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【連作短編】世界の終わり

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【完結】群像劇。― end of the world 01 ― 連作短編小説です。
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2021年3月の記事一覧

世界の終わり #4-1 メタフィクション

 自衛軍西部方面隊第八師団の皆藤(かいどう)が運転する73式中型トラックに同乗していた広…

世界の終わり #4-2 メタフィクション

 眉間に寄った皺をさらに深くした二宮に対し、柏樹は顔を綻ばせ、やや軽薄な口調で答える。 …

世界の終わり #4-3 メタフィクション

          * 「さて――」ワゴン車の開かれたドアの前に立った柏樹は、車内にいる…

世界の終わり #4-4 メタフィクション

「待て、まだ話は途中だ」多数決で纏(まと)まりかけた話を振りだしに戻すべく、体躯のいい青…

世界の終わり #4-5 メタフィクション

          * 「――と、いった風に普通は考えがちですが、分母次第では希少価値が…

世界の終わり #4-6 メタフィクション

「荒木くんの問うた〝企(たくら)み〟についてだが、説明する前に、僕の体験を知ってもらう必…

世界の終わり #4-7 メタフィクション

「さて。話を戻すよ。最初の九州入りは事件のせいで完全に潰れてしまってね。結局、僕は北九州から、とんぼ返りをするはめになった。三ヶ月後に二度目の九州入りを果たせたが、ここでもまた事件に巻きこまれてしまい……事件内容が大きな機関の威厳に関わる問題を孕んでいるので詳しくは話せないが、そのときに、被害者と加害者を引きあわせたのは僕で、先の話にもでてきた二宮捜査官でもあったんだ」 「……? あの、どういうことでしょう」白石が問う。  柏樹はしばし考えこむような表情を見せてから、口を開く

世界の終わり #4-8 メタフィクション

          *  午後五時。  アポなしで訪問したにも関わらず、市民団体〈TAB…

世界の終わり #4-9 メタフィクション

「なくなっているって……大事なものなのか?」 「大事、といいますか、はあ、まあ、他人のも…

世界の終わり #4-10 メタフィクション

「…………」  勢いに押されたのか、はたまた散々ついていた悪態は道化を演じていたにすぎな…