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自然が思い出させてくれる大切な感覚。森と里山に誘われて

こんにちはpieni(ピエニ)です。私はフィンランドという国にとても惹かれていて、今自分が住んでいる地域(兵庫県と京都府にまたがる丹波という場所)でフィンランドで見たこと、食べたもの、知ったこと、感じたことなどを伝えたり、体験してもらえるような企画をしています。その中で「丹波の森で北欧ピクニック」という、親子で自然遊びを楽しんでもらうイベントを企画しています。
先日、その企画の下見として自然豊かな丹波の里山を訪れました。
里山で過ごすうちに気が付いたら童心に返っている自分に出会い、心が開放されたと思った瞬間がありました。
この感覚、実はフィンランドの森の中で過ごした時にも感じたこと。

丹波の里山やフィンランドの森に触れることで、なんで心が動くんだろう。
そのことに少し焦点を当てて、自然と過ごす時間について考えてみました。

丹波の里山で過ごす時間

丹波の里山を訪れたのは6月初旬。梅雨に入る前のとってもいいお天気の日でした。
「丹波の森で北欧ピクニック」という企画の下見として、メンバー3人それぞれの子どもを連れて30分ほどで頂上へ登ることのできる里山探検を実施。

里山の道を登る途中、5歳の娘は松ぼっくりやいがぐりを見つけては宝物を見つけたと言わんばかりにニコニコ顔で拾い上げ、持ってきた袋の中に詰め込んでいく。

「いてて!とげとげ部分をさわると結構いたいね〜」などと言いつつも、ひたすら集める姿を見ていると、だんだん私自身も楽しくなってきて里山の宝物探しに参加しました。
いがぐりなんて何年ぶりに掴んだんだろう。確かに素手でさわると痛い!

山道にあるもの全てが子ども達の目には遊び道具や宝物に映るようで、木の枝は妖精が持つ魔法の杖、笹の葉は小舟、松ぼっくりは小型爆弾!?
里山の中で想像の世界が繰り広げられる様子に感心しながらも「リスが食べた後の松ぼっくりってエビフライみたいな形になるよね、どっかに落ちていないかな?」と自分もワクワクしながら山頂へ向かいました。

そして頂上へ到着!メンバーが仕込んだ梅シロップジュースの酸味で体を癒しながら麓を見下ろしてみると、なんだか街がミニチュアの世界のよう。

山登り初体験の娘の「全部小っちゃくなっちゃった~!」と驚いた表情に面白くなりながらも、そうそうきっと私も小さなころ山から見る景色に驚いたり感動したんだろうなと子ども時代に思いを馳せました。

6月の里山は木苺のシーズン。
いつも森遊びをしているメンバーに木苺の群生スポットを教えてもらって、下山途中に散策。
艶々と輝く赤い宝石のように美しくて、それでいてコロンとかわいらしい木苺に大人も子どもも夢中。

「ここにもあったよ!」「わーかわいいね!」「これは酸っぱいよ〜」「こっちのはとっても甘い〜」などとはしゃぐ子どもたち。

私自身も「斜面におっきな木苺がある!足場はある?あの石を踏み台にしたら取れそう。よし、やってみよう。よいしょ、採れた―!嬉しい!みんな大きいのあったよ〜」なんて、すっかり子どもに戻ったようなやり取りをしながら夢中で摘んでいました。

そんなふうに里山を歩き木苺を摘む中で、ふとフィンランドの森の中で過ごした記憶が 蘇ってきました。

フィンランドの森で過ごした時間

フィンランドの夏、森の中にあるサマーコテージで2日間という短い時間でしたが、とっても印象深い時間を過ごしたことがあります。

その時は、森の中でビルベリー(北欧の森に自生するブルーベリー)をひたすら摘むという仕事をしていました。

夜になっても太陽が沈みきらない白夜の季節に、森の中でベリーをはじめ自生する植物や小動物、虫(特に蚊が多かった)と一緒に時間を過ごす。

トイレは水洗ではなく、おが屑をかけるコンポストトイレで、ふたを開けると排出したモノを分解しにやってきた虫たちがいる…。
最初はぎょっとしたけれど、だんだんとこれが今味わえるここの森の暮らしなんだと面白くなってきて、虫嫌いは片隅に置いておいて、夢中でベリーを摘んだり、摘んだベリーでパイを作ったり、コテージにあったサウナに入って湖にダイブしたり。
当時の自分からは考えられないようなアグレッシブな行動をとりながら、なんだか冒険をしているような、子どもに戻ったようなワクワクした心で過ごしました。

そしてそんな高揚感の中で、ふっとした瞬間に森や湖・自然が作り出す美しい風景に心を奪われ、感動したり心がじんわりと満たされていく感覚になる。

同じように丹波の里山の中でも、子どものようにはしゃぎながらも木々の間から差し込む木漏れ日や、その光に照らされ輝く植物の葉や木苺などを見ていると「あぁこの世は美しい」と感じたり、心の中をすーっと澄んだ空気が巡るような感覚がありました。

丹波の里山とフィンランドの森から教わったこと

私にとって里山や森で過ごす時間は、童心に帰ってワクワクしたり、植物や自然が作る風景に心を奪われて心底感動したりと、仕事や子育てに追われているときには使えていない心の部分を動かしてくれる大切な時間なんだと分かりました。
そして、それを感じられる時間はとても豊かで、平和なひと時だと思っています。
そんな大切なことに気が付くことができました。

全ての人が自然と触れ合うことが好きだったり、気持ちいいと感じるわけではないかもしれませんが「自分はどうかな?森や里山に入った時どんな気分になるんだろう」ということに興味をもって遊びに行くと面白いかもしれません。

ときおり自然と触れ合ってみてください。「今自分はどんな状態?どんな気持ちを感じている?」そこに少しの時間でもフォーカスを当ててみると、きっと普段の自分とは違う発見があるはずです。

今年はやっとお出かけムードですね。夏休みなどを使って、ぜひ自然と触れ合う機会を作ってみてくださいね。

Text by  pieni(ピエニ)(丹波フィンランド大使)


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