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言葉を紡ぎ,伝えられる難しさと喜び

つい先日,弊校でSSH成果発表会が開催されました.

この成果発表会では,地元の市民会館で(新型コロナウイルス感染対策は万全)選ばれた15本の課題研究班が発表します.

僕も昨年に引き続き,この場に登壇する機会を頂きました.この研究内容についてもいつか書きたいですね.

僕の発表はプログラムの割と最後の方だったので,準備や練習をしながら合間に発表を見る形でしたが,昨年に比べると余裕があったので発表を見て楽しみました.そこで感じたことをまとめます.

1.丁寧な準備って大事

僕たち高2SSコース生は1週間前に,発表する代表を決める予選会を行いました.そこから3本の研究を選ぶわけです.

僕は12月に参加させていただいたカンファレンスの報告で登壇が決定していましたが,ここでの発表の準備もありましたし,ここで選ばれた3本は選ばれた後から違う発表形式に合わせた準備をする必要があります.

それでも僅か1週間を使って,高2SS課題研究は計5つの発表がありましたが,どれも予選会以上の発表を準備してきて存分に発表していました.

僕も発表の4~5割くらい変えましたが,その前に発表していた彼は相当構成を変えてましたね.研究内容も魅力的ですし,発表も上手で,見ていてすごくワクワクしました.

高2SS課題研究も面白い発表ばかりでしたが,高校1年生の方が個人的にすごいなぁと思いました.

今回は高校1年生全員にステージで発表の機会があり,高校2年生はその発表を見て質問を飛ばしまくる昼休みだったのですが,結構入念に質疑対策をしている班が多いんですよね.

僕みたいなひねくれ者がちまちましたことをガンガン突っ込みましたが,予想外の質問にタジタジになる班もある一方(もうちょっと答えやすい質問をしなさいよ,あなた),そこらへんの高2顔負けの冷静な応答をする班もあるんですね.

おそらく指導に当たられた先生たちがアドバイス等されているんでしょうが,それにしてもしっかりとしている応答だなぁと1年生の持つポテンシャルに感心しながら質問しました.来年の発表会がすごく楽しみですね.見たいなぁ.(来年のこの時期は受験勉強のど真ん中です.)

2.言葉を紡ぎ,伝えることの難しさと喜び

こんな感じで,ここまで余裕ぶちかまして大丈夫か?と不安になりながらも,どうせ裏の控え室は騒がしくてまともに集中できないので,たくさん発表を聞いてました.

発表を聞きながら,不安だったのが

言いたいこと,伝えたいことが,ちゃんと伝わるだろうか?

ということ.おそらく僕と近い思いを抱えて発表に臨んだであろう発表が1つありました.

それは地元の大学が主催する国際会議への参加報告で登壇する班.

彼女たちは参加報告および彼女たちの研究に関する発表を全部英語でやらなくてはいけなかった.

研究内容は割と身近?なものなので,あとは英語が伝わるかどうか.

実際に発表を聞いたが,リスニングが苦手なら難しかったかもしれない.でも問題なく理解できる発表だった.本当に流石だなぁって思います.

去年も含めて初めて登壇する人もいた.それでいてあそこまで丁寧に上手に発表できるのは本当にすごいというしかないです.
(去年の発表でアクシデントが重なって焦りがひどかった人間なので...)

僕の発表も彼女たちと似ていて,別の国際カンファレンスの参加報告及び研究内容の発表.ただし日本語で.

本来なら彼女たちと同じく,英語で発表をする枠での発表だった.

でも,実際に僕が行った研究内容が大学履修範囲に突っ込みかけており,ただでさえ難しいため,先生と相談して日本語での発表に変更させていただきました.

正直なところ,予選会で発表したとき,なるべくかみ砕いた発表をしたつもりでしたが,「難しくて分からない!」という人が一定数いて,それなりに準備をしていたのですごく悔しかったし,成果発表会がずっと不安でした.

だから,アンケートを実際にとってみて,どんな点が分かりにくかったか,どこを改善できるか,というのを洗い出して,JSEC2019で仲良くなった激烈に発表の上手なメンバーに発表を見てもらい,ガンガンに修正をかけまくりました.(ちなみに発表を見てもらったのが2日前の夜です.実質あと1日,ギリギリですね...)

この表現が抽象的すぎる.もう少し具体例を...とか,今までで最も自分の発表を見つめ続けた1週間になった自信があります(笑).

そうして迎えた発表の時間.さすがにステージ袖に来ると緊張してましたが,演台まで歩く間で緊張がすうっと薄れていきました.

今まで数々の発表の機会を頂きましたが,そのどれよりも全力を懸けてプレゼンをしてきました.

1日中行われていた発表会の中で僅か10分の発表.もしかしたら見ていただいた人からすれば何の印象にも残らない発表だったかもしれない.
でも,僕にとっては一番充実した10分でした.いわゆるflowっていう状態でしょうか?ワクワクして,いつもは狭かった視界が広くなっているような気もしました.

そんな中発表をしていて,観客席に座る人たちの表情を見て肌で感じ取りました.

今までで一番上手く発表できている!

発表終盤で,フリッカーの誤作動からスライドが最後まで飛んでしまうというアクシデントも発生し,一瞬焦ってしまいました.突発的な事態への対応力は今後の課題ですね.

全力を懸けた10分の発表の発表を終え,一瞬の沈黙のあと,会場全体から湧き上がってくる温かい拍手を受けて,「よかったぁ」とすごく安堵.「僕の研究や発表が受け入れられた」という実感を得ることができて,今年の課題研究はきつかった時期もあったけどやってきてよかった!と思いがこみ上げてきました.今でもあの時の興奮と感動がやみません.

事実として,アンケートからも発表がうまくいったことを示すデータが得られています.

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上が予選会での発表理解度.下が成果発表会での発表理解度です.
(1:とても分かりにくい⇔5:とても分かりやすいの5段階評価.)

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アンケート結果からも実際に発表が理解しやすいものに変化したことが見受けられます.特に予選会は理系生徒のみですが,成果発表会では文系生徒も含んでいます.それでこのような結果を得られたことは本当にうれしく思います.

3.まとめ

昨年の成果発表会や今年の予選会では「これはいける!」と思い,発表に臨みましたが,思うように伝えられず悔しい思いをしました.様々な発表の場でも伝えられないことが多く,辛かったこともありました.

今年はnoteや論文なども書きながら,言葉を紡ぐことの難しさを感じ,成果発表会前は必死に発表に向き合い,今までよりも人に伝えられる発表をできました.

それだけでなく,成果発表会では同級生や高校1年生,中学3年生が行う発表を見て伝える技術を学び,刺激を受けることができました.

言葉を紡いで,自分で伝えられる

これがどれほど難しいもので,また嬉しいものであるかを痛いほど感じることができました.

今回書いたこの記事が,また誰かに伝われば嬉しいなと思い,これで終えたいと思います.

最後まで読んでいただきありがとうございました.ご意見等あれば気軽にコメント等ください.

それではまたお会いしましょう!

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