お客さんに伝わることを最優先に 漫才師 茜250cc
こんにちは!note更新担当のたぬ子です。
今回は、愛媛県松山市出身の善家カズマサさん(写真右)と、大阪府大阪市出身の小泉さん(写真左)によるお笑いコンビ「茜250cc」に、お笑いを目指されたきっかけや、ネタづくりで大切にしていることなどお伺いしました。
同級生に誘われたお笑いの世界
― お笑いを目指されたきっかけを教えてください。
(小泉)元々、楽しい人と喋るのが好きで、大学の同級生だった前の相方に誘われて、2年生の時に学校辞めてNSC(NSC吉本総合芸能学院 以下、NSC)入りました。
(善家)僕は、高校生の時に同級生から「一緒に漫才してNSC行こう」と誘われて、そいつと漫才してたんですけど、高3の進路決める時に「ごめん。オレ大学に行く」って言われて。
でも僕は、1つ上の仲良かった先輩がNSC行ってましたし、誘われた段階からお笑いやりたいモードになってたんで、1人で大阪出てきました。
― お二人とも誘われたことが芸人を目指す1つのきっかけになっていますが、誘われなくても芸人になっていたと思いますか。
(小泉)お笑いに進むとは考えてなかったと思いますね。
(善家)僕は誘われなくても、芸人になってたかなと思います。
今、思い出したんですけど、新居浜市で笑顔甲子園やっていたじゃないですか。僕、第1回(平成23年)にピンで本戦に出たんですよ。そこで、パーマ大佐や、たかまつななさんと一緒に戦って、その2人がピンですごく活躍してる姿を見て「俺も大阪行って1人でやろう」って決心がつきました。
― 小泉さんは芸人になっていなかったら、どんな職業に就いていると思いますか。
(小泉)同級生に誘われてお笑い始めるぐらいには、何も考えずに学生生活を送っていたので、特に志望の会社とかはなく流れでどこかの会社に入って、サラリーマンしてると思います。
― では、お笑いへのお誘いは結構大きなターニングポイントになっているのではないですか。
(小泉)僕、お笑いのことあまり知らなくて、ゴールデン番組のバラエティーが、お笑いの全てやと思ってたんです。深夜の番組もお笑いの劇場も全く知らなくて。
(善家)大阪府出身やのに?
(小泉)NSC入って卒業したら何をしたらいいかも知らなくて、実際にオーディションを受けるようになってから、段々分かってきました。無知の状態で入ったんで、流れるように生きてますね。
― 善家さんは、NSC入学前にどのようなお笑い番組を観られていましたか。
(善家)NHKの爆笑オンエアバトルは録画やDVDを借りて観てましたし、当時はピンだったので、ピン芸人のDVDやライブに行くようにしてました。あべこうじさんや、佐久間一行さん辺りは結構見漁ってましたね。
あと、東京03さんやバナナマンさんのコントのDVDは全部借りて、高3の時は、毎日皆さんのDVDを夜に観るみたいなことが習慣になってました。
―漫才を目指されていたり、ピンで笑顔甲子園に出場されますが、コントのDVDも観られていたのですね。
(善家)そうですね。なんなら「NSCに行ったらコントしたいな」と思ってたんですけど、ビックリするぐらいコントの才能がないということに、NSCで気づいて。そこからずっと漫才やってますね。
漫才を主軸にコントもやっていこうか
― キングオブコント2023では準々決勝、M-1グランプリは3回戦に進出されていますが、コントと漫才のどちらに主軸を置かれているのですか。
(善家)漫才ですね。今年、キングオブコント準々決勝行かせてもらいましたし、元々僕がコントのDVDを観ていた高校生だったので、準々決勝終わってからは「コントも作っていこう」という感じになって、コントもやるようになりました。
(小泉)僕は、M-1でお笑いに興味をもったので漫才が好きで、ずっとやってきたのも漫才やったんで、一緒ですね。キングオブコントで準々決勝行けたし「もうちょっとコントに力入れてもいいかもなあ。やっていこうか」ってなってますね。
― 主軸を置かれているのが漫才、今後力を入れていこうと考えられているのがコントなのですね。では、主軸を置かれている漫才の魅力について教えていただけますか。
(小泉)漫才の魅力は、マイク1本でできる手軽さ?ほんと、コントって凝れば凝るほど道具や準備がめっちゃ大変なんですよ。漫才は衣装1個持って行けば済むんで、手軽さはすごい(笑)
(善家)やっぱかっこいいですよね。センターマイク1本だけで、ドーンって笑いをとる姿。かっこいいよな?
(小泉)まあ、そうよな。話の掛け合いとか。
(善家)かつ、どのコンビもマイク1本での掛け合いなんですけど、コンビによって個性が全然変わってくる。コントだったら変な服着るとか、照明や音で違いが出せるんですけど、漫才はマイク1本で各々全然違う個性の出し合い合戦をしていて、やり幅がいっぱいあるんで楽しいですね。
2人で漫才やってみます?
― お二人がコンビを組まれたきっかけを教えてください。
(善家)僕が前のコンビを2020年の1月に解散してまして、小泉さんは2020年の3月に解散してはって。僕ら1期違いの先輩後輩(小泉が1年先輩)なんですけど、コンビ組む前からよく飲みに行ったりして仲良かったんで、お互いに解散した時に、「お試しで、一旦2人で漫才やってみます?」ってやり出したのがきっかけですね。
― 今年で結成3年ですが、お試しで組んでみて相性が良かったのでしょうか。
(小泉)元々仲が良かったのは大きいかなとは思います。あと、2人やってみようかという話になった時に、ちょうどコロナの第一波の時期で、出れる舞台もなく、ただただ2人でやろかという話だけできた状態で。選択肢もここしかなかったっていうのもありますね。
(善家)なんてこと言うねん、おい(笑)
(小泉)実際そうやもん(笑)
(善家)まあね。「2人でやってみよう」と言ったものの、緊急事態宣言が出て、会って話すこともできなくなって。コロナがこの先どうなるか分からない中で「お笑いもう辞めようかな」とも思ったんですよ。
でも、コロナが明けて話せるようになった時に、彼(小泉)の前のコンビは、毎日ネタ合わせして、台本もしっかり書いてたということを聞いて、それに比べたら「僕、全然頑張ってなかったんやな。せっかくなら、彼ぐらい毎日しっかりお笑いと向き合って、それでもダメやと思ったら辞めよう」と決心しました。
キーワードは「親切」
― ネタづくりで大切にされていることはありますか。
(善家)ネタはいつも一緒に考えるんですけど、なんかあります?
(小泉)「お客さんに伝えるもの」と意識してネタを作っているので、めっちゃコアなことをやりたくなっても「これ、お客さん分かるかな?」と、一度立ち止まって考えるようにしています。
(善家)確かに。ネタを作ってる時に「嚙み砕いて言った方が、親切じゃないですか?」って、よく言ってますね。
― 嚙み砕くと説明口調になってしまいませんか。
(善家)そこの葛藤はあります。一言でバシッと言った方がウケるかもしれないんですけど、それで伝わらなかったら、おもしろいこともおもしろいと思ってもらえないですし。伝わらなくてお客さんを何人か途中で置いていってしまったら、そのお客さんはたぶん僕らの漫才途中で聞くのを止めちゃうんで。おもしろよりも、お客さんに伝わることを重要視していますね。
― 様々な年代のお客さまがいらっしゃいますが、ターゲットの層などあるのでしょうか。
(小泉)できるだけ全ての層に伝わるようにしています。若い子の言葉ばかり使ったら上の年代の方には伝わらないですし、昔の話ばかりしてたら若い子は知らない話になっちゃうんで、気を付けていますね。
(善家)漫才劇場の土日の寄席は、10~60代まで年齢層が幅広いんですが、そこに来てくださってる方全員に伝わるように作ろうというのはありますね。
(小泉)僕らもアラサーなんで、僕らの当たり前の話をしたら「それ、もう昔過ぎて今の子知らんのちゃう?」みたいなんもあります。
― では、若い子の文化を勉強されることもあるのですか。
(善家)若い子たちには全然追いつかれへんよなあ(笑)
(小泉)そういうネタを作るのであれば勉強したりはしますけれど。
(善家)あえて踏み込んで勉強することは、あまりないですね。
愛媛のエンタメを盛り上げたい
― 今後、愛媛でやりたいことを教えてください。
(善家)バンバン営業行きたいですね。
(小泉)そうですね。その流れで観光もしたいですし。
(善家)確かに。来たことないもんね。
僕の母と父が音楽関係の仕事をしていて、3歳ごろから松山のライブハウスとかよく一緒に行ってたんで、愛媛の音楽シーンとお笑いを合わせて何かできたら嬉しいですね。小さなころから愛媛のエンタメを見て育ってきたので、僕たちができることはお笑いになりますけど、一緒に愛媛のエンタメを盛りあげていきたいです。
絵しりとり ムササビ ⇒ ビ○○○
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