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和でよみとく えらま by 橘茉里

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エラマプロジェクトにおいて「和えらま」担当の橘 茉里さんによるコラム。日本とフィンランドの共通点から豊かな生き方を見出していきます。
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記事一覧

「させていただく」の気持ちが私たちを幸せにする。馬と猫が教えてくれた豊かで幸せな生き方

こんにちは、橘茉里です。 私はパラレルワーカーとして働いているので、先日、確定申告を済ませました。 副業に関する申告なのでそんなに手間はないはずですが、なかなかやる気が起こらず、取り掛かるまでに時間がかかりました。 思えば、学生時代の勉強もそうでした。テストが迫っているから勉強しなければと思っていても、すんなり机に向かうことはできず、何故か部屋の片づけを始めてみたり。 勉強、仕事、家事、育児、介護など人によって状況は異なりますが、私たちの暮らしには、「しなければならない

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12月14日は自分と向き合う日。「忠臣蔵」に見る生き様とは?

元禄15年12月14日、夜明け前のこと。 (正確には15日の未明ですが、当時は夜が明けるまでは14日と考えました) 前日に降った雪を踏みしめながら、揃いの装束に身を包んだ集団が、ある屋敷を目指していました。 亡き主君の仇を討つために、1年10ヶ月の月日を耐え忍んだ47人の赤穂浪士(義士)たちです。 彼らの物語は後に『忠臣蔵』と呼ばれ、今なお圧倒的な支持を集めています。 私自身も『忠臣蔵』の大ファンですが、この物語はどうしてそんなに人気があるのでしょうか? それはきっ

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あなたは月に何を想う?月を見てエラマを考えよう

こんにちは。エラマプロジェクトの和文化担当、橘茉里です。 秋は、月が綺麗な季節ですね。 今年の「中秋の名月」は9月29日でした。 旧暦8月15日に当たる月のことで、「十五夜」とも呼ばれるこの月は、一年で最も美しいとされます。 さらに、今年の中秋の名月は満月でした。 中秋の名月=満月というイメージが強いですが、実は暦と月の軌道の関係で若干のずれが生じて、名月と満月の日が重ならないこともあるのです。 みなさんは、今年の中秋の名月をご覧になったでしょうか? 私は出張中だっ

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先生はツラいよ! 教師の「辛さ」とあなたの「辛さ」に共通するもの

こんにちは、橘茉里です。 エラマプロジェクトでは和文化エバンジェリストとして活動している私ですが、ご存知の通り、本業は高校の国語教師です。 さて、今回は「先生って実はこんなところがしんどい!」という内緒話をお伝えしようと思います。 皆さん、教師の仕事はどんなところが大変そうだと思いますか? メディアで取り上げられる代表格は、生徒指導、保護者への対応、部活動、休日出勤などでしょうか。 これらは深刻な問題を孕んでいて、先生の中には疲弊し、心の病になったり、教師を続けられな

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フィンランド×和文化の「和フィン折衷」で心の豊かさを手に入れよう

なぜフィンランド×和文化なのか?こんにちは、橘茉里です。 私は国語教師として古典や日本文化の授業を行っている経験、そして香司(お香の調合師)としてお香文化に携わっている経験を生かして、皆さまに和文化の素晴らしさをお伝えする活動をしています。 エラマプロジェクトのチームに参加してからは、フィンランド研究家の石原侑美さんと一緒に、「和えらま」の講座を開いてきました。 この講座ではフィンランドと和文化の絶妙なつながりを見出しながら、豊かで幸せな生き方を探究していますが、今年の

決めるのはあなた。「豊かで幸せな生き方」における人間関係のありかたとは

こんにちは、橘茉里です。 新学期が始まりましたね。特に、新入生や新社会人の方は、新たな環境で上手く人間関係を築いていけるか、期待や不安を抱いているかもしれません。 私は、仕事スイッチが入っている時は、初対面の方ともフレンドリーに接することができますが、根っこは人見知りなので、新しい環境に入る時は今でも緊張でドキドキします。 さて、新たな出会いが多い春ですが、今日はあえて、友人との関係を終わらせることについてお話ししようと思います。 世間では、友達の作り方が取り上げられ

現役の教師である私は、実は学校が好きじゃなかった

こんにちは。エラマプロジェクトの和文化担当、橘茉里です。 私は国語教師、香司(お香の調合師)、和文化エバンジェリストなどいくつかの顔を持っていますが、メインの仕事は教師です。 とある私立高校に勤めて今年で12年目。 干支の一周分です。 人生の大部分を学校という環境で過ごしているわけですが、実は自分が生徒だった頃、私は学校が好きではありませんでした。 先生のことも好きではありませんでした。 それなのに、今は学校の先生をやっているの!? そんな声が聞こえてきそうです。私自

涙は心のデトックス。舞を見て泣き、和歌を聞いて泣く平安貴族に見る「泣きの極意」

邪気払いとデトックスは似ている!?こんにちは。エラマプロジェクトの和文化担当、橘茉里です。 2023年がスタートしました。新しい年の始まりって、なんだか清々しい気持ちがしますね。 では、どうして新年は清々しい感じがするのでしょう? きっと様々な理由があると思いますが、日本文化の観点から見ると、世の中に溜まった穢れや邪気が祓い清められ、浄化されたからと言えます。 昔の人たちは、月日が経つことで世の中に穢れや邪気が蓄積していくと考えていました。そこで季節の変わり目には、邪気

秋は自分と向き合うのにちょうど良い。その理由とは?

こんにちは。エラマプロジェクトの和文化担当、橘茉里です。 秋が深まり、紅葉の美しい季節がやってきました。 食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋。 皆さんはどんな秋を思い浮かべるでしょうか? 楽しくワクワクする秋の過ごし方がある一方、秋は多くの人に物悲しい、寂しいという感情を抱かせる季節でもあります。 今回は特に紅葉に着目しながら秋の文化についてご紹介し、さらにエラマ流の秋の過ごし方についても考えていきます。 さあ、秋について考えてみましょう。 もみじはなぜ「紅葉」と書く

フィンランドと和文化の絶妙なつながり〜自然、デザイン、サウナとお風呂〜

よむエラマを運営するエラマプロジェクトでは、これまで「フィンランドと和文化の絶妙なつながり講座」と題して、2つの文化の共通点や文化的なつながりについて伝えてきました。 この講座は、エラマプロジェクト代表でフィンランド生涯教育研究家の石原侑美、国語教員で和文化エバンジェリストの橘茉里の2名が、それぞれの専門分野から情報を共有するスタイルでお送りしてきました。 本記事では、2022年11月13日に岐阜県で開催される「エラマ文化祭」に向けて、イベントテーマである「フィンランドと

フィンランドと日本は絶妙に似ている。サウナとお風呂の文化から豊かな生き方を探る

”フィンランドと日本は似ている” この言葉を聞いて、あなたはどう感じますか? 「そうそう、その通り」という方もいれば、「全然違うよ」という方もいらっしゃるでしょう。 フィンランドは幸福度の高い、北欧の国。 日本から遠く離れているし、きっと全く違う文化を築いているに違いない。 以前の私は、そんな風に思っていました。 エラマプロジェクトと関わるまで、フィンランドと日本にたくさんの共通点があるなんて、想像もしていませんでした。 でも今の私は、様々な角度から両国の共通点を

時計はいらない?「なくす」ことで満たされる豊かさがそこにある

こんにちは。エラマプロジェクトの和文化担当、橘茉里です。 突然ですが、私の家には時計がありません。 「時計は必要」「普通、家には時計が置いてある」 あなたはそんな風に思っていませんか? でも、本当にそうでしょうか。「必要だ」「あるのが当たり前だ」と思い込んでいるだけかもしれませんよ。 面倒くさがっていたら時計が無くなった私の家には時計がありません。 腕時計も持っていません。 時計がある生活に慣れていると、無いと不便そうですよね。 でも、時間を知りたければスマホやPCが

梅雨の憂鬱な世界へようこそ。「ながめ」で日本流のマイタイムを味わおう

梅雨に感じる憂鬱は今も昔も同じこんにちは。エラマプロジェクトの和文化担当、橘茉里です。 梅雨の季節になりました。 梅雨の時期、皆さんはどんな気分になりますか? 多くの方は、「気が滅入る」「憂鬱だな」と感じたことがあるのではないでしょうか。 その感覚は、古典の時代の人たちも同じでした。 昔の人は、この時期の長雨を「五月雨(さみだれ)」と呼んでいました。 なぜ五月の雨なのかというと、梅雨のシーズンは旧暦では五月に相当するからです。 ちなみに、梅雨(つゆ)という名称は、「露(

伝えたいのは「和文化ヒュッゲ」。人生を味わう瞬間がそこにある

「和文化ヒュッゲ」 その言葉は突然降ってきました。 ヒュッゲとは北欧の人たちのひと休み文化のこと。 家族や友人、親しい人同士で語り合うほっとできる時間のことで、北欧の人たちが大切にしている過ごし方です。 でも「和文化ヒュッゲ」はきっと皆さん聞き馴染みがないですよね? それもそのはず。 だってエラマプロジェクトのライブ配信の中で生まれた言葉なのですから。(私が知らないだけで、すでに「和文化ヒュッゲ」という名称を使っている方がいらっしゃったらすみません。) このライブ配信