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タコスの読書:AI vs 教科書の読めない子供達〜あなたは教科書が読めますか?〜

あなたが教科書を読めるか試すテストが途中にあるのでぜひ挑戦してみてね!

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AIはもうすでにMARCHに受かる実力がある。しかし、東大には受からない!

そんな衝撃的な言葉から始まるこの本。

著者は国立情報学研究所・教授の新井紀子さん。AIの可能性と限界について研究するため、「ロボットは東大に入れるのか」と名付けられた人工知能プロジェクト「東ロボくん」を主導した科学者です。

しかし、彼女は「日本人は、AIを過大評価しすぎ!」

さらに、「シンギュラリティは絶対にやってこない!」 と断言します。

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シンギュラリティを知らない人のために説明すると、「真の意味でのAIが自分自身より能力の高いAIを作り出すようになる地点」と言う意味です。

未来学者レイ・カーツワイルは2029年に「真の意味でのAI」が開発され、2040年に1000ドルのコンピューターが全人類の知能を超えると提唱しています。

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しかし、真の意味でのAIとは、「人間の一般的な知能と同等レベルの知能」と言う意味であり、今のままでは、そんなものは発明されません。

そもそも、AIとは人間の一般的な知能と同等レベルの知能という意味であり、そんなものは今この世界に存在しません。Siriの音声判別や、Googleの写真判別、Youtubeのおすすめ欄、など、今研究されて、AIともてはやされているものは全て、AIを作るための断片的な機能の研究でしかないのです。

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「東ロボくんプロジェクト」でAIは数学と、世界史などが得意だということがわかりました。これは偏差値で言うと65以上。しかし、国語と英語が全くできないことが判明。「太郎くんは花子さんのことが好きです」この文の意味すら理解できない。と言います。

今の技術ではAIは論理・統計・確立。この3つしかできないのです。つまり、四則演算を超高速で行う機械に過ぎないのです。

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例えば、今、Siriに向かって、「近くの、イタリアンレストラン教えて」と言ってみましょう。するとSiriはイタリアンレストランを表示します。では、次に「近くの、イタリアン以外のレストラン教えて」と言ってみましょう。すると、先ほどと同じように、イタリアンレストランが表示されます。なぜかと言うと、Siriは言葉を認識してその中から重要であろう言葉を検索にかけて、検索結果を出しているわけです。今回の場合は、どちらも「近く イタリアン レストラン」と検索されたわけですね。つまり、言葉の意味を知識として覚えることはできますが、それらを理解することはできないのです。

人間は5感から、感じることができます。感情があります。例えば、水を触ったことがない人に水の肌触りだったり、どんなものかを教えるのって難しいですよね。と言うか、絶対に本質的なことは理解できないと思います。そんな感じですかね。

しかし!

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若者達の多くがAIによって仕事を奪われる!と彼女は警鐘を鳴らしています。

え、AIって読解力がないから、シンギュラリティは起こらないんじゃないの?

と思ったあなた、その通りです。ただ、AIにより仕事は奪われます。特に、ホワイトカラーと呼ばれる事務職にその影響が顕著に出るでしょう。例えば、銀行が融資を決定する際には、多くのデータから推測をするわけです。この会社は伸びるのか、返済能力があるのか、とかですね。そう言った、統計、論理、確立はAIの得意分野です。コンサルなんかもAIが仕事を奪うことになるでしょう。

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しかし、読解力があれば、あなたの仕事がAIに奪われることはないでしょう。

ただ、あなたには読解力がありますか?それが問題ですよね

・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
以上の2文は同じ意味でしょうか。

答えは持ちろん「異なる」ですけれども、中学生の正答率は57%にとどまりました。この話を、とある自治体の教育委員会でお話ししたとき、多くの委員が「信じられない」という顔をしました。何かの間違いではないか、成績に関係ないテストだからやる気が出なかったのではないか、コンピュータで受検するという形式に慣れていなかっただけではないか、との質問が出ました。

ところが、私のすぐ後に登壇した現役の高校の国語の先生がこう言ったのです。新井さんの言うことは真実です。実際に定期試験で、先程の例題の2つ目のような解答を持ってきて、「先生、どうしてこれは×なのですか?」と聞きにくる生徒が少なからずいます、と。「意味が違うでしょう」と言うと、「でも、(キーワードとなる語は)全部合ってます。部分点は出ないんですか?」と食い下がるそうです。

そして次の問題。これは僕は正解でしたが読み返してしまいました笑

次の文を読みなさい。
アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
セルロースは(     )と形が違う。
(1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素

答えは(1)のデンプン。

皆さん正解できましたか?笑

こんなのも正解できないってやばいですよね。2つ目は確かに混乱しましたが...。1つ目の問題を43%もの人が間違えるなんて。衝撃的です。

さらに、少し前に話題になったマイケル・オズボーン教授の2017年の論文『スキルの未来』では、テクノロジーの進化という観点だけでなく、グローバリゼーションやアーバナイゼーション(都市化)といった社会の変化も考慮に入れ、改めて「近未来の雇用市場で必要とされるスキルとは何か?と言う物が発表されています。

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こんな感じですね。

この必要とされるスキルはAIが判断できない苦手な分野になってくるわけです。では、皆さん、もし読解力を上げる方法があれば知りたいですよね。あなたが、親なのであれば子供が困らないように、そのスキルを教えてあげたいですよね。

実は、読書の習慣、偏差値、勉強習慣、運動習慣、文系理系芸術系。

全て、関係ありませんでした。

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わからないんです。

どうやったら読解力が伸びるのか、わからないんです。

ただ、あなたが教科書を読むことができないなら、

あなたは近い将来AIに負け、仕事を奪われることになるでしょう。

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