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# 47 英語が好きな理由と日本の生産性の低さ

この記事では、私が英語が好きな理由と日本の生産性の低さついて着想的に考えたことを紹介します。キーワードは、下記の3つです。

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正しい敬語が分からない!

皆さんは上司から、「ありがとうございます。」と言われたとき、なんて返答しますか。

とんでもないです。
恐縮です。
お役に立てて何よりです。

など状況に応じて、色々な返答の仕方があると思いますが、私はよく最初の「とんでもないです」と使う時が多いです。ただ、この表現ですが、もう少し丁寧な言い方にすると「とんでもございません」がしっくりくるのですが、これは語法的に間違いのようです。

詳しい解説は色んな記事がありますので、そちらに譲りますが、「とんでもない」の「ない」を切り離して「ありません」「ございません」と入れ替えるのは、敬語として、日本語の使い方として間違っているらしいです。

正しくは、「とんでもないことです」、「とんでものうございます」、「とんでもないことでございます」となります。(とんでものうございます、なんて使う人いるのだろうか・・・)

ただし、だったら「とんでもございません」は本当に使ってはいけないのか?かというと、そうでもないのです。

2007年(平成19年)文科省直下の文化審議会が発表した「敬語の指針」によると、相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現として「とんでもございません(とんでもありません)」を使うことは問題がないという指針が示されました。

・・・もうややこしい!(笑) この手の話に限らず、”正しい敬語”を追求すると、”二重敬語”になっていないかなど調べるためにいちいち時間がかかって、メールを作るのも一苦労です。(汗)

ド直球でストライク!

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日本語が変化球でストライクを取りに行くような難しさがある一方、英語はド直球でストライクを取りに行っていい簡単さがあります。

例えば、日本語で相手に何かを頼むときには、

〜ください(くださいませ)
〜いただきたく存じます
〜いただければ幸いです
〜していただけますか
~よろしくお願い申し上げます
~何卒よろしくお願いいたします
~○○のほどよろしくお願いいたします
~していただけますでしょうか

などもう本当に多くのレパートリーがあり、相手の役職などに応じて、敬語のレベルを上げ下げしなければいけません。

一方、英語であれば、

Could you ~

でもう十分丁寧ですし、Pleaseをつけておけば、相手には伝わります。(もちろん、他にもWould you ~とか、it would be very appreciated if ~とかほかに表現はありますが、そこまで厳密に使わなくても問題になることはありません)

球種一種(ストレート)でことが足りる。

この表現における、"Straightforward" な感じが、とても好きです。
※Straightforward = 説明・回答などが(隠し立てや遠回しな表現がなく 明快な、単刀直入な

上下関係と水平関係

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敬語を意識する文化的背景には、上下関係が潜んでいます。日本では、上下関係が大切にされているからこそ、敬語という独特の表現がここまで豊かになったのです。そういった意味では、敬語は日本の代表する文化の1つですし、これからも意識され続けるでしょう。

しかし、この敬語が生産性の向上の弊害になっていると思います。特にコミュニケーションのスピードが著しく損なわれます。

敬語を使う目的は、上下関係において、相手に失礼な印象を与えないようにするためです。そのため、よかれと思って、使った表現が相手の心象を悪くしてしまうことがあります。そうしたリスクを避けるため、私は状況や相手に応じて、ふさわしい敬語を使うために時間を使ってしまいます。

例えば、感謝をするにしても、

ご多忙の折、皆様の温かいおもてなしには御礼の申し上げようもございません。
何とお礼を申してよいのやら、御礼の言葉もございません。
本日はお忙しい中、弊社までお越しいただき、誠にありがとうございます。

などなど状況や相手に応じて、バラエティ豊かな表現があります。

一方、英語では水平関係をベースとしてコミュニケーションが行われます。そのため、状況や相手に応じて、過度に表現を使い分ける必要はなく、

Thank you for ~
I appreciate ~

で全く問題になることはありません。さらにもっと言えば、

👍

だけでも問題になることはありません。実際に年齢や立場に関係なく、普通に仕事で使っていますが、絵文字1つ vs 洗練された敬語 ではどちらがスピード感があるか言うまでもないでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回の記事をまとめますと、

【日本語の場合】
・相手と円滑にコミュニケーションをとるためには正しい敬語が必要で、相手と状況に応じて、変化球を投げ分けなければいけないの。その背景には、上下関係が潜んでいる。

【英語の場合】
・相手と円滑にコミュニケーションをとるためには正しい敬語は不必要で、相手と状況に依存せず、ストレートを投げればいい。その背景には、水平関係がベースにある。

という比較から、英語のほうが日本語よりもコミュニケーションスピードが圧倒的に速く、その違いが日本の生産性の低さの一因だ!というお話になります。

職場におけるコミュニケーションにフラストレーションがたまっている方、ぜひ英語を勉強されることをおすすめします。私は、日本語だと曖昧な表現を使ってしまいもどかしい気持ちになりますが、英語だとストレートにずばずば言えるのですがすがしい気持ちになれます。

この記事が、日本語と英語の特徴を考える、また日本の生産性を考えるきっかけになれば幸いです。

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