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vol.16 【成瀬は天下を取りにいく】を読みました…

今回は、【成瀬は天下を取りにいく】
宮島未奈 (新潮社)を読んだ感想を
書いてみたいと思います。


購入した経緯ですが、

・2024年の本屋大賞受賞作

・どの本屋さんに行っても本屋大賞
 コーナーで目立っていた

・2023年の本屋大賞
 「汝、星のごとく」凪良ゆう 
 この作品が素晴らしすぎた

・2021年の本屋大賞
 「52ヘルツのクジラたち」
 町田そのこ
 この作品も刺さるところが多かった

*2022年の
「同志少女よ、敵を撃て」逢坂冬馬
 積読中…

・中京テレビ「太田上田」という
 番組で宮島先生が出演し、面白い方
 だったので興味をひかれた

これらの要因で積読中でしたが、
読んでみることにしました。


主人公は中学2年生の成瀬あかり。

物語は6つのパートに分かれていて、
初めは同級生の島崎みゆき視点で
描かれています。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」

この1行から物語は始まっていくのですが、
主人公はいわゆる変わり者だということが
うかがえます。

「西武」というのは、実際に存在していた
百貨店「西武大津店」のことなのですが、
既に2020年8月末に閉店しています。

西武大津店の閉店までの様子を地元の
テレビ局が毎日生中継をするのに合わせて、
主人公の成瀬が毎日映り込みに行く、
という内容です。


まとめ

出だしの数ページを読んだだけでワクワク
する気持ちにさせてくれる作品は、とても
新鮮に感じます。

ミステリーが好きな私にとっては、読むごとに
ワクワク度が上がってくる作品に慣れている
のですが、この作品は最初のインパクトが強い
ので、しりすぼみになるのが怖いなと心の
どこかで思いながら読み進めていきました。

結果として、6つのパートそれぞれに盛り
上がるポイントがあり、最後は泣ける作品に
なっていました。

途中で主人公がM-1に参加していたり、
お笑い芸人のアンタッチャブルが登場したり
するなど随所に親近感が持てる内容でした。

この作品はコロナ化での様子が描かれて
いるので、町から人が消えていた時に
読むと、なおさら親近感が増していたと
思います。

本屋大賞受賞作にハズレはないなと…

既に続編も発売されている様子…


『膳所から世界へ』

この気持ちを自分の中にも持ちながら
これからの毎日を過ごしていきたいと
思える作品でした。

*膳所(ぜぜ)=滋賀県大津市の地名


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