようになる。

 かくいういまも、お風呂場で思いっきり泣いた後に、この文章を描いている。年明けに転職したのだが、新しい会社に全く馴染めない。主に仕事を教えてもらう先輩(ほぼまともに教えてくれないのだが)と反りが合わず、周りに頼れる人は、仕事面でも精神面でもいない。二ヶ月ほどしかオフィスに行かず、今日までずっと在宅だからというのもあるだろう。直属の上司が三月末に疾風のように退職し、仕事がほぼ全て自分に降りかかってきたせいもあるだろう。膨大な量の業務が全て情報不足で、ほぼ丸投げ状態だ。誰もフォローというフォローはしてくれない。「全て自力でやれ」という社風なのは入社してから知った。三十すぎてフォローしてもらえると思うな、ということなのかもしれない。だけど、右も左も分からない業務を「勝手に工夫して自力でやれ」はあまりにひどい。そんな毎日に心をすり減らし、この三ヶ月ほどは過去数年と比べて泣く日が増えた。正直毎日が泣くほどしんどいのだが、時折泣くことでストレス発散させ、なんとか日々をやり過ごしている。とりあえず年末までは働いて、それでもしんどかったら来年は休職しようかな〜なんて考えれば、なんとか毎日を生きていられる。

 思えば前職に転職した時も(いまが三社目だ)、最初の半年はつらかった。しょっちゅう泣いていた。やはり何事も初めは、慣れない業務に人間関係、どうしてもしんどいのだ。今回はそんな経験も二度目なので、「あぁ、これか。前と一緒だ。そのうち楽になる。だからそんなに気にしなくても大丈夫だ」と前の経験を活かして、自前でセラピーできる。今回改めて感じているのは、歳を取ることの唯一のメリットは、こうして過去の成功体験から明るい未来を確信することで、ある程度のストレスには対抗できるようになることだ。まぁ正直なところ、「本当に大丈夫なのか?今回も前回みたいに抜ける日が来るのか・・?」と、セルフセラピーでの誤魔化しもきかない程度のところまで、徐々に来ているのだけれど。でもきっとこれを抜けたら、二度目の成功体験がわたしをもっと強くさせてくれるだろう。

 泣きたいほどつらい日は、我慢せずに泣く。これは今後も続けたいと思う。いつか笑える日が来ると信じて。


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