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夢に近い場所。

ありきたりな道を歩いていても
誰かが何気ない微笑を浮かべていても
小さな子供が楽しそうに
駆けっこしているのを見ていても

どうしてだろう?哀しいなぁ。
なんて心に思っていた。

信号待ちの交差点で、ぼんやり空を見上げていたら
不思議なことに、ほんの少し楽しくなった。

飛行機雲も虹もないのに
なぜだか心がうれしくなった。

この目に映る現実が、唯一、夢に近い場所。
私にとって、それはこの青く染まった広い空。

空をぼんやり見上げていたら
ずっとずっと、見上げていたら
散歩している子犬のように
とても幸せな気持になった。

なんだ、幸せって、こんな場所にあったんだ。
たとえ手には届かなくても
ちゃんと目に届く場所にあったんだ。

この目に映る現実が、唯一、夢に近い場所。

それは私の空。
私だけの青空なんだ。

最後まで読んで下さってありがとうございます。大切なあなたの時間を使って共有できたこのひとときを、心から感謝いたします。 青木詠一