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哲學思想日記 2023-W42 — 自轉車衝突

2023-10-16/22


近況

こないだ自轉車に乘った小學生が私にぶつかった。第1に私は世間知らずなのでこういうときどうしたら良いのかよくわからなくて(なんとなく警察に行くものなのかと思ったが證據もないしどうやって連れていくのかわからない)、第2に有德な行爲者ならどうするだろうかと考えて、「赦す」ことにした。なので、「大丈夫です」と答えて、(私が)現場を立ち去った。大學附近だったので、周りから大學生の「大丈夫なのかよ(笑)!」という聲は聞こえてきた。

夏休み前にも「眠いなー」と思いながら大學の廊下を步いていたら壁にぶつかって頭から血が出てきて、でも幸い皮膚が切れただけだった、ということがあった(4針縫った)。

健康には氣をつけたいですね。

性愛

何度も書いた氣もするが、人格を愛することって可能なのかなという問題がたまに頭をよぎる。人類愛として人格を愛することはできる。けれども、性愛として人格を愛することってできるのだろうか? 

昔、私の好きだった俳優が DV 疑惑で引退したことがあった(福山雅治みたいに、男性有名人が結婚するとよく「〜ロス」などと呼ばれる現象が起こるが、しかし結婚したくらいで何がロスだこちこら週刊誌に疑惑を報じられて引退してるんだぞというのは餘談でした)。けれど、その一件は確かにある種の幻滅 = 脫魔術化 (Entzauberung, disenschantment, désenchantement) ではあったけれども、何か、その事件のおかげで私はアイドルという偶像崇拜から立ち直ることができたという爽快感もあった。つまり、畫面の中のアイドルではなくて、剝き出しの人間性 (® 城塚登, 田中吉六) として、1個の人格として、その人を見ることができたということ。

たとえば、かわいい人を見ると、猫と同じで、「あ〜かわいいね〜ヨチヨチしてあげようね〜」と心の中で唱えてしまう人もいるかもしれない。けれど、それは愛玩しているのであって、人格を愛しているのではなかろう。

結婚するとき、相手を人格として愛すべきであろう。ならば、性欲とどう折り合いをつけるべきか。Immanuel Kant も『人倫の形而上學 (本體)』かどこかでこの話題を書いていたけれど。

私の考えでは、人格的愛におけるセックスは、手術と類比的だ。たとえば外科醫が手術しているとき、常にいつなんどきも患者を人格として見ているとは限らない。ただの動物個体、臟器の有機的聯關として見なければならない局面もあるかもしれない。それでも究極的には患者の人格を思いやってのことだし、手術が終わればまた人格として向き合うことになるだろう。それと同樣に、セックスも、それ自體では全くもって非人格的な營爲なのだが、しかし性欲という動物的欲求からまだ自由になっていない理性的存在者のために、一時的に、局所的に、常に人格という究極的目標は頭に置きつつも、目下の作業としては非人格的なセックス(ディオニューソス的と呼んでもいい)に從事すること。

でも同じようなことを想像以上に既にたくさん書いてた。「哲学思想日記 2023-W34 — 詩と小説」「【創作】BL書簡【フィクション】」「哲学思想断片集 8 — マタイ, BDSM, ロゴス, パンタシアー」「攻め/受け、タチ/ネコ、男/女、BDSMの関係」「感性的右翼と理性的左翼 (未完)」などで。



家電と勞働

覺え書きに「家電と勞働」とあったのだが、なんのことだろう? たしか、家電によって主婦の家事勞働が激減した話と關連したように思うが。



科學

〈法則とは、可能な個別的事態の總括的描寫である〉という大森荘蔵のテーゼ。たしかどこかで、「歷史において全く同じ出来事は二度と起こらないかもしれないが、それは氣壓配置も同じだ」と言っていた。

古代に「自然學者」っていたのか? つまり、scientist という單語の普及は1800年代中盤(野家啓一『科学哲学への招待』筑摩書房、2015年、28頁)なので、それ以前はガリレオもニュートンも natural philosopher だったのだが、そのとき natural な哲學とそうでない哲學の境界って曖昧で、その兩者を兼任する人も多かったろうな、ということ。

數學

最近、趣味で放送大學を觀ている。「初歩からの数学 (’18)」という科目が面白いのだが、あまり「アプリオリな綜合判斷」という感じはしない。よく先生は「こうすると便利だから概念を擴張します」という言葉を使うから。

哲學

Ludwig Wittgenstein は哲學の使命が問題の解消であると考えていた。「哲學とは何か」という主題で近いうちに書きたい。

近々書きたいもの

  • 哲學とは何か

  • 舊字體の諸問題—舊字體復活宣言2

  • 人生の意味について


執筆:2023-11-07
修正:2023-11-16
寫眞:Image by beauty_of_nature from Pixabay
今日の一曲:Samba / Vision String Quartet


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