猫好きの私が、“ねこ”と名乗るまで。仕事も育児も2倍楽しい「猫との暮らし」 #いい部屋ペット
フリーランスの編集者、笹川ねこです。猫のあくびを撮るのが好きです。
猫に満ちた私の30代の歩みをお届けします。
保護猫との出会い、引越しと猫。
ネットメディアと猫、赤ちゃんと猫。
猫と出会ったおかげで、暮らしや仕事、人生はどう変わったのでしょうか。
保護猫との出会い
2011年の9月、一匹の猫と出会いました。
出版社で猫の本を編集したり、看板猫のいるお店を巡ったりしながら、「いつか猫と暮らしたい」と願いつつ、ひとり暮らしで旅好きだったこともあり、実際に飼ってはいませんでした。
その年の夏、猫好きのパートナーと結婚し、晴れてペット可の物件に引越し。共働きで日中不在でもさみしくないように、2匹のきょうだい猫などを探し始めました。
里親募集のサイトを眺めていた頃、同僚から「夫が猫を2匹拾った」との一報。雨の日に、猫の鳴き声がすると向かいの空き地を探したところ、エアコンの室外機の下に隠れていたそう。目も開いていない生まれたばかりの猫を保護し、トラとシロと呼んで世話しているとのこと。
2匹の猫にご縁を感じて、週末に電車に乗って、千葉県にある同僚の夫・Tさんの実家にうかがいました。
ですが、なんとその日の朝、トラが亡くなってしまったのです。「元気だったのに……」。数日間、手探りで小さな猫を育ててくれたTさんは目を真っ赤にして教えてくれました。
目の前には、永遠の眠りについた小さな猫と、懸命に生きようとする小さな猫。
これもご縁。2匹の猫にこだわる意味はない。
私はシロを譲ってもらうことにしました。新婚旅行の前日のことでした。
猫との暮らし、ときどき旅
わが家にやってきたオスの子猫シロを、福ちゃんと名付けました。手乗り&肩乗りニャンコといった子猫ならでは時期を満喫しながら、3〜4カ月ほどでむくむくと成長。あっという間に体重は6キロになりました!
目がまんまるなのがたまりません。
ときには、マンションの廊下側の窓から住人のみなさんに「にゃ〜」と話しかけ、「お!」「またねー」「バイバイ」などとお返事をもらうことも。これは犬や猫などの動物と暮らす人が多い、ペット可物件のマンションだからこその温かい交流だったように思います。
ちなみに、たまに旅行に出かけるときは、地域のペットシッターさんに、餌やりやトイレ掃除や、おもちゃ遊びをお願いしています。
みなさん動物好きでケアや扱いにも慣れていて、安心して出かけられます。毎日、メールやLINEで写真付きでミニレポートを送ってくれて、旅先でも福ちゃんの様子がわかります。
旅先で猫めぐりすることも。こちらは猫島・真鍋島のにゃんこ。
イタリア、アマルフィの美しいにゃんこ。
猫記事を書いて、ねこさんと呼ばれる
その後、私はwebのニュースメディアに転職。国内外のニュースを追いかける日々が始まりました。めまぐるしい日々でしたが、私を救ったのは猫でした。
ネットでは猫は大人気。硬派なニュースを書いた後に、猫記事を書く。政治や経済の記事や痛ましいニュースの後に、猫やモフモフ動物の記事を書いて、心を整えたのです。
その頃には、オフィスでも「ねこちゃん、ねこさん」と呼ばれるように。
新聞社から“キャットエディター”として取材を受けたことも。ネットで猫が人気な理由について、「ソーシャルメディアは意見や本音をぶつけ合う場。その中で、予想できない勝手気ままに振るまう」猫に癒される…的なことをコメントしました
ああ、猫は尊い(笑)。
福ちゃんに訪れたふたつの試練
わが家のアイドル福ちゃんに、ふたつの試練が訪れました。
それは「引越し」と「赤ちゃん」。
福ちゃんは、私と夫と暮らし、たまに遊びに来る友人や親戚と会うくらいで、環境の変化には慣れていません。見慣れない人には「シャー!」ということもあります。
そんな福ちゃんが、住み慣れた部屋から、新居に引越しした日。
新しい環境にビビりまくり、あっという間に寝室のクローゼットに突っ込んで引きこもってしまいました。ごはんやトイレ以外の時間は出てこず、声をかけたりしつつ見守ることしかできませんでした。
次の日、クローゼットから一歩踏み出し、そろりそろーりと部屋をチェック。行動範囲を広げていきました。数日かけて、いつもの様子でくつろいでくれるようになりました。
次に「赤ちゃん」。
じつは、福ちゃんは毎日寝るときと朝起きる前に、ベッドにやってきて私のお腹や胸のあたりに座ります。仰向きの私に乗っかって肉球を私の頬に押し付けて、ゴロゴロ…しています。
この日課は、私が妊娠してからも続きました。
無事に出産し、退院して新生児を連れて家に帰ってきたその日。
案の定、福ちゃんは新生児にビビりまくり、今度はお風呂の浴槽の底に逃げ込みました。
自分より小さい生きものが家にやってきた!
この生きものはどうやらずっとこの家に暮らすようだ。
この生きものに「シャー!」したり噛んだりしてはいけないようだ。
数日間、浴槽に隠れながら、いろいろ考え、現実を受け入れてくれたようです。赤ちゃんに対しても、決して「シャー!」することもなく、おっかなびっくり慣れていってくれました。
筆者、フリーランスになり「ねこ」と名乗る
そんな私は、今年フリーランスの編集者になり、新しい名刺をつくることに。
遊び心から思いきって、ペンネーム的に笹川ねこと名乗ることを決意。A面B面仕様で、本名も入れてはいますが、ついに自分公式の「名前」にしてしまいました。いまのところ、ねこ名義の名刺は渡すたびに話が広がり、ご利益がありそうです。
在宅ワークの時間も増えましたが、福ちゃんは遠慮なく邪魔してくれます。
子どもはもうすぐ3歳。福ちゃんより大きくなりました。
最近、子どもに「じつは福ちゃんは8歳なんだよ。お兄ちゃんなんだよ」と伝えてみたところ、「ちがうよ! 福ちゃんはあかちゃん。〇〇くんがおにいちゃん!」と衝撃のひとこと。
福ちゃんは(小さいから)赤ちゃんで、自分がお兄ちゃんだと思っていました。「大好き」で、お水をあげたり、ヨシヨシしたり、鼻をツンツンしたりしています。
ふと気づけば、猫との暮らしのおかげで、仕事も育児も、2倍豊かになっていました。私の人生、猫のおかげで福来たるです。
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