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箱根予選会には悪魔が住んでいる

2021年10月23日(土)、箱根駅伝予選会が行われた。

総勢41校の中から来年の箱根駅伝に出場する10校が選出される。

今大会では駿河台が44校目の箱根駅伝出場校として新たに名を上げた。その一方で誰もが予想だにしなかった大学が本選出場を逃すことになる。

これは巷でジンクスになってきているのだが、トップ通過を目標とする大学が落選するということが2年連続で起きている。

昨年はトップ通過候補の中央学院大学が落選した。そして今年は拓殖大学が予選会の魔の手に呑まれた。

慢心に漬け込む悪魔

チームではトップ通過、各メディアも上位通過を予想していた。予選落ちを予想している所はどこもなかっただろう。

下馬評は高く、昨年予選会個人1位ラジニをはじめ、桐山剛、新井遼平、吉村陸、竹蓋草太、山崎晃志郎など昨年予選会を走っている選手が複数人残っていた。

また、直近の1万m記録会でラジニが27分25秒学生歴代記録を塗り替えた。1年生の小山晴空、富永匠海が29分前半の自己ベストを大幅更新したのも評価を上げた。

しかし、決してチーム状況は万全ではなかった。

エースの桐山は1か月前の東海大記録会1万mに出場予定だったが故障の影響から回避し、次週の日体大記録会で30分33秒と本調子とはいえない状態だった。

また、昨年予選会チーム6、7番手の髙橋達彦、佐々木虎太郎が外れた影響も大きかった。

高くなかった下馬評、日本人エースの不在

【予選会結果】

(1)明大 10時間33分22秒

(2)中大 10時間37分38秒

(3)日体大 10時間39分32秒

(4)山梨学院大 10時間41分15秒

(5)神奈川大 10時間41分57秒

(6)法大 10時間42分12秒

(7)中央学院大 10時間43分8秒

(8)駿河台大 10時間44分47秒

(9)専大 10時間44分58秒

(10)国士舘大 10時間45分41秒

(11)拓大 10時間46分36秒

結果は11位、通過ボーダーまでは約55秒と大敗だ。

拓殖大学の下馬評は本当に高かったのか。実際のところ、昨年の予選会通過は9位での通過だ。決して余裕の通過ではない。加えてこの成績はラジニが個人トップでの成績である。

日本人選手の層が厚く、ロードの走りにも定評がある拓殖大学だが今年は突出した日本人エースが居なかった。

今までは毎年、石川佳樹(現:日立物流)、赤崎暁(現:中電工)、馬場凌輔(現:小森コーポレーション)らの日本人エースがいた。

もちろん合田、桐山らのエースはいるがここ最近の高速化してきている長距離陸上会では1万m28台、5千m13分台を少し切る位では歯が立たなくなってきているのが現状だ。

ロードに強い、タイム以上の実力を持っているだけでは高速化してきた大学駅伝会では通用しなくなってきている。

拓殖大学は今年卒業する4年生、3年生が主体のチームだ。来年の戦力ダウンは非常に大きいが4年生が託したものを胸に1年での復活を目指す。

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