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九州のおかしな歩き方

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九州の郷土菓子、ご当地スイーツ・パン、銘菓本店を巡る旅
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#福岡

029_山田饅頭本舗の山田まんじゅう【福岡】

カステラ饅頭の一種、丸ボーロの生地に白餡。 焼きたては生地の香ばしさと餡の甘さのハーモニーがたまりません。 焼きたて最高。 1個じゃ足りない、もう1個!てなる。 翌日になるとよりしっとり。 形はボタ山、石炭などの採掘に伴い発生する捨石(ボタ)の集積場をイメージ。 戦前、福岡県筑豊地方は国内最大の炭鉱地帯だった。 この地域は炭鉱で栄えていた時に鉱員たちの腹を満たしていたもの、炭鉱をイメージしたもの、炭鉱の発展を背景に菓子業界も栄えていたことがうかがえ、非常におもしろい。 1

030_ひよ子本舗吉野堂のひよ子【福岡】

かわいい。 上から見ても横から見てもかわいい。 どうかと思うのですよ、お菓子として。 食べるのに躊躇するくらいかわいいって。 愛され続けるという言葉がピッタリのお菓子。 ひよ子が生まれた飯塚市は、長崎と小倉を結ぶ砂糖が通った道、シュガーロード沿いにあり、昔からお菓子づくりが盛ん。 しかも、ここは明治初期から炭坑で栄える。 現在、本社は福岡市にあるのだけど、飯塚市にある穂波工場へ行った。 もしかすると、焼きたてが食べられるかもしれない、そんな甘い期待を胸に。 結果、焼

031_千鳥屋の千鳥饅頭【福岡】

ゆるい。 このゆるさがかわいい、千鳥饅頭の刻印。 千鳥饅頭は1927年(昭和2年)誕生。 中に白餡が入ったカステラ饅頭。 かつて日本一の炭鉱地帯だった筑豊。 江戸時代、長崎街道を通じて筑豊にも南蛮菓子がもたらされる。 これが明治以降、炭鉱景気背景に数多く生まれた銘菓の誕生につながるってなんかもうこうロマンすら感じる。 重労働を担う炭鉱の人たちがエネルギー源に甘いお菓子を好んだのも、菓子作りが盛んになるのに拍車をかける。 千鳥屋本家、先祖がお菓子を作り始めたのは天正18年

炭鉱と砂糖とお菓子

炭鉱、石炭を掘り出すための鉱山。 甘いお菓子とあまり関わりがないように思える。 だけど、福岡県のお菓子を追っていると筑豊地方の炭鉱のことがちらほとら出てくる。 山田まんじゅう(嘉麻市)、ひよ子・千鳥饅頭(飯塚市)のことを書いていて、もう少し筑豊地方の炭田のこと知りたいなぁ、と思い、指のむくままネットの波に乗っていた。 1872年(明治5年)、鉱山解放令が公布され産業革命期に入ると、炭鉱開発が急速にすすめられる。 1901年(明治34年)、八幡製鉄所が創業。 筑豊炭田は、福

032_くろがね羊羹・堅パン【福岡】

時は大正、八幡製鉄所の従業員の栄養補助のためにつくられた羊羹と堅パン。 「くろがね」は鉄を意味する。 これ、どっちも好きなの。羊羹は甘いのだけど、くどくなくてお茶なしでスティックのままいける。 堅パンもめっちゃ固いけど、ガジガジかじる。 牛乳にひたしても美味しい。 保存できるように水分を少なくして固くなる。 北九州近辺だけでなく、九州内のスーパーマーケットなんかでも手に入るのがうれしい。

033_亀屋延永の黒ダイヤ・白ダイヤ【福岡】

筑豊地方が炭鉱で栄えていた頃、石炭は黒ダイヤ、石灰石は白ダイヤと呼ばれていた。 黒は黒砂糖と小豆、白は白砂糖と隠元豆でつくったゴツゴツとした羊羹。 もとは田川市の大月堂が作っていたが、現在は飯塚市の亀屋延永で作られている。 亀屋延永 飯塚店 福岡県飯塚市忠隈77-34 (2018.3.22)

034_四宮の成金饅頭【福岡】

成金饅頭は、福岡県直方市の銘菓。 直方、これなんてよむと思う? 正解は、のおがた。 なんでっ。 なおかたとかなおがたでいいじゃんっ。 一見どら焼きだけど、中身は白餡で豆の食感が残っているのが特徴。 普通どら焼きサイズから、大きいものは直径30cmとかある。 明治時代、値段が高騰すると思ってうずら豆を大量に買ったけど、実際は暴落しちゃって困った青年が、豆を処分するために饅頭を作ったところ売れたのが始まりという。 当時、筑豊炭田の重動労で疲れた鉱員たちが、甘い菓子を食べること

035_大石本家の成金饅頭【福岡】

ここの饅頭、ちょっと小ぶり。 生地の端が薄くパリパリで、餡は豆のカタチがガリガリ残っててうまっ♡ 大石本家 福岡県直方市古町17-8 成金饅頭 162円 (2018.3.22)

036_湖月堂の栗饅頭【福岡】

本店に行ってきた。 小倉の名物、栗饅頭。 中には栗を練り込んだ白餡。 1895年(明治28年)の創業以来栗饅頭を作っている湖月堂は、長崎の田中旭栄堂と共に元祖的な店とされる。 湖月堂 本店 福岡県北九州市小倉北区魚町1-3-11 栗饅頭  108円 (2018.3.20) 小倉は長崎街道、別名シュガーロードの出発地。 それがここ、常葉橋のたもとに。 ここを砂糖が通っていったのよー。 それよりもなによりも、隣の橋のこの列をなす全裸のペンネ人間が気になる。

043_餅米もちだんご村餅乃神社【福岡】

餅米もちだんご村餅乃神社前 まじでそんな住所があるの?と思い行ってみた。 ありましたよ、神社。 直方市に本社がある、せんべいで有名なもち吉。 字餅米という住所はあったものの、神社はもち吉が建立したらしい。 お店ではアウトレット品の特売袋なんかが売ってある。 もち吉 直方本店 福岡県直方市下境2400番地 字餅米 もちだんご村 餅乃神社前 (2018/6/19) お気に入りの煎餅の特売袋は売ってなかったので、なにも購入せず。 せっかくここまで来たのだから、という気

059_さかえ屋のなんばん往来とすくのかめ【福岡】

本店に行ってきた。 おすすめ土産菓子、なんばん往来。 ふっくらバターたっぷりアーモンド生地の焼き菓子。 底には薄いパイ生地、中にはジャム。 定番人気はラズベリー&ブルーベリー。 美味しいし、パッケージも可愛いし、南蛮菓子をモチーフにしているところがシュガーロード沿いのお菓子らしい。 本店は福岡県飯塚市。 生まれて約13年らしいけど、福岡を代表するお菓子になりつつあるのでは。 こちらは60年以上人気の銘菓、すくのかめ。 中にちっこい求肥餅の入った手焼きの最中。 さかえ屋

096_太宰府の梅ヶ枝餅【福岡】

菅原道真が太宰府に左遷された時好物だったお餅に、道真死後、梅を添えてお墓に供えたのが始まりだといわれている「梅ヶ枝餅」。 太宰府天満宮参道には「梅ヶ枝餅」屋さんがいっぱい。 薄い餅生地の中身は餡子。 梅の刻印入りの鉄板で焼く焼き餅。 松屋 もっちり。 かさの家 団子気味の生地、お米の香りがふわぁ。 笠の家 甘めのあんこ。 どのお店も全然違う。 自分好みの梅が枝餅探しが楽しい。 お土産でもらったことはあるけど、焼きたてを食べるのは初めて。 やっぱ美味しいね。 (20

097_梅園のうその餅【福岡】

太宰府は「梅ヶ枝餅」だけじゃない。 もうひとつのお目当て、参道にある菓子処 梅園へ。 昭和23年創業、菅原道真公の詠んだ歌や太宰府天満宮の神事にちなんだ名前のお菓子お菓子を作る。 代表銘菓のうその餅。 青じそ風味の求肥に若草色のそぼろをまとったお菓子。 太宰府天満宮の神事「鷽(うそ)替え」にちなんだ縁起物のお菓子で、一箱に一つ、「土うそ」がはいっている。 かわいい♡ このチビうそが欲しくってこのお菓子かった。 1月は木彫りの「木うそ」が入るらしい。 これも欲しい。 毎月