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心折れそうで辛かったとき、パンやのくまさんにもらった勇気

「パンやのくまさん」とは、フィービとセルビ・ウォージントン作の絵本です。私の大好きな絵本です。何度も読み聞かせしました。

A5程度のちいさな絵本です

この絵本では、たんたんと働くくまさんの一日が描かれています。
朝起きてから、夜眠りにつくまで。

文章は平易で、リズム感があってとても読みやすいです。
子どもの心もゆさぶられたようで、なんども暗唱しました。

くまさんの絵も可愛らしく、細部までていねいに描き込まれています。

まわりの風景やお部屋の様子も、生活感がいっぱい。ページとページの間に、くまさんが何をして過ごしていたか想像できるくらいです。

読む側にも、ゆたかな時間が流れます。

くまさんはとても早起きして、かまどに火を入れます。
そしてひととき、あさのおちゃを飲みます。くまさんの、その姿をみるだけでも癒やされます。

私自身、子どもの急な発熱で早退-欠勤したことも数知れず。後ろめたさと、とどこっているであろう仕事の心配をしながらの看病。

子どもの快復を祈りながら、洗っていないお皿のたまっているキッチンでつくる食事を食べ、たまる洗濯物をながめて、散乱してくるお部屋で過ごす日々。

夕方になって熱が出てくると、病院へ行こうか様子をみようか、動揺しました。周囲からの助言も、的外れでかえって辛くなるばかり。

ママが笑っている方がいいと言われても、なかなかできません。
笑っていたほうがいいって、わかっていても。

そんなとき、この絵本を読みました。

私自身、思うようにいかなくて辛かったとき、くまさんのたんたんと生きる姿に勇気をもらったのです。

くまさんは元気で、働きもの。とても誠実。
くまさんも、まわりの人たちも、みんな優しいです。
何気ない日常そのものが、とても豊かな生活に感じられたのです。

パン屋をいとなむくまさんの、豊かな時間。
看病にいそしむ私のもとに、その豊かさが流れ込んできました。

もう一日、笑顔をつくってがんばってみよう、という勇気が出てきたのです。きっと明日には子どもも元気になってたくさん遊べるようになる、と思えるようになったのです。

いまでも、ふとした瞬間に読み返したくなる本です。もやもやしたとき。ていねいな一日を過ごすくまさんに、元気をもらいに。

もしパン屋のくまさん大好きな方。
いらっしゃいましたら、コメントいただけるとうれしいです。
必ず読みに行きます!

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