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【読書感想文】荒木俊馬『復刻版 大宇宙の旅』

かの松本零士が幼いころに大感激したという彼のバイブル的書物。松本零士に私淑する理系研究者の夫が、9歳になる娘のために買ってきたのが我が家の本棚への登場の由来。もっぱら絵ばかり描いて、本もあまり読まない娘は全然読まないので、もったいないと、代わりに母親が手に取った。はっきり言って、難しかった。平易な言葉で描かれているが、当時の最先端の天文学の内容が網羅されている。文系である私にはかなりきつい。ただ、主人公である星野宙一少年と共に、スキエンシヤとファンタジヤの力でメルヘンランドから出発して、フォトンなどの力を借りて、宇宙旅行するという壮大で、想像力豊かな物語の設定には、ロマンを感じさせられた。どんな高度な知識を操る天文学者も、もとはと言えば、星野少年のような夢中になって星を眺める旺盛な宇宙愛ともいえるべき精神を持ち合わせているに違いないと知って、心温まる思いがした。銀河鉄道999の松本零士が夢中になったのもうなずける話だ。ただ、星にはあまり興味がない我が娘には難しいかもしれない。夫も、松本零士が好きなだけで、本人はこの著作を読んだことがないらしい。もったいない話だが、人は好き好きだ。しかし、復刻までされたのだから、名著であることは間違いない。ここに書くことで、少しでも読者層の広まるお役に立てることを願ってやまない。

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