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自灯明・法灯明

お釈迦様の最後の旅を記したお経に『涅槃経』があります。
そのお経には、お釈迦様の遺言を初め、多くの大切な言葉が残されています。
今回、ご紹介させて頂く言葉は「自灯明・法灯明(じとうみょう・ほうとうみょう)」という教えです。
「自らを灯明とし、法を灯明としなさい」と教えられています。
お釈迦様の残した教え「法」を拠り所とし、その教えによって自分を磨き、自分自身を頼れる拠り所としなさい、という言葉です。
その裏には、他者を拠り所にしてはいけない、周りに依存してはダメだよ、という戒めでもあります。

ところで、この言葉の原語は「atta dīpa dhamma dīpa(アッタディーパ ダンマディーパ)」と書きます。このdīpa(ディーパ)という言葉には2つの意味があります。
1つ目は、灯明や明かり。
2つ目は、島、洲という意味です。
漢訳された時には、灯明を選択されたようですが、本来は島、洲の意味が近いようです。
ですから「自分という島を拠り所とし、法という島を拠り所としなさい」
と訳す事が、本来の意図に近いように思います。

インドには雨季があります。
日本にも梅雨が存在しますが、インドのそれは期間の長さ、雨量ともに比べ物にならないくらい驚異的な時期です。
この時期がくると、周りは水浸しになり、まるで海のようになると言います。
出歩く事はとても危険ですよね。
その中で、安全な場所は少し高台になっている場所、小高い丘などです。
あたかも大海原に浮かぶ孤島のように見えるでしょう。
雨季の時に、その島や洲を拠り所とするように、人生という大海原への大航海では、自分という島、法という島を拠り所にしなさい、と教えられています。

瞑想を行なった際、最後に「この心地よい感覚、心は安らかで身体はリラックスしている状態を馴染ませて下さい」とお伝えしています。
この状態が自分が戻ってくる場所〈島〉です。
日常の中で、不安やイライラ、嫌な事があって心が乱された時、戻る場所がなければ、心は漂流してしまいます。その不安、イライラがますます大きくなって自分を苦しめます。
そんな時こそ、自分の〈島〉に戻る、帰ってくる事を意識して下さい。
心の中が大雨の時こそ、「自分という島を拠り所とし、法という島を拠り所としなさい」という言葉を思い出して下さい。
そして、いつでも帰れる場所として、自分という〈島〉を大切に磨いていきましょう。

続きは随時更新していきます。
ご興味のある方は、ぜひ「マインドフルネス瞑想@オンライン」にもご参加下さい。
https://note.com/eikan/n/nce50c4dc8079

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