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【村上春樹風に宇宙を呟く】

「でも分からないわ。そのロジックだと太陽もやがては燃料が尽きるじゃない。」
彼女は赤ワインの入ったグラスをくるくると回しながら言った。

「そう、熱力学の第二法則は、一つの系のエントロピーは決して低くなることはないと言い換えることもできる。」
僕はエントロピーの説明をしながら赤ワインの渦について考えていた。
渦というのはブラックホールに似ているはずなのだ、限りなく大袈裟に言うと。

「エントロピー?」

やれやれ。
「そう、エントロピーは減少しない。熱力学の法則に従って宇宙は容赦なく死にむかうのさ」

そんな風にして僕は、彼女と寝た。



熱い湯はいずれ冷める。
そういうことなのだ。


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