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ギーについての専門的知識

ギーをご存じの方もだんだん増えているようでグーグルを検索すればいくらでもギーの作り方がでてくる。

ギーはバターから水分やたんぱく質などを取り除いた純粋なオイルであり、コレステロール値も上がらないし、健康によいものだと世間的には言われている。

実はアーユルヴェーダにはオイルという言葉はない。

ギー、クリーム、オイル全てを含めスネハと言う。

そのスネハを使用して身体のトリートメントをすることをスネハナと言う。

ギーは冷たさと油性の特徴があるため、基本的にはヴァータとピッタに使われる。

半固形状態のギー

牛乳→ヨーグルト→バターミルク→バター→ギー/(Ghrita)→Sidha Ghrita(薬用ギー)となる。
※Sidha Ghritaとはギーにハーブを加えて作られたもの。

牛は水牛とホルスタインの2種類があり、水牛は脂肪分が高く、ホルスタインのギーは黄色っぽく消化が早いとされている。

ホルスタインからできるギーをSarpisと言い、それがGhee (ギー )/ Ghritaである。
このためほとんどの場合の薬用ギーはGhritaを使うことがベストだとされている。
ギーは主に内服薬として広範囲に使用されていて、薬の有効成分を細胞に送り、胆汁細胞層にも浸透する。

パンチャカルマ中、内服や経口剤として使用される。

例えば、アーユルヴェーダのハーブ剤で知られているシャタバリにはGhritaが使用されている。
※シャタバリは女性ホルモンの減少時や更年期などヴァータが増悪している時にも使用されている。

トリファラというハーブはどのドーシャにも使用することができ胃腸や若返りのために内服されているのだが、ヴァータが増悪時の便秘はアーユルヴェーダーでは腸が乾燥して潤いが不足していると考えられているため、医師からトリファラだけでなくギーと合わせて作られたトリファラギーをの服用を勧める。

眼の治療ネトラ・バスティにもトリファラ・ギーを使用する。

ネトラバスティ

インドではアーユルヴェーダトリートメントのための専門の店でネトラバスティの眼鏡を売っている。

インド人の家庭にはギーが置いてあることが多く、冷たくする性質と殺菌効果があると言われているギーは火傷や擦り傷にも塗られる。

このような性質を持つギーだが、必ずしもギーはバターより優れていると言うわけではないとアーユルヴェーダの医師は言う。

何故ならギーの精製過程でバターから水分やたんぱく質を取り去るため、ギーにはタンパク質は抜けてしまっている。

身体にはタンパク質も必要であるし、動物性のオイルでなく植物性のオイルを使用する方がいい場合もあるので、自分の食事内容や状況を考慮して、毎回の食事にギーなのかバターなのかを選択することが必要だ。

アーユルヴェーダを実践すると、ギーは純粋な素晴らしい食べ物なので食べても何も問題はないとまるで神話に陶酔するか、宗教を信じるかのように言う人々がいるが、ギーはカロリーも高く間違いなく脂肪になるため取りすぎれば太るしカッファを増悪させてしまう。

理性的に判断してギーを使用してもらいたいと願っている。







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