【トムテ】しずかに巡るいのちの絵本
小さい頃の読み聞かせの時間。
大人の声になかに生きてきて見たことの色や形が入っていて文字だけでは広がらないイメージを立体的に浮かび上がらせることができました。
『トムテ』
小人のトムテは夜番をしています。
食糧小屋や馬や羊を見廻るのが仕事です。
動物たちは穏やかな表情で眠りにつき、
春や、春の新しい草を食べるゆめを見ています。
むずかしすぎる。わしには、やっぱりよくわからん。
トムテは見回りの中でもそして可愛い子供たちを見にいくのが一番のたのしみです。
トムテを大切にしてくれる夫婦と同様に、トムテも子供たちを可愛がっているのです。
何百年も生きるトムテは、子供たちや世話をする動物たちを見ながら考え事をしています。
生まれ、たのしく暮らし年老いてはやがて、いってしまう
だが、どこへいくのだろう。
静かに、しっとりと夜がうごきます。
凍りついたそとから、遠くの滝の音がきこえてきました。
どこへ流れていくのだろう。 みなもとはどこだろう。
トムテの夜番は続きます。
命の巡る音が聞こえる絵本です。
トムテはスウェーデンに伝わる妖精(小人)なんだそう。
トムテや家畜を大切にしていると、夜中の番を手伝ってくれるそうです。
月明かりのそそぐ、深い雪世界を味わってみてください。