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「Botanical Art=ボタニカルアート」とは

今日で3日連続投稿です。
初日の序章に書いたとおり、私は自分の興味の対象が英語と日本語の両方で知識が曖昧なので、正しく言葉の意義を理解した上で日本語と英語の専門用語を使って説明ができるように調べたことを書き残していく自分用のnoteとして使い始めました。一般公開することで私と同じく曖昧な言葉を調べる為に検索してここに辿り着いた方に分かりやすく説明できるように、書く練習も兼ねて書いてます。ぎこちなく中途半端な内容になっていると思いますが、長く続ける為にも少しづつ調べては少しずつ書き綴って、たまったときに再度編集して「まとめ」のページを書きたいと思っています。まずは「続ける」が目標です。
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本題:「Botanical Art=ボタニカルアート」とは

私が違いを理解できていなくてクエッションマークだらけだったのが英語の「Botanical Illustration」と「Botanical Art」と「Flower Paintings」、この3つの違いです。昨日は英語の「Botanical Illustration」は科学的に精密に描かれた植物学者の文献用に描く植物細密画で、あくまでも植物学の書籍や文献のイラスト用を目的に描く植物細密画である。鑑賞や商業用を目的として描かれた植物細密画には使わないと説明しました。今日は「Botanical Art」の定義を調べたいと思います。

結論から先に述べます。「Botanical Art」は日本語で「ボタニカルアート」と英語がカタカナになって使われています。または日本語で「植物画」あるいは「植物細密画」と辞書に載っています。ややこしいのは、英語では「Botanical Illustration」の日本語訳の意味の「植物細密画」が「Botanical Art」の日本語訳にも使われていることです。なぜ「ボタニカルアート」を日本語で「植物細密画」となっているのか。その理由は、描き方が英語の「Botanical Illustration」と同じように科学的、植物学的に正しく寸法を測って描き、描くルールも「Botanical Illustration」と「ほぼ同じ」だからだと思います。Botanical Illustration(ボタニカルイラストレーション)」との決定的な違いは、「植物学者に依頼されて描いていない、植物学の文献のイラスト用を目的で描いていない。」ことです。ボタニカルアートは、技術的には「Botanical Illustration(ボタニカルイラストレーション)」とルールが「ほぼ同じ」ですが、目的が「Botanical Illustration(ボタニカルイラストレーション)」と違って「観賞用である」、「商業用」であることです。ですから、ボタニカルアートを描いた作家が自分の作品を売るために個展やグループ展を開いたり、自分の作品を商業用にデザインして販売することができます。日本語では「鑑賞用や商業用を目的に描いた植物細密画」が「ボタニカルアート」です。

ただ、ややこしいのが、描くルールが「Botanical Illustrarion」と「ほぼ同じ」と書きました。この少しの違いで「ボタニカルアート」になるのか「Flower Paintings」なるのか、イギリスでも専門家によって意見が分かれ議論されているようです。また「Botanical Illustration」として描かれた過去の優れたイラストが、「Botanical Art」としてギャラリーやミュージアムで展示されたりするので、これもまたややこしいです。

また、「Botanical Art(ボタニカルアート)」で植物がより美しく見えるように作家が強調して描かいた絵に対して英語では「Plant Portraits」(植物の肖像画)とも呼ぶようです。ボタニカルアートは通常、成長サイクルや解剖の部分は含まれていません。また、植物が絵の中で科学的に厳密に描かれ植物学的に識別できるようにルールに従って描かれていれば、「ボタニカルアート」であってもそれは厳密な意味での「ボタニカル・イラストレーション」であるという議論もあるようです。

専門家の解釈によって過去の優れた「Botanical Illustrarion」が画家の名前と共に「Botanical Art」として展覧会で展示されたり、ルールに沿って描いていないと「Botanical Art」ではなく「Flower Paintings」にジャンル分けされたり、作家が美しさを更に強調すると「Plant Portraits(植物の肖像画)」と呼ばれたり、私が混乱しているのはその為のようです。


次回は「Flower Paintings」について調べて書きます。

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追記:知らなかったのですが、東京都庭園美術館で「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」開催中のようですね。東京に住んでいたら行きたいです。
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/210918-1128_TheRoyalBotanicGardensKew.html


"The Brilliant World of Botanical Art, Combining Beauty and Scientific Perspective"
https://www.teien-art-museum.ne.jp/en/exhibition/210918-1128_TheRoyalBotanicGardensKew.html

"Botanical art originally developed as an accompaniment to scientific publications such as pharmacopoeias and botanical journals."
https://www.teien-art-museum.ne.jp/en/exhibition/210918-1128_TheRoyalBotanicGardensKew.html#exhibitionLink

"Royal Patronage—Art of Botanical Illustration"
https://www.teien-art-museum.ne.jp/en/exhibition/210918-1128_TheRoyalBotanicGardensKew.html#exhibitionLink

"Women Botanical Artists"
https://www.teien-art-museum.ne.jp/en/exhibition/210918-1128_TheRoyalBotanicGardensKew.html#exhibitionLink



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