世界の終わり #3-12 ハンター
前回、ツアーの仕事をやったとき、おれと組んだ男は髪を茶色く染めて前歯の欠けた二〇代後半の痩せた男やった。男は毎日毎日だるい、だるい、だるいと連呼して、隙あらば、ポケットに忍ばせていた大麻入りのパイプを口にくわえてニヤけとった。そんな男と一緒に働いて、物事真剣に考えるなんてあらへんわ。男は店舗内でグール化して行く不法入国者どもを横目に見ては、気持ち悪ッ、吐きそうや。なんやこの声、この臭い。早いとこ死ねや、扉に近寄んないうて、無駄にスタンガン放電しまくっとった。おれも悪態ついて