お話と音楽と砂絵『ふたごの星』を鑑賞
10月26日に愛媛県新居浜市にある
あかがねミュージアムで行われた
お話と音楽と砂絵『ふたごの星』を
観ました。
1.宮沢賢治作品は難しめ…
宮沢賢治の『ふたごの星』を、
舞台上で俳優の方がお話をされ、
ピアノとフルートの演奏を聞きつつ、
サンドパフォーマーの方による砂絵を
楽しむという作品です。
お話 :山本称子
ピアノ :藤田恵
フルート:牧野詩織
サンドパフォーマンス:田村祐子
ユニバーサルデザインを目指しているため、
アドバイザーとして自立生活センターの
代表の方も準備に加わっている作品でも
ありました。
2.砂絵の魅力…
俳優さんによる朗読を中心に音楽と砂絵が
ある、といった感じで進んでいきます。
物語の始まりは、少し難しいイメージでした。
アンパンマンのように正義が悪をやっつける、
という分かりやすいものとは違い、理解
しようと聞き入らないと、ちょっと難しいな
という感じでした。
それでも
「フルートの音色、キレイだな」
「ピアノはやっぱり聴いていて心地が良い」
という気持ちの方が強く、楽しい、という
ことをずっと感じることができていました。
そして、なによりも、
「砂絵ってどんなものだろう!?」
という、来館前からの疑問を解消したい
気持ちがあったので、目はスクリーンに
釘付けになっていました。
人物やヒトデ、ウミヘビを表現していた
のですが、喜怒哀楽も目や口元の微妙な
変化によって観客に伝える細かい技術も
披露され、「凄い」としか言い表せない
ものでした。
上演がスタートし、砂絵に対して最初に
思ったのは、カフェでお馴染みの
「ラテアート」でした。
ラテアートの場合、良い作品を観て、
SNS用等に写真を撮って、
「残しておきたい」
という気持ちがあると思うのですが、
今回のサンドパフォーマンスをしていた
田村さんは、そんな思いがあるのかないのか、
出来上がった砂絵を惜しむこともなく、
手でサッと消し、すぐに次の砂絵を描く、
ということを繰り返していました。
サンドパフォーマンス自体がそういうもの
なのかな、勿体ないな、と思いながらの
約1時間は、あっという間に過ぎてしまいました。
3.ユニバーサルデザインをもっと…
今回の「お話と音楽と砂絵『ふたごの星』」
では、JICAのプログラムとして、海外からの
参加者の方がいたり、盲導犬を連れている
目の不自由な方も観覧されていました。
見た目では分かりにくい、耳の不自由な方も
参加されていたのかもしれません。
海外の方は、翻訳機を使って聞くことが
できたようですが、
「日本語のニュアンスを楽しみたい」
という思いの方が強く、途中からは、
日本語の意味は分からなくとも、翻訳機を
外し、目の前の俳優さんの生の声を聴く
ことを優先し、とても楽しむことが
できたと、後からアドバイザーの方に
お聞きしました。
目の不自由な方にもフルートやピアノ、
俳優さんのお話によって楽しむことが
できたのではないかと思います。
耳の不自由な方には、字幕で読んでいる所が
分かるようになっていたり、砂絵を間近で
観ることで楽しむことができたのでは
ないかと思います。
1つの作品を、同じ場所で、より多くの方に
楽しむことができる空間づくりをしている
人がいる、協力する人がいる、参加して
みたいという人がいる、その結果、より
社会が良くなる、という循環がとても
良いなと感じました。
*主催側が収益を上げられることも
大切な要素です。
自分自身は今回の作品を楽しむためだけに
参加した形ですが、ユニバーサルデザインの
考え方を持っている人・モノに関心を持ち
続けようと思います。