あなたは誰と同じストーリーを持っているか?
ロンドンに一ヶ月語学留学していた際、ルームメイトの中国人女性(アラフォー・主婦)に教えてもらった、夫婦において大事な言葉がある。
とにかく彼女はWeChatで旦那と連絡しまくる
彼女にとってはこんなに長期間家を空けるのは初で、中国にいる家族とはよく常にWeChatで電話をしていた。
観光地へ行くと、時間さえあればなるべく必ず夫へビデオ通話をかけて見せて話す。1日に3~4回は食事の最中でも常にWeChatでいろんなことを共有している。
「今回、夫とは必ず毎朝・毎晩電話するのを約束してるの」
ここまでするのはなかなか日本では見ない光景だ。
でもこうして常に見たもの・ことをパートナーや家族にシェアするのが、彼女にとっての普通で、日常で、常識なのだ。
私にとって最初は「こういう人もいるよね」くらいの感覚だった。
数ある中の一つの価値観として。
しかし彼女はあまり連絡をしない私に対して
「なんでそんなに家族に連絡しないの?心配しない?大事にしないの?」
と驚く。私は「私の家族は、(ある種諦めもあるが)自分を自由に放っておいてくれてるんだよ」と答えるが、「ふーん。。。」といった様子。
その根本は?
普段から学ぶことが大好きな彼女とは色々と毎晩おしゃべりをした。
いま中国でも起こっている少子化とか晩婚化とか、そして、もっと根本的な家族のあり方や恋愛観について。
お互いの国の違いから、個人的な意見までたくさん話していった。
日本については私から、
「日本だと昔は男=外、女=家が常識だったから、家庭の子育てにおいてコミュニケーション不足になりやすかった。(夫が子供に懐かないとか)」
「親戚も離れ離れに住みがち」
などなど。それに対して彼女には相当驚かれた。
人生経験も自分よりも豊富で、女性・妻・母として奮闘している彼女。
まだ未熟な私に対して、煮えきれなくなったようで、諭すようにある言葉を教えてくれた。
そして私は彼女の行動の根本を理解した。
"Good couple has same story, Bad couple has different story."
「良いカップルは同じストーリーを持っているけど、悪いカップルは違ったストーリーを持つ」
「今日はここ行ってね」
「すごくこれが美味しかった」
「こんな大変なことがあったの」
って、全ての情報を共有していたのも、知ってほしいっていう承認欲求とか情報共有そのものが目的ではない。
もっと根本の、どういう事が起きて・どういう感情でいたかの情報を通じて、二人で同じストーリーを作り上げて行くことなんだ。
カップルだけじゃなく、家族や友人にも言えることで、あったことや気持ちを誰かに話すってことは、「相手と意味を一緒に見出して、自分たちだけのストーリーを作る」こと。
伝える方法はいまSNSで家族も、親しい友人も、見知らぬ相手でも、誰でも簡単にシェアすることができるようになった。
LINEすれば即座に写真も声も届く。インスタのストーリーにサクッとあげればとりあえずほどほどの知り合いにも伝わる。
伝える内容と伝える先の選択肢はめちゃくちゃ増えた。
「伝える」ということは、同時に「誰と同じストーリーを持つか?」を念頭に置いてた方がいい。
いま私たちは本当に大切な人と、同じストーリーを持てているだろうか?
少しの励ましが大きな活力になる燃費良い人間です!