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吉祥寺に潜むウクライナ

1月、吉祥寺を訪れた。

ウクライナ料理を食べてみないか、というお話。
お店に行くことで少しでも貢献できるかもしれないという思いもあった。

アメブロで以前、群馬のブラジル訪問記を書いたことを思い出す。何を言っているのかと思われそうだが、群馬県大泉町には「ブラジリアンタウン」が存在する。日本人がいるとかえって目立ってしまうような町だ。ブラジル人は潜んでなんかいない。全力で向かってくる。バブル期、ブラジル人出稼ぎ労働者が大勢来日した影響で、日系ブラジル人2世・3世が完全に独自の文化を形成しているのだ。非常に面白く、刺激的な町であった。

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EXILEのダンサーみたいな方(日本人)が接客してくださった


ウクライナ料理を日本で食べられるとは思ってもみなかった。

メニュー

まって  気づいた・・・






メニューの語尾がニキである。






この3人のニキたちを倒すとボスに会えるってこと?
語感の強さから、ヴァレニキは攻撃力が高そうだ。
ランチセットで注文してみることに。

「どうぞ!」
威勢よく案内をしてくださったのは日本人の方。彼が、ロシア語と英語が堪能なのがすぐわかった。3人のウクライナ人と喋りながら手際よく料理を作っている。どういった経緯で仲介しているのか、かなり気になるところである。国際協力団体?ウクライナ料理修行に向かっていたシェフ?政府機関関係者?一切尋ねなかったけれども、行動力がとてつもなく高い方と推察される。すごい!

ボルシチとヴァレニキのセット

衝撃的だったのは、鮮血のようなコントラストのボルシチ。ビーツの色が余すことなく抽出されている。以前、北海道産ビーツを自分で混ぜたら、青紫色のスープが現れたので、あれは偽物だったのかと焦った。EXILEの方のお話によれば、ビーツは種類によって出る色が違うとのことである。色に反して味は優しく、鼻からコンソメ風味が抜けていく。時間をかけて炒められた玉ねぎの甘さが上品で、皿に広がる底なし野菜沼は深くボリューミー。

私はロシア料理だとすっかり思い込んでいたが、ボルシチはウクライナで愛される伝統的な家庭料理であった。もう、本当に驚いた・・・!ボルシチはウクライナ語で「ボルシュチウニーク」と言うらしい。それが、ロシアやベラルーシといった周辺地域に広まっていったようだ。つまり、起源はウクライナにある。

ヴァレニキは水餃子の食感で、優しい味付けの鶏肉?か、豚肉がミンチ状に入っている。全体的に気張らない味付けで、日本のお惣菜と言われても全く違和感なく、万人に好まれそうな味だと思った(全力で褒めています)。寧ろ、タイ料理とかの方が、好き嫌いが分かれると思う。良い驚きで、もっと一般的に流通してほしいと思える味だった。白色で添えられているのはクリームチーズだと思って食べていたら、癖のないサワークリームで爽やかな味。

サワークリームとローズマリーが好きらしい

ねこカフェが流行ってから相当の年数が経ったが、この後人生で初めてねこカフェに行った。色々不安だったけれど、大丈夫だった・・・!

ハチワレ!?
巨大猫・メインクーン

全長1m(?)はあろうかと思われる、息を飲むほど大きな猫。
スフィンクスのポーズで優雅に。

「いなり」という名前の猫
狐に似ている

神社を守ってくれそう。
ピンと立った耳が利発な印象ですごいかっこいいと思った。

さっきからじっと見ている・・・

この猫ちゃんのまんまるフォルムが全て好き・・・!
ねこカフェの猫ちゃんは、触ってもキレてこなくて人慣れしているなと思った。私は「あまり触ったら嫌かな?」と思っていたので緊張状態だったけれども、寄り添って来てリラックスした表情を見ると、こちらも頬がほころんでしまうのが不思議。動物って癒されるなあ。

懇切丁寧な和訳

その後、関連でロシア料理店Cafe RUSSIAに訪問。
ホールスタッフ、シェフも全てロシア人の方々だった。

クランベリー(つるこけもも)
カシス(くろすぐり)

雷に打たれるような和訳で、私は初めて知りました。

本物のシュクメルリ

ファミマでシュクメルリを買ったことがある。ほぼクラムチャウダーだった。眼前に本物のシュクメルリが舞い降りた今、私は幻を見せられていたのだと悟る。肉が主人公なのであった。濃厚なバターに浸された肉はこってりとしていて舌触りが良く、食がどんどん進む。

ロシアンティー

紅茶にジャムを入れて飲む文化でパニックになった。飲み方は自由らしいけれど、梅昆布茶の梅のようにバラの花びらがじんわり漂っていく。くどさのない甘みで美味しい。

大量のビーツがかかっているが、味はさっぱりめ

ウクライナ料理とロシア料理は近しいと感じるひとときだった。

一日でも早く、安心して暮らせる日が来ますように。

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