見出し画像

MICRO RACEという考え方

以前、SMALL RACEという考え方について書いたことがありました。

大阪国際女子マラソンが
これまでの大阪市内中を駆け巡るコースから、
長居陸上競技場と長居公園を使った周回コースで行われたのをみて、
これからはシティーマラソンのようなBIG RACEとは真逆。
コンパクトなSMALL RACEが必要になるんじゃないか。
とりわけ陸上競技場を中心に据えたクローズドなトラック・レースには
持続性も含めて可能性があるんじゃないか?
というようなことを考えて、
世の中に抗うように2月から毎月1回、
OTT(オトナのタイムトライアル)を開催し続けてきたのでした。

こういう状況ですから、OTTに参加できるのは
首都圏の方が中心となってきます。
毎月のように開催していく中で
「うちの地域でもOTTを開催してほしい」という要望も届きます。
そのたびに「競技場を借りて自分たちで作ればいいのに」
とも思っていたのですが、たったひとりで作るわけにはいきません。
こういう大会を作るには、

「やたら熱量があるひと」
「ケチな実務派」
「闇雲に顔が広いひと」

少なくとも、この3種類の人が必要です。
つまりどういうことかというと、
熱量があるひとがビジョンをつくり、
それを実務派が計画に落とし、
顔が広いひとが友達を引き込んでいく。

OTTにしても、総勢100人くらいの人々が
ボランティアとして、なんらかの運営に関わっています。
SMALL RACEとひとくちに言っても、それなりに大変なのです。

持続性があるとも言いづらいし、
気軽に真似ができるものでもないなあ。
と考えていたところに「バーチャルレースを作りたいんですよ」
「走るひと」の上田さんから連絡がありました。
「SMALL RACE」の考え方をもとに、
これまでとは違うバーチャルレースが作れないものか?という相談です。

SMALL RACE と バーチャルレース。
ああ、なるほど。この組み合わせか。
その瞬間にたくさんのイメージが浮かびました。

砧公園のサイクリングコースや多摩川沿いに
この付近でトレーニングを積む大学や実業団によって
目印代わりに小さくスプレーされた距離表示。
公園で「コロコロ」を転がす駒澤大学大八木監督の姿や
雨の日も多摩川を淡々とジョギングする新谷仁美選手。

単なるバーチャルレースではなく、一緒に走るわけじゃないけれど、
そこをたくさんの人が走っているイメージもふくらみ
スプレーの距離表示のように可視化されたバーチャルコース。
これなら、たったひとりでもレースを作りはじめることができそうです。

「あのね、上田さん。SMALL RACEじゃないんですよ。
   もっと簡単に、もっと少人数でできるもの。
    SMALLじゃなくて、MICRO RACE」

そこから一気にイメージを組み上げてできたのが
TAMAGAWA FKT By Riverside Micro Race です。

スクリーンショット 2021-06-11 11.50.25

二子玉川駅のすぐそばにマイルロードコースができあがりました。
ちゃんとコロコロを転がして距離を計測し、

スクリーンショット 2021-06-11 11.55.07

スプレーじゃなく、コースサインもちゃんと貼って。

スクリーンショット 2021-06-11 11.58.09

100m毎にポイントも打ち。

スクリーンショット 2021-06-11 11.58.48

スタートとフィニッシュ地点もしっかり作りました。

スクリーンショット 2021-06-11 11.59.32

コースを作っている間も新谷仁美選手がふらりとジョグで現れました。フラットで走りやすいから、リズムよく走れるジョグコースのひとつなのでしょう。参加方法は簡単。スマホにSTRAVAをアプリを入れるだけ。当然、無料です。

TAMAGAWA FKTは2021年6月14日(月)まで。
今週末の参加がおすすめです。
そして、お気に入りのランニングコースを使って
ぜひ、自分が主催者となってMICRO RACEを作ってみてください。

たとえ100個の大会が失われたとしても、
新たに101個のMICRO RACEが生まれたとしたら、
その101個のMICRO RACEが拠点となって、
新たなムーブメントが起こりそうな予感がします。

ここから先は

0字
ツイッターや「今日の一枚」では掲載するタイミングをうしなった写真やテキスト、これからやってみたいことなどを、ここでこっそりとはじめています。ちょっとびびって月10回と書いてますが、一日10回更新する日もたまにあると思います(笑)情報誌のようなことを期待している方はやめておいたほうがよいかも。ツイッターやオープンなネットとは違ってクローズドかつバズらない場を作ろうと思います。

月刊 EKIDEN NEWS

¥700 / 月

月刊といいながら、一日に何度も更新する日もあります。「いつかビジュアルがたくさんある陸上雑誌ができるといいなあ」と仲間と話していたんですが…

サポートと激励や感想メッセージありがとうございます!いただいたサポートは国内外での取材移動費や機材補強などにありがたく使わせていただきます。サポートしてくださるときにメッセージを添えていただけると励みになります!