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目標と目的の違いを理解し、子どもに響く目的を語れ!【教育】

「先生、何のために英語を勉強しなければいけないんですか?私は日本を出るつもりもないし、大学いくつもりもないです」

あなたはこの質問にどう答えるでしょうか?

そもそも英語の先生は「何のために」英語を教えているのでしょうか?

理科の先生なら「何のために」理科を教えますか?

数学の先生なら「何のために」数学を教えますか?

この「何のために」を深く深く追究することが、実は私たちの授業を深いものにしてくれます。

そして「何のために」をしっかり語れることが、子どもたちのやる気にも驚くほどつながるのです。

この記事では「何のために」授業をやるのか、つまり授業の「目的」について考えていきます。


「目標」も「目的」も目指すべき理想の姿

さて、この記事は「授業の目的」がテーマです。

と、その前にみなさんは「目標」や「目的」という言葉にどれくらいなじみがありますか?

「目標」や「目的」というのは、一言でいうと「理想の姿」のこと

とくに学校教育における「目標」や「目的」は、「教育の結果として子どもになってほしい理想の姿」をいいます。

つまり私たちの教育活動には目指すべき理想の姿があり、それを「目標」や「目的」という言葉で表現するのです。

たとえば、英語の授業で以下のような「目標」を設定したとします。

【本時の指導目標】be動詞の現在形am, are, isを使い分けることができる。

この目標が授業が終わった後の子どもたちの理想の姿だということです。

つまり1時間の授業でいろんな活動をします。

そして授業終了時に「クラスみんなが、be動詞の現在形am, are, isを使い分けることができる理想の状態になっていれば授業大成功!」というわけです。

「目標」も「目的」も目指すべき理想の姿である。

とくに教育では「教育の結果として子どもになってほしい理想の姿」のことをいいます。

教育活動で、子どもが目指す理想の姿を「目標」や「目的」で表現する

ところで今の具体例では「目標」について考えましたが…「目的」はどうでしょうか?

「目標」と「目的」ってなんとなく似た意味で使われている気がしますよね。

「目標」と「目的」の違いとはいったい何なのでしょうか?

目標と目的の違い

「目標」と「目的」の違いはまったく難しくありません!

以下の図を見ていただけたら一瞬で伝わるかと思います。

スクリーンショット 2021-08-27 13.20.55

つまり、

目的は最終地点、目標は中間地点


ということを、まずは押さえておいてもらえたら良いです。

つまり、先ほど「be動詞の現在形am, are, isを使い分けることができる」という「目標」を示しました。

これは「目標」なので、ここが最終地点ではなく、あくまでも中間地点だということ。

そして「目的」はもっと先にあるということです。


私たちが例えば1コマの授業をつくる上では、中間地点である「目標」はもちろん大事です。

けれども、私たちの授業、そしてすべての教育活動で、最終地点である「目的」を意識することもとっても大切です。

なぜって中間地点がたとえわかっていたとしても、結局私たちはどこに向かって進んでいるのか?

それがわからないと、不安になりませんか?

その不安な気持ちを象徴しているのが「何のために勉強しなきゃいけないの?」という問いです。


私たちを悩ませる「何のために勉強してるの?」という問い

ねぇ先生、私たちは何のために英語を勉強しなきゃいけないの?

これに似た問い、学校の先生なら1度や2度は経験ありませんか?

そして結構答えに困ることって多いですよね。

この「何のために?」という問いをいい換えると、

「私たちが勉強する目的は何?」
「私たちはいったい最終的にどこに向かって進んでいるの?」

というように、「最終地点=目的」について問われていることがわかります。

スクリーンショット 2021-08-27 13.30.32

そして、こうした問いにきちんとした自分の考えをもち、自分の本気の言葉で語れるか?

これが、実は教えつたえる者としての勝負所だったりする。

なぜって、目的の設定ひとつで、授業の深さや広がりがまず変わるから。

そして、目的をいかに語るかで、子どものやる気は大きく変わるから。

「何のために勉強するのですか?」という問いに対する先生の答えを聞いて…

なるほど!そのために勉強してるのね。
そのためなら、がんばれそう!

そのように子どもに響き、子どもが納得してワクワクし、やる気になれるような「最終地点=目的」を語れること。

これが、先生としての勝負所だと、私は考えます。


目的の語り方はあなた次第だ!

では最後に、「目的はいろんな語り方ができる」ということを感じていただけたらと思います。

先ほどの「何のために英語を勉強しなきゃいけないの?」という問いに、いくつかの答えを考えてみました。

「何のために英語を勉強しなきゃいけないの?」という問いにどう答える?
・受験で絶対に必要になるから、そのときに困らないようにするためだよ
・世界で通用するグローバル人材になるためだよ
・やっていたら将来必ず役に立つから、そのためにがんばるんだよ
・英語を使って海外の人と交流できるようになるためだよ
・「人と仲良くなる」「他者と協働的に仕事をする」ときに必要なコミュニケーション能力を身に付けるためだよ
・人が生きていく上で絶対必要な「言語・言葉」の構造や働きについて理解するためだよ

同じ「英語を勉強する目的」でも、いろんな語り方ができるのがおわかりいただけるでしょうか?

目的をどう語るかはあなた次第。

そして、あなたの目的の語り方が、あなたの生徒の考え方や取り組み方に影響を与えます。

もちろん、あなたがどこに目的を設定するかは、あなたの授業づくりにも影響を与える。

さて、あなたならどんな語り方をするでしょうか?

そして、語った目的をどう授業づくりにつなげますか?


まとめ ー 目的を意識しよう、どうせなら魅力的な目的を

目標と目的の違いを理解し、授業の目的を意識できるようになるというテーマで書いてきました。

「目標」と「目的」の話からまずお伝えしたいことは、

道はどこまでもつながっているぞー!

シンプルにいうとそういうことです。

1回の授業だけではありません。

1回のホームルーム、1回の部活の練習…

これらはきっとどこかにつながっている。

つまり最終地点はもっともっと先にある。

それがどこなんだろう?

そして、その時に、最終地点は魅力的であれば魅力的であるほどきっといいじゃないですか!

どんな目的だったら子どもたちに響くだろうか?
どんな最終地点を見せてあげたら、子どもはたちはワクワクして、やる気になれるだろうか?

そう自分自身に問い、出てきた答えをぜひ子どもに語ってみてください。

きっと何かが変わるはずです。

それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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