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初めての座禅の楽しみ方〜過去と未来をぷかぷかしよう〜

「心が整う…!」との巷の評判を聞き、先日友達たちと初めて座禅に行ってきた!
場所は広尾駅すぐの「香林院」。平日毎日朝座禅をやっているそうで、今回は7:00〜8:00の1時間コースを体験した様子と感想をまとめます。

ちなみに私は普段、ITベンチャーでプロデューサーとして働いており、お寺や座禅やあぐらとは全く無縁のOLですが、めちゃくちゃ楽しめたのでそのやり方やポイントを中心に書いていきます。

WHERE:朝座禅ができる「香林院」(広尾)とは?

都内でも珍しい、「朝座禅」が平日毎日できるのがここ香林院。
(全体的に私が雰囲気に没頭してしまい、写真撮るの失念してたので引用多めです)

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(写真引用:「お寺は文化活動の発信地」毎朝の坐禅で人々が集う【香林院 金嶽住職】

広尾駅から徒歩約3分ですぐに到着でき、平日はなんと毎朝7時からやっている。

しかも予約不要で、朝にふらっと入って終わったら各自で抜ける完全自由スタイル。
住職さんのインタビュー記事を見たところ、座禅を自由に体験してもらいたいから「来るもの拒まず」スタンスとのこと。
このご時世になんて懐が深い…。

時間になったら各自が門をくぐって、静かに部屋に入っていきます。

座禅をする部屋はこんな感じです。
どこかノスタルジーを感じる畳の部屋に、掛け軸と花瓶だけがシンプルに飾られたしつらえ。
窓からは中庭を臨むことができます。

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(写真引用:Let's ENJOY TOKYOさん「【朝活】出勤前にやる気スイッチON!一人で朝坐禅にいってみた」」

この日はほぼ満席で部屋には30人近くがすすっと着席。

席につくのもつかの間、説明は特になく鐘がなったらスタート!
(最初はびっくりするけど、事前に座禅のコツの紙はもらえるので要チェック)

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1時間のうち、25分経ったら5分休憩が入る2セット形式。
最初の25分で終了してもOKです。
開始と終了はお坊さんが鐘を鳴らして知らせてくれます。

(この鐘がまた、家庭でもよく聞くお仏壇用のあのチーンっていう音。とっても静かな空気の中に、この音だけが厳かな雰囲気に綺麗に響きます。不思議な感じ)

HOW:座禅中は何考えるの???

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まず座布団に座ったら最初に座禅のポーズをします。
あぐらをかいて、背筋を伸ばし、手は縁を描いて足の上におく。

そして座禅中は、瞑想と違って目を閉じずに斜め45度下を眺め続けます。

もし写真の景色が見えるように座っているとしたら、だいたいこの辺りの畳の目の付近をリラックスしながら見つめます。
場所によっては庭を眺めてもいいかも。

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そしていったいこの間の25分間は何を考えるのか??
それとも考えないのか???

座禅の先輩友人に教えてもらった答えは…
「何も考えない」のではなく、「呼吸を整えながら、頭に浮かんでくることを、ただただ客観視する」。

鳥の鳴き声しか聞こえない無音の部屋にじっと座って、とりとめもなくただただ自分の声だけの世界に入る。

最初はちょっとくすぐったいというか、、、慣れない空気だなと思ったけど、3分くらいですぐ慣れました。
(多分みんなそうだと思う)

みんなの呼吸音しかきこえない静寂のなかにいると、本当にそこには自分の意識しかなくて。
まるで自分の意識だけが、宙にぷかぷか浮きあがっているかのように思えてくる。

そしていろんなことが頭には浮かんで来るんだけど、自分の場合はこんなことが浮かんで来た。
だいたい、過去のことか未来のこと。

▼過去
「そういえば昨日観たパラサイトのあのシーン、やっぱえぐかったなあ」
「この前のあの人との飲み会はめっちゃ楽しかったわあ」
「あの思い出も楽しかったし」
「あの時のあの件、やっぱ振り返ると怪しいんだけど…」
「先週やるって決めてた●●●●●、まだできてないや。やらなきゃ」
「畳の部屋って、子供のころ新潟の実家の畳の部屋で夏を過ごしてたのを思い出すわあ」

▼未来
「やっぱ将来●●頃には●●●●をやりたいなあ。試算しなきゃ」
「●●のあのタスクどうしようかなあ」
「てかやっぱ日当たりの良い部屋に将来絶対引っ越したい」
「今年の計画、やっぱり●●●●●●をもっと●●●●●にしたいなあ」

などなど。

考えようとしなくても、頭の中では無意識に考えが浮上してきちゃう。
本当とめどめもなく、だ。

とにかくいろんな粒度の、過去のことと・未来のことが浮かんでは消え、浮かんでは消えていった。


でも同時に無音の中で過ごしていると、いろんな事がポンポン頭の中に浮かんできても、それを落ち着いて客観的に認識することもできて、ゆる〜く「ああ今こんなこと考えてるなあ」って俯瞰して見ることもできる。

そして鬱陶しくなったら、「あっち行けあっち行け」って手で払って考えるのをいったん止めたりできちゃう感じ。
意識がコントロールできるようになった気がする。

そんなこんなしてると、25分はあっというま。


そして後半の25分を始める前は、「今度はなんかポジティブなイメージ出てこい!」って願ってみたけど、残念ながら面白いことに前半の時と浮かんだことはほとんど同じ。
(これについては後述)

最後の鐘が鳴って終了。
みんなスッと静かに席を立ち、静かにそれぞれどこかに消えていった。

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鐘を鳴らす住職が座禅する席にはこんな感じのセットが置かれている
(写真引用:Let's ENJOY TOKYOさん「【朝活】出勤前にやる気スイッチON!一人で朝坐禅にいってみた」」

WHY:分かったことは「普段めっちゃ考えてるようで、対して毎日変化はしてない」

終わってから広尾近くのカフェでモーニング。
香林院近辺では、広尾駅そばのSAWAMURAが居心地よくておすすめ。

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そして「何考えてた?」ってお互いに話し合ってたら、座禅に慣れてる友人がこんなことを教えてくれた。

「人間っていつも6万件のことを考えてるけど、90%が昨日と同じことなんだよね」

…た、た、確かに。
その通りで、さっきも前半と後半で考えたことは全然大差がなかった。。。

「しかも過去の思い出し&未来への不安を、ずっと行ったり来たりしがちで、あんまり目の前の今のことを考えていないらしい。」

がーん!その通りすぎる!

人間って、熱いものに触ると反射的に手を引っ込めるっていう脊髄反応が決まってるように、意識の仕方も割とみんな似たようなものらしい。

頭で考えてる意識は、だいたい「過去の思い出」か「将来の不安」で、だいたいの人は今目の前にある状況「この瞬間、私は何を感じているか?」に、なかなか実は意識が向きづらいそう。

だから、普段無意識に考えてるいることの90%は昨日と同じ事だし、答えを毎回出せているわけではないから、基本的に自分の考えの90%は毎日変わってない。
(当たり前っちゃ、そうかもしれないけど…)

座禅で自分をぷかぷか浮かばせよう

だから、座禅は自分の思考を俯瞰して、いまの自分に集中させるためにやるものだそう。

※ちなみに「瞑想」の場合は目を閉じて無になり、現状から自分を切り離すことになるので、現実逃避の側面が強いらしい

これって、そういえば…

海の上で浮き輪に乗っかり、並みの赴くままぷかぷか浮かぶあの感覚に近い!

ああいう時も、自分をぷかぷか浮かばせ、風や波に揺られるのを楽しみながらも、ぼんやり空や景色を眺めて思考をぷかぷかさせている。
この「ぷかぷか」の正体って「過去と未来を行ったり来たり考えるのをコントロールして、今に向かう」って事なんだと思う。

なんだかあのあぐらをかくポーズも、なんだか思考の海にぷかぷか浮かびやすそうな気もしてきた…。

というわけで、時間があればこれからも定期的にお寺にぷかぷかしに行こうと思います。

もし知り合いで座禅にご興味ある方いれば、ぜひお声がけください。
一緒にぷかぷかしに行きましょう!

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