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金沢21世紀美術館へ

先月、石川県にある金沢21世紀美術館へ行ってきました。

妹島和世+西沢立衛 / SANAAの手がけた世界観を目の当たりにしたい気持ちと、有名なプールの作品(失礼!)を鑑賞したい思いで訪問しました。

思いがけず、川内倫子さんの作品と再会でき、よろこびもひとしお!
明るくひらかれた美術館で、アートを存分に満喫してきました。

かんたんにご紹介しますね。

『まちに開かれた公園のような美術館』
金沢21世紀美術館は、金沢市の中心部に位置し、誰もがいつでも立ち寄ることができ、様々な出会いや体験が可能となる公園のような美術館を目指しています。

公式:建築について・コンセプトより抜粋


建築のコンセプト

妹島和世+西沢立衛 / SANAAの設計。
公園のように明るく開放感にみちた美術館です。正門はなく、どこからでも自由に出入りできます。

建物自体は円形。360度ガラス張り。
中にいる人たちの姿も、まるでアートの一要素として計算されていたかのようです。
訪問者もまた、作品の一部なのですね。

どこから入っても、ウェルカムな設計

こちらの美術館。SANAAとして、2004年ヴェネチアビエンナーレ国際建築展グランプリ(金獅子賞)を受賞しています。建築界のオリンピックで受賞した作品の中を、を、実際に散策できる貴重な機会!

ロッカーの造形も美しい
これからはじまるアートな世界に没入できます


屋外展示作品

館内に入ると、目の前の中庭には「スイミング・プール」。

風が吹くと、さざ波が立ちます。リアルです。

プール全体に水が満たされたように見えますが、水面は透明なアクリル板で構成。こちらの作品、プールの底側からも鑑賞できます。地下通路をすすむと、そのまま水中に潜り込む錯覚。

水面を境に、水の中から地上へと手を振りあう不思議。

見た目と実際の感触が一致しない、奇妙な体験でした。
地上で見かけたプールの感覚こそ、現実だったはずなのに。さしこむ光が、プールの壁にもキラキラと反射します。

移ろう光の美しさはそのままに、水面越しに見上げた空が印象に残ります。

レアンドロ・エルリッヒ
「スイミング・プール」

メガホンのようなラッパが、美術館の屋外に点在しています。耳を澄ますと、どこかのチューバを通じて会話ができるかも。

フロリアン・クラール
「アリーナのためのクランクフェルトナンバー3」

屋上に配置されたブロンズ像。
映画『終身犯』から着想を得て制作されています。
「雲でも測って過ごすさ」という言葉に、重みを感じます。

ヤン・ファーブル「雲を測る男」


美術館内の様子

美術館の外壁はガラス張りで、開放的。
建物の外なのか中なのか。だんだん、どこを歩いているのか分からなくなります。

迷子になりそう。いわゆる遺跡巡りもこんな感じだったかな?

パトリック・ブラン「緑の橋」

展示室を出るたび、目の前に中庭(光庭)が広がります。
自然の緑にリフレッシュしては、次の展示室に入る至福。

SANAAが手がけた
通称「ラビットチェア」


点在する「光庭」と展示室。
鑑賞者にあたえられた、めぐる自由。

リラックスできる場所が多く、落ちつける館内空間でした。

コレクション展1

「それは知っている:形が精神になるとき」
It knows: When Forms Become Mind

15人のアーティストが参加。
作品の組み合わせから、形が精神になるプロセスを追体験することができます。

会期は2023年11月5日まで。

形と精神の関係は、世界を認識し解釈する能力に関わる普遍的なテーマとして、古来より芸術作品を通して探求され続けています。

公式より
コレクション展1

こちらの展示内に、川内倫子さんの作品「惑星的な結びつき」がありました。

昨年「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」で出会った作品群と、奇遇にも再会することができたのです!

川内倫子は、主に写真によって、日常の断片が持つ曖昧さ、生と死の脆さや危うさ、畏れといった生命に潜む独特の雰囲気を表現する作品を生み出しています。

公式より
川内倫子「M/E」映像作品

私と地球との結びつきから、「惑星的な結びつき」の連鎖へ。

川内倫子「M/E」写真作品

雄大な景色と、たわいもない日常を行き来する普遍さがテーマ。
作品も生命もまた内包し、テーマはあまりにも壮大!探求あるのみでした。

鑑賞の機会も、二たびめぐってくるのですね。


まとめ

ざっくりと金沢21世紀美術館を鑑賞した印象をまとめました。
ご紹介した展示以外にも、瞑想できる空間や奈良美智さんの作品展示があり、一日いても楽しめます。

夜のライトアップは特筆もの。
金沢来訪の際には、お時間を作ってでもご鑑賞をおすすめしますね。
楽しく、リラックスできるひとときを、過ごせますように!

(参考)
ちなみに、半年前に都内で鑑賞した川内倫子さんの展示はこちら↓

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