第2話 英語嫌いだった私の英語・英会話マスター術 英会話スクール「英語・直観力」設立への道
著者 徳田孝一郎
あらすじ
英語がまったく好きでも得意でもなかったのに、業務命令で超高校級の「開成高校」や「早稲田高等学院」「慶応高校」「東京学芸大附属高校」「国際基督教大学高等学校」を志望する中学1年生に英語を教えなければならなくなった徳田だったが、生来の変わり者ぶり(価値の逆転を得意とするSF者ぶりとも言う)を発揮して、逆転の発想で英語を教え始める。英語は読むよりも、書く方が難しい。ならば、書く方から教えちまえ! という乱暴な発想だ。つまり、「英語を日本語にする」のではなく、「日本語を英語にする」という授業を始めたのだが、さて、その成否や如何に?
(第1回はこちら)
英文作成は理解が深まる
では、前回の課題の
彼はひとりのビール飲み者です。
を、英語にしていきたいと思います。
英語の語順Word Order に当てはめれば、
①主語 彼は
②助動詞
③動詞 です
④~を/~に 形容詞 ひとりのビール飲み者
⑤その他
⑥場所
⑦時
となります。
③動詞のところに当てはめた「です」ってなんだ? と思いますが、「です」は、(丁寧な)断定ですね。で、通常英語ではbe がこの位置に来る。ああ、be動詞って断定のことかと理解が深まる。
④~を/~に 形容詞のところにあてはめた「ひとりのビール飲み者」も日本語としておかしいですが、英語に合わせて日本語を置くことで、drinker は可算名詞ってことも同時に憶えられるんです。
そして、これを英語にしていくと、
①主語 彼は He
②助動詞
③動詞 です be
④~を/~に 形容詞 ひとりのビール飲み者 a beer drinker
⑤その他
⑥場所
⑦時
ですね。ただ、be は主語に従って変化させなければなりません。He だからis となると伝えてもいいんですが、これだと応用が効かない。She が出て来た時にまた個別に憶えるってのは非効率です。なんたって時間がないんです。どうやって効率的に語形変化を憶えさせるか? という課題が、わたしの理解力を深めてくれます。
ここで役立ったのが、大学でやった現代思想です。俯瞰して法則性を見つけるというのがかなり鍛えられていた。
このbe がis になる変化というのは中学校で三人称単数現在だからと教わるわけですが、じゃあ、三人称単数ってなんだ? ということを考えるわけです。で、ちょっと考えると、三人称単数ってのは結局、
主語が『I, you, 複数 じゃない』
ってことです。そして、現在というのは(このあたりはNative English Speakerとの交流で更新されました。当時は単純に現在は今のことと理解していた)、
『ずっと変わらないこと』
です。
この条件がそろったときに、
Be をis にするということです。
そうなると先ほど表はこうなる。
①主語 彼は He
②助動詞
③動詞 です is
④~を/~に 形容詞 ひとりのビール飲み者 a beer drinker
⑤その他
⑥場所
⑦時
これを普通にかけば、
He is a beer drinker.
です。
この法則は
主語が『I』で『ずっと変わらないこと』⇒am
主語が『you・複数』で『ずっと変わらないこと』⇒are
主語が『I, you, 複数 じゃない』で『ずっと変わらないこと』⇒is
という法則になり、丸覚えの量を減らすという大きな効用になって行きました。
なるほど、こういうやり方で英文法を勉強すればいいのかと納得した方は、お手持ちの英語のテキストを、一度日本語にしてその日本語を英語にするということをやってみてください。確実に力が付きます。ちょっとそういうのは面倒という方は私が作った英語・英会話力養成テキスト「English Sentence Maker 実践英語・英会話力養成テキスト」シリーズをどうぞ。同じやり方で英文法が学べます。いや、テキストは続かないという方は、徳田の主宰しております英語・英会話研修スクール「英語・直観力」の個人向けHPから無料体験レッスンをお申し込みください。事務局よりご案内のメールを差し上げます。