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第1話 英語嫌いだった私の英語・英会話マスター術 英会話スクール「英語・直観力」設立への道

著者 徳田孝一郎


前置き

 高校・大学時代を通じて、英語は好きでもなかったし、得意でもなかった。

 こんな書き出しで始めると、また、マーケティング的に気を惹くような書き方をして、こすっからいと思われるかもしれないが事実なので仕方がない。

 それが、何の因果か、中学生・高校生に受験英語を教えることになり、その後、教材出版社「佑人社」に編集者として転職して、英語の参考書や私立高校の入試問題を作成し、次に「英会話の7アクト」に転職すると、社会人の方の英会話力指導をさせてもらい、7アクトのメンバー限定ページで連載していた英文法をネタにしたドタバタ小説「英語の国の兵衛門」を出版することになった。(リンク先は出版社のメディア・ポートから上梓された書籍版のAmazonのページ。メディア・ポートが解散したために同じ内容のものをkindleで出版してあります。それはこちら 転売ヤーの高額古本を買わないでね)。

 その後、会社の方針転換で袂を分かったが、お付き合いのあった方々の勧めもあって、英会話スクールを設立して今に至っている。

 まったく縁は異なもの味なものというが、未だに自分が立派なビジネスパーソンの方々に、英語・英会話を伝えているということが不思議でならないときがある。間違いなく、目の前に座っておられる方々のほうが高校・大学時代は英語ができたはずなのだ。摩訶不思議。

 ただ、一方で、英語嫌いだったからこその利点もある。

 それは、英語ができない方の気持や判らないポイントが判るということだ。
 なんで、間違えるんだよ~オレ、という気持は痛いほど判るし、間違えたけど、どうして間違えたのか判らないということを、受講生から言われても、引っかかっているところが判るのだ。なんたって、自分が通ってきたいばらの道なんだから(笑)

 あとは、受講生の英語にそんなに時間をかけたくないという気持もよく判る。
 よくよく考えれば、嫌いなものに自分の時間を使いたくないのは当たり前なのだが、この辺りは、はじめから英語が好きで英語を教えておられる先生方には、判らないことだろう。あまり言ってはいけないのかもしれないが。

 そういうわけで、英語を生業にしているのだが、こういう経歴だから
「どうやって英語を習得したんですか?」
と質問されることも多い。
 海外に住んでいたことがあるわけじゃなし、国際関係の学部出身(私は、法学部法社会学 出身)でもないのに妖しい(笑)、というわけだ。

 その度に、仕事で使わなければならなくなってと煙に巻いたり、それでも食い下がられるときには、やってきた方法をお話したりして来たのだが、よく考えると英語・英会話習得の艱難辛苦(それほどのことでないが)をまとめておくのも面白いかもと思うようになった。なにより、食い下がられたときに何度も話さなくて済む(笑)

 というわけで、英語嫌いだった男がどうやって英語・英会話を身に着けていったかというお話です。お気に召しましたら是非ともごひいきくださいますようお願い申し上げます。

なんで、おれが英語を!

 中学生に英語を教えなければならなくなったのは業務命令でした。当時私は葛西の進学塾に就職していて、講師の管理をやっていたんですが、人が足りないから、英語を教えろとのお達し。

 ええ~、国語ならともかく英語ぉぉぉ!

 というのが最初頭に浮かんだことで、無理むりムリ無理むりという泣き言が続きます。だって、今ではなくなってしまいましたが、その進学塾は年間200万もかかる超高級塾。生徒たちの進学先は「開成高校」「早稲田高等学院」「慶応高校」といった超高校級のところばかりなんです。

 そして、そういう超高校級の高校の英語はこれまた超高校級。下手な大学入試より難しいんです。英文が長い。構文が複雑。よく読まないと誤解するような設問。

 つまり、アルファベットも読めない中学1年生を中3の年明けには大学入試問題を解けるレベルにまで持って行かなければならないんです。

 さて、困った。

 でも、逃げ出すわけにはいかない。業務命令ですからね。拒否権はない。この辺りが正社員の辛いところです。

 どうしようかと悩んでいた時に、思いついたのは逆転の発想でした。「読む」のと「書く」のでは、難易度が高いのはもちろん「書く」ことです。それなら、書ければ読めるんじゃないか? という乱暴な発想です。でも、それが出来れば、昔から変だなと思っていた「英語の授業なのに生徒は日本語ばかり話さなければならない」ということも回避できる。
 不思議じゃありませんでした? 先生に差されて、教科書の英語をえんえんと和訳していくって。英語の授業なのに教室に溢れているのは日本語ばかりなり。国語か!

 というわけで、テキストの英語を日本語に訳して、それを問題にして生徒が英語にしていくというちょっと特異な英語のスタイルが誕生しました。

 そのやり方は、こういうものです。

 まず、英語の語順を伝えます。

①主語
②助動詞
③動詞
④~を/~に、形容詞
⑤その他
⑥場所
⑦時

というのが、英語の基本的な語順です。それに合わせて、問題の日本語を分解し、当てはめていきます。たとえば、こういう文。

「彼は毎日学校でサッカーを彼の友達たちとやったものだった」

 これを分解して当てはめると、

①主語        彼は
②助動詞       ものだった
③動詞        やった
④~を/~に、形容詞 サッカーを
⑤その他       彼の友達たちと
⑥場所        学校で
⑦時         毎日

 この分解した日本語を英語にしていきます。そうすると、こんな感じ。

①彼は      He
②ものだった   would
③やった     play
④サッカーを   football
⑤彼の友達たちと with his friends
⑥学校で     at school
⑦毎日      every day

 はい、英文いっちょ上がり! です。

 もちろん、中学1年の初めは違う文を使いますが、基本的な考え方は同じです。

 ということで、私はアルファベットで単語を書けるようになった生徒たちに、次のような日本語を英語にさせていきました(のちのNative English Speakerたちとの経験を踏まえて、例文は大人向けに、また、英会話に繋がるように変えてあります。ここにあげる例文を使っていたら、父母から吊るし上げをくらったに違いありません(笑))。

彼はひとりのビール飲み者です。

 さて、英文は次回の投稿に掲載します。

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