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スロータスについての詳しい解説

はじめに


アーユルヴェーダをしっかり理解するにはまず最初にアーユルヴェーダの概念や定義、五大元素とは何か、ドーシャ、プラクリティ、ヴィクリティ、サプタダハトゥ、スロータスを学んでからマルマアーマ(毒素)の順に進むことですべてが頭の中で繋がり理解しやすくなります。

アーユルヴェーダには自分でできる様々なトリートメントがありますが、これらの基礎をしっかり頭に入れ理解した上でトリートメントの実習をすれば自宅で自分でする時も適切なトリートメントを選べますが、理論の基礎をはっきり理解しないでむやみにトリートメントの実習をしてしまうと、無駄になってしまったり、かえってドーシャを悪化させてしまうトリートメントを選んでしまうことになりかねません。
理解するのに少々時間を費やしても概念からアーマまでの理論は理解しておきましょう。

スロータスとは

vata、pitta、kaphaの3つの生物学的組織を調べると、ドーシャは体のある部分から別の部分へ経路を通って移動します。
物理的にもエネルギー的に見てもスロータスは川のようなものです。
川の始まりのスロータスは小さいのですが他の部分とも結合されて小川になり、その流れはさらに大きな河になります。
そしてたくさんの大きな河と合流し、ますます大きくなります。
最後には川は海に流れでます。
同じように人体には多くの小さなスロータスがあり、それらが集まってより大きなスロータスを作ります。
最大のスロータスはmahasrotasマハスロータスと呼ばれ、消化管のことです。
マハとは大きいという意味です。
スロータスsrotasの同義語は、mārga(通路)、nādi(チャネル)、およびpatha(パス)です。
英語の単語pathは、サンスクリット語のpathaに由来します。
特定のsrotasを表す他のサンスクリット語にはdhamini(動脈)とsirä(静脈)があります。
人体では精鋭な顕微鏡レベルで人体の細胞を見ると多孔性を持っていることが明らかです。
※多孔性とは多数の細孔(ナノレベルの尺度の小さなあな)の空いていること。
これをsrotāmsiと呼びます。
これらの多孔性を通り、酸素が細胞に入り、二酸化炭素が出て、ナトリウムイオンが入り、カリウムイオンが出ます。
体には多くの形のsrotámsiがあります。
血液、栄養素、酸素を臓器や体の細胞に運ぶ小さな血管である毛細血管は、 srotāmsiです。
血液と栄養素は、血漿とともに、毛細血管を混合して細胞に到達します。

細胞からの二酸化炭素は毛細血管に入ります。
このように毛細血管内で気体がの交換が行われます。
皮膚にも小さな開口部があります。
髪の毛の近くには、皮脂腺と呼ばれる小さな管があります。
この管は汗を運ぶ経路であるスエダバハ・スロータスと呼ばれる管を形成します。
スロータスは通路、小道、道路、高速道路のようなものです。
胃腸管に加えて主要な高速道路には、呼吸器、心臓血管、聴覚、鼻、および視神経が含まれます。
古代ではリシは人体が何十億ものsrotāmsiでできていることを観察していました。

例えば、臓器はsrotāmsiでできています。
臓器は構造的に機能的にまとまって構成されています。

チャクラもsrotāmsiで構成されています。
脊髄の中心の管は何十億もの毛細血管のsrotāmsiに接続されています。

感覚器官のスロータス

これらのスロータスはマノヴァハスロータスと関係するスロータスです。
聴覚経路
触覚経路。
視覚経路。
味覚味覚
嗅覚経路。


各srotasには、srotomūla(根)、srotomārga(通路)、およびsroto mukha(口または開口部)があります。

例えば、泌尿器系では腎臓はsrotomalaです。
2つの尿管、尿道と膀胱がsrotomārgaを形成します。
尿道の開口部はsrotomukhaです。

各srotasの詳細についての表― 


体のシステムと経路


 
アンナヴァハスロータスー 食べ物を運ぶ経路。
プラーナヴァハスロータスー プラーナー呼吸、感覚、生命力の経路。
アンブ/ウダカ ヴァハスロータスー 水を運ぶ経路。

7つの構成要素のスロータス


筋肉、骨、脂肪、生殖器系に流れるいくつかの経路は実際はっきりしていないものがありますが、古代の原文にはそれらが存在すると言っています。

口から入った栄養素が形を変えながら運ばれ、最終的に7つの体組織になるための大切な経路で、7つの経路が正しい機能をしてバランスが取れている時に強い健康な身体を作るための栄養素が各ダハトゥに正常に届けられます。

ラサヴァハスロータスー血漿を運ぶ経路。
ラクタヴァハスロータスー血液を運ぶ経路
マムサヴァハスロータスー筋肉へ栄養を運ぶ経路
メダヴァハスロータスー脂肪を運ぶ経路
アスティヴァハスロータスー骨の経路
マッジャヴァハスロータスー骨髄、神経、細胞の経路
シュクラヴァハスロータスー男性の生殖器官の経路

女性の体内の経路


3つの経路は女性の体内の経路ですがラサダハトゥと関係しています。

アルタヴァヴァハスロータスー女性の生殖器官の経路
ラジャヴァハスロータスー月経の経路
スタニャヴァハスロータスー授乳の経路

排泄のための3つのスロータス

スロータスの概念は構造的で機能的です。
例えばダハトゥのsrotāmsiはより構造的でマラのsrotāmsiはより機能的です。

プリシャヴァハスロータスー便の経路
ムトラヴァハスロータスー尿
スェダヴァハスロータスー汗の経路

マノヴァハスロータス

ー思考、感情、心の経路
心でさえmanovaha srotasと呼ばれるスロータスを持っており、全ての思考や感情はmanovahaの中に微小なスロータスを持っています。

人が強い恐怖を持っている場合、manovaha srotasに恐怖のストレスを与え最終的には病気になります。


SrotoDushti

Dushtiースロータスの異常のこと

例えば、スロータスの中が誤った方向に進むと
血漿が血管から間質組織に漏れると浮腫や腫れが生じたり、血管が破裂し、血液が皮膚の下に蓄積する血腫の歯茎の出血や消化管、尿管、気管、血管などに穴が開く穿孔(せんこう)や潰瘍などの症状がみられます。


srotamsiはdhatusで作られ、dhatuはsrotaisamsiから栄養を与えられます。 欠陥のある空間(khavaigunya)は、それがダハトゥの構造内にあるのか機能的に欠陥しているのかによってダハトゥやスロータス に影響を与えることがよくあります。
スロータスが正常に流れている時は健康な状態です。
病気が始まるとスロータスがアンバランスになります。
病気というのはピッタの炎症、カファのうっ血や異常な筋肉、肥大した筋肉、退化したヴァータに分類されます。

スロータスがあふれてしまうことは病気の一つです。
例えば下痢のように過剰に流れることは異常であり、便秘は停滞の一例です。
便秘と同じように停滞には静脈瘤,血栓,腫瘍も含まれます。
.動脈硬化やリンパ節の肥大や停滞など、スロータスに膨張などの急激な変化あれば腫瘍ができますから、局所的に静脈が膨張すると停滞するために静脈瘤ができます。

4つのタイプのSrotoDushti
Atipravrutti 過剰な流れという意味
Sanga     閉塞や停滞という意味
Sira Granthi 静脈瘤、筋腫などの瘤の意味
VimargaGamanam 間違った経路に進むことによる出血


このような4つのスロート・ダシュティが見られる時はアーユルヴェーダの医師は体の外側から施すマッサージやその他のトリートメントをせず、アーユルヴェーダの医師が処方箋を出した内服薬をしばらくの間服用させて、食事内容も伝えて様子を見てから、体の外側からのトリートメントをするかどうかを決定します。
一般的なリンパなどのマッサージやアビヤンガやその他のトリートメントをしてもいい状態であるかどうか必ず医師の確認を取りましょう。

マルマやマルマのマッサージはこのスロータスを頭に入れてから学ぶとより一層理解が深まりますし、スロータスは単なる排泄経路ではないことも理解いただけたでしょうか。
お役に立てたらうれしいです。



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