部活指導における「ティーチング」と「コーチング」の違い



中学校や高校の部活動において、指導をしている上で、一生懸命練習をしているのになかなかチームの実力が上がらない、どうしたものか?と悩んでいる指導者の方が少なくないのでは?と思います。



そんな悩む指導者の方々に向けて、今日は「ティーチング」と「コーチング」の違いを理解して、部員と関わるといいかもしれませんよ。という話を書きたいと思います。


指導者の方々に少しでも参考になってもらえれば、幸いです。

部員に教えすぎていませんか?



まず、自分の指導を振り返っていただきたいのですが、部員に教えすぎていませんか?


部員に教えすぎるのは、時には部員の成長にマイナスになることがあります。なぜなら、教えすぎは、部員の主体性や考える力を奪ってしまう可能性があるからです。


また、部員たちと指導者の体は違います。身長や体重も違うし、手足の長さも違います。当然、体を動かすときに感じる感覚も違います。指導者が教えている内容は、自分に合っているかもしれませんが、その部員には合っていないかもしれません。


そういった前提のもとに、「ティーチング」と「コーチング」の違いを理解していくと、指導の幅が広がるかもしれません。

「ティーチング」とは…



「ティーチング」とは、答えを相手に教えることです。身振り手振りを使ったり、言語を用いて、アドバイスをします。

メリットとしては、基礎の知識や技術を学ぶのに、効果的であり、即効性があります。また、初心者の部員のように知識が少なすぎる場合に、実力を手っ取り早くあげるのにとても効果的です。


デメリットとしては、「ティーチング」で答えを与えすぎると、部員が受け身になり、指示待ち人間になりがちです。自分で考えて、技術を向上させることが難しくなります。そうなると、指導者が発する答えを待つようになってしまいます。その姿勢が加速していくと、指導者の指示がないと動けなくなります。指導者がいる時間帯でしか、スキルをアップさせづらくなります。いわゆる教えすぎがこの状態を作ります。


たくさん教えているのに伸び悩んでいる部員がいるとしたら、指導方法が「ティーチング」に頼りすぎてしまい、自分で考える力を失ってしまった受け身な部員を作り出してしまっているかもしれません。

「コーチング」とは…



「コーチング」とは、相手の中にある答えを引き出すことです。主に「観察」を大切にし、余計なアドバイスはしません。こちらから答えは言わず、話しかけるときは質問に従事し、部員が自分で答えを導き出せるように、サポートします。


メリットとしては、指導者からの質問により、部員が自分の意識を言葉にすることで目的意識が明確になり、モチベーションが上がります。また、自分で考え動く力が身につきます。指導者がその場にいるいないに関わらず、技術を自分で向上させることができます。


自分で考えて動く力がつくと、「ティーチング」をした場合、さらに効果があがります。指導者が教えたことを深い意味で理解することができるからです。


デメリットとしては、知識に乏しい初心者にはなかなか効果が現れにくいことです。自分で考え、アウトプットするには、知識が少なすぎるからです。また、結果が出るまで時間がかかることです。指導者の我慢強さと、より一層の指導のスキルが求められます。


しかし、そこをクリアしたのちに、部員が自分で考える力を身につければ、そこから成長するスピードは加速していきます。部員が自分自身で自分を成長させることができるし、指導者が「ティーチング」した場合も大きく効果が出ます。「コーチング」の方を大切にしながら、指導を進めた方がトータルでみて、部員を成長させることができます。

まとめると…



「ティーチング」と「コーチング」の違いを理解し、使い分け方がいいよね。特に「コーチング」を大切にすると、トータルで部員を成長させられるよね。というお話でした。


読んでいただきありがとうございました。


明日は、「部活指導におけるコーチングの方法」について書きます。吉井理人さんの本に触れながら、「コーチング」についてを掘り下げて書きたいと思います。


読んでいただきありがとうございました。

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