第3話 英語嫌いだった私の英語・英会話マスター術 英会話スクール「英語・直観力」設立への道
あらすじ
英語がまったく好きでも得意でもなかったのに、仕事で中学生に英語を教えなければならなくなった徳田は、日本語をパズルのように分解して英語にしていく教授法を編み出し、生徒たちはパズルゲームを解くように英語を書いて英語を憶えるようになっていく。
手応えを感じ始めた徳田だったが、徳田の特殊な授業を気に入らない斉藤専務は徳田に普通の「英語を日本語にする」授業をするように強要する。効果的(そう)な「日本語を英語にする」授業は早くも潰えてしまうのか?
(第1話はこちら)
面白そうだから、やってみろ
「なんでぇ、とく、また斉藤君(専務)に叱られたんだって?」
応接室の黒の皮張りのソファに座った碇り肩で、首のない、こんがりとゴルフ焼けしたオールバックの男が面白そうに私に言いました。手元にはロングピース。まるでヤクザの親分のようなこの人が、なんと進学塾の社長です。
私は、入社してから2年間この親分、いや、社長の直属で勤務していまして、受験業界の裏も表も酸いも甘いも思い知らされました。まぁ、そういう話をしてもいいんですが、30年たった今だって、様々な弊害や後難が怖いんで、ご興味がある方はご連絡を。呑みながら(WEBでね)話しましょう。
それはともかく、私はため息交じりにうなずきます。
「で、お前が悪いのは間違いないとして、今度はなにやったんだ?」
私は、授業でテキストを使わずに、日本語を英語にする授業をしていることを伝えました。能動的に英語を書くことが出来る分、絶対に理解が深まるということを力説します。
「ふ~ん、おめえも変わってんな。普通に流して授業すりゃ、給料もらえんのによ」
「それじゃ、面白くないです。それに、流してやってたら生徒が増えません」
「へっ、言うじゃねぇか。おめぇのやり方やってれば、生徒が増えんのかよ」
「増えます。このやり方なら必ず英語の成績が上がるはずです。そうなれば、生徒たちが友達を誘ってくれます」
売り言葉に買い言葉っていう言葉があるのは知ってましたが、まさか自分が口にするとは思ってもいませんでしたね。まるで、実績もなく、社会人になって初めて教壇に立ったくせに(学生時代は、先生稼業はやったことがなかったんです)、こんな断言をするなんて。今、考えても冷汗が出る。
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