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胃カメラとお母さん

最近、胃の調子が悪い母。

仕事の休みを合わせて病院へ付き添った。

初めての胃カメラにドキドキするわぁっと63歳の小さな叫び。

胃カメラは、あっ!という間に終わり、看護師さんに呼ばれたので、麻酔で眠るお母さんの横にちょこんと座った。

眠るお母さん。
いびきもかいている。
マスクしんどそうやな。
外しちゃえ。

ぼーっと、眠るお母さんを見ながら、久しぶりに寝ている顔を見たと思った。

実家に遊びに行っても、昼寝するのは私で。

昔から、誰よりも早くお母さんは起きて、誰よりもお母さんは寝る時間がおそい。

自分が母になって、どうしてお母さんが誰よりも早く起きて、誰よりも寝るのが遅くなるのかが、よーくわかった。

高校時代は、運動部に所属する私のために朝練に合わせてお弁当と、2時間目にたべる爆弾おにぎりを作り続けてくれた。

寝てる顔を見ながら、歳いったなぁ。

もうおばあちゃんなんやもんなぁ。

時間は過ぎてるなぁ。

シミ多くなったなぁ。

白髪増えたなぁ。

手の甲もカサカサしたなぁ。

じんわりとなんだか悲しい気持ちが込み上げてくる。

感謝とか、残りの一緒におれる時間とか、思い出とか、諸々がじわじわ、じんわりとこみ上げてくる。

ちょっぴりセンチメンタルになっていた私の横で、フンガッ!と鼻をならすお母さん。

一瞬でセンチメンタルなわたしの♡はどこかへと、とんでいった。

母を家に送り届けた後、もう一回センチメンタルな気分を味わいたくて、ゆずのセンチメンタルを聞いた。

全然、センチメンタルにはなれなくて、
結局大好きなラジオに切り替えて家まで車をはしらせた。




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