2021年11月の記事一覧
オオカミ神話を覆す物語
那須田淳 『ペーターという名のオオカミ』(小峰書店、2003年)
すごい本に出会ってしまった。随分前に出版されていたのに、今まで読まなかったのが悔やまれる。もう社会人になってしまった息子たちの若き日に、ぜひとも読んでもらいたかった。
『赤ずきんちゃん』はじめ「ピーターと狼」でも悪者のイメージが強い狼だが、これはペーター(ピーター=人間)とオオカミ(動物、自然)を本来あるべき位置に取り戻す物語だ
読後にカレーが食べたくなる謎のミステリー
越尾圭 著 『AIアテナの犯罪捜査』(宝島社、2021年)
冒頭から衝撃的。息つく暇もない展開に、うわぁとなって一気読みした。
人間がAIを道具として使いこなすか、それともAIに使われるかが本筋だけど、育った環境や言葉がけの大切さとか、ちょっと位いいだろうの危うさとか…いろいろと考えさせられた。
思えばミステリーは悲劇。カタルシスがなんとも心地よく、読後は不思議とカレーが食べたくなった。🍛