「フォニックスが気になっているけど、どうやって教えればよいのだろう」
「英語の音声指導ってどうやっていけばよいのだろう」
「英語の正しい発音を学びたい」
このような人に向けて、「フォニックスの教え方・学び方」を徹底解説。
これは特別な道具もいらない、黒板とチョークさえあればOKなフォニックス指導法です。
また必要に応じて、わかりやすく解説されているYouTube動画も厳選して載せているので、英語学習者にも役立てていただけます。
フォニックスの教え方3ステップ
フォニックスとは、英語の文字と音とをつなげるルールのこと。
英語は表音文字(音と文字がつながっている)なので、フォニックスを覚えれば、英語が読める、英語が聞き取れる、英単語を楽に覚えることができる、などメリットがいっぱいです。
フォニックスの教え方には次の3ステップで進めます。
ステップ1 カタカナ発音記号で基本の発音を覚える
まずは、カタカナ発音記号で基本の発音を覚えます。
カタカナ発音記号とは、通常の発音記号よりもとっつきやすい、フォニックス指導でよく用いられる口腔図も必要がない、先生が黒板とかにチョークでパッと書きやすい発音記号のことです。
田尻悟郎先生の“田尻式カナ発音記号”から影響を受けつつも、それをさらに簡略化しています。
①母音
(左が短母音、右が長母音)
②子音
(カタカナで表現できない音は絵で表現。水色で書いているのは無声音)
③アルファベットのなまえ読み
(いわゆるアルファベットの読み方。子音・母音と区別して、なまえ読みと呼ぶ)
④th / てきとう読み
フォニックスのルールは他にもたくさんありますが、特に重要なものとして、”th”と”てきとう読み”の2つがあります。
カタカナ発音記号で母音・子音が読めるようになったら、次の2つのステップで、応用練習します。
ステップ2 フォニックスがなぜ大事かを伝える
フォニックスがなぜ大事か、子どもにきちんと伝えることで、子どもは納得感をもって学習に取り組むことができます。
私の場合は、
と説明します。
英語は以下のように、一つ一つの文字がそれに対応する音とつながっています。なので、文字がわかれば音がわかる、音が分かれば文字がわかる、という仕組みになっています。
「英語は表音文字」に対比させて伝えるのが、「漢字は表意文字」という説明です。
もし漢字が表音文字なら、木→“き” 林→“きき” 森→“ききき”となりますが、そうはなりません。
漢字は文字と音は対応しませんが、文字から意味が推測できる、表意文字なのです。
よく正しく発音もできないのに、単語を何度も書いて覚えさせようとする先生がいますが、あれは最悪です。そういう指導が英語嫌いを作ります。
赤ちゃんもそうですが、言葉は音声から始まります。
なので、音声指導が十分にできていないのに、書きの指導をするなんて、言葉が満足にしゃべれない赤ちゃんにいきなり文字の書き方を教えるようなもんです。
その音声指導の効率よく進める手段となるのがフォニックスなのです。
ステップ3 発音記号を頼りに読めるようにする
カタカナ発音記号はあくまでもとっかかりなので、最後には発音記号を頼りに、英語を読めるようにします。
理由は、辞書などを使って、最終的に自学自習できるようにするためです。
ただし「発音記号の授業」みたいなのはやりません。
長い単語や、読みの難しい単語が出てきた時に、発音記号から発音を予想する、という流れで少しずつ指導します。
【注意】フォニックス指導は完璧を目指さない
フォニックス指導は完璧を目指す必要はまったくないと私は考えます。
ルールをすべて網羅しようと思うと数は膨大ですし、そもそもルールに乗らない単語もあります。
あくまでも最初のとっかかりとして、重要な部分だけ理解すればOK。
手段と目的を混同してはいけません!フォニックスはあくまでも手段にすぎないのです。
また、アメリカ英語・イギリス英語の発音至上主義になることとも違います。
英語は今や世界言語。その発音も、国によって、人によって多種多様です。
大事なのは発音の壁を超えてコミュニケーションをしていく姿勢なのです。
しかしながら現実問題では英語学習者(特に初学者)は、圧倒的にアメリカ英語に触れることが多いです。(教科書の発音、試験のリスニングなど)
なので、フォニックスを活用してアメリカ英語的な発音に対応させていくのが結果的に有利にはなるでしょう。
少しずつつ、コツコツと、くり返し指導していくのがポイントです。
母音の発音
母音は、短い母音(短母音)と、長い母音(長母音)の2つを覚えます。
特にミスしやすい“a” “o” “u” のちがいは、以下の動画がわかりやすかったので参考にされてください。
【母音】aの発音
【母音】eの発音
【母音】iの発音
【母音】yの発音
【母音】oの発音
【母音】uの発音
子音の発音
続いて子音の発音です。有声音(黒字)と無声音(水色字)があります。「なまえ読み」というのは、いわゆるアルファベットの読み方です。
【子音】bの発音
【子音】cの発音
【子音】dの発音
【子音】fの発音
【子音】gの発音
【子音】hの発音
【子音】jの発音
【子音】kの発音
【子音】lの発音
【子音】mの発音
【子音】nの発音
↓ややこしい“m”と“n”の違い
【子音】pの発音
【子音】qの発音
【子音】rの発音
【子音】sの発音
【子音】tの発音
【子音】vの発音
【子音】wの発音
【子音】xの発音
【子音】yの発音
【子音】zの発音
th / てきとう読み
thの発音
舌を上の歯と舌の歯の間から少し出して、上の歯と舌の間から息を抜いて発音します。
think, three, deathなどの無声音と、this, that, theなどの有声音があり、どちらも子どもが苦手とする発音で、重要度は高いです。
てきとう読み
英単語の中のアクセントが来ない母音は、いいかげんに「ア」と発音する“てきとう読み”になることが多いです。
例)“banana”の1,3個目の“a”、“Japan”の1個目の“a”
他にもフォニックスのルールはありますが、経験上、この記事の内容があれば、発音指導で困ることはありません。
ゆっくりでよいので、何度も何度も指導をしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!