esports×公認会計士/税理士の成澤さんにインタビュー(後半)
今回のe-話は、自ら会計事務所を立ち上げ、プロチーム運営やイベント運営など、esports関連の会計・税務のサポートしている、公認会計士/税理士の成澤さんへのインタビュー後編になります。
成澤 | eスポーツ会計士
Twitter : @e_spo_kaikei
HP : https://www.eskaikei.com/
将来esports業界にどのように育っていってほしいか。
僕がこうして独立して目指していた姿は、このesports分野が国民の娯楽として根付いていってほしいというのがありまして。
僕の中でのゴールはそこですね。
元々ゲームって普通に楽しむ分には、老若男女問わずできることが1番の魅力だなと。
だけど、現実問題ゲームを一生懸命やるのは悪いことというマイナスイメージが、どうしても根強くあるじゃないですか。
そのイメージ自体も、必ずしもゲームに対して悪い見方をしているかって言われるとそうじゃないとは思うんです。
実際長くやっていると視力が落ちたりなど健康面にリスクがあるのは事実なので、必ずしもゲームが悪いことっていうイメージが間違っているって言いたいわけじゃないんです。
上手い付き合い方を考えて、社会的、一般的な地位を高めるにはそういったデメリットとも向き合いつつ、発信していかないといけないなと思います。
国民の娯楽としてもっと根付いてほしいので、僕としてはプロゲーマーの人達に、野球やサッカー選手、他のリアルスポーツ選手の様に憧れられるような人になってもらえたらいいとずっと思っています。
どんな競技でもそうだと思うんですが、今どういう選手がいいプロがって考えたときに、まずぱっと思いつくのがその競技が強い、上手いということですよね。
なので強い=プロゲーマーの価値だって思われる方も多いと思うんですけど、実際は僕はそうじゃないと思っていて、強いとか上手いというのはどっちかというと”目的”じゃなく単なる”手段”。
だからただ強ければいいというのは僕に言わせれば間違いで、強さやキャラクター性などでファンを笑顔にする。そんなプレイヤーを応援したいと思っています。
子供に将来の夢を聞いたときに、医者や弁護士になりたい!って子がいると思いますが、その子たちになんでなりたいか聞くと、「辛い病気の人を治して笑顔にしたい。」「弁護士は弱いものを助けるイメージがあるから、助けたい」といった理由が聞かれますよね。
これらは先人の医師、弁護士の方々が高い志で築き上げていたカッコよさで子供にいいイメージを持たれているからだと思うんです。
なので、esports選手にも活躍を通じて子供たちに憧れられる存在になってほしいと思いますね。
プロの人たちがそういう風になってくれると、最初に言ったプロゲーマーという仕事が社会的に認められて、esports業界も国民の娯楽としてもっと根付いて欲しい、という僕の願いもずっと近づくんじゃないかと思っています。
現状、メインは若者。
esports業界全体で高齢者の方が増えてきていますが、これからも若者メインでやっていくべきなのか、高齢者の方に向けても何か手を打つべきか
僕は若者メインの方がいいと思います。
別に高齢者の方を切り捨てろとかではなくて(笑)
1番積極的に、プレイしたり見たりしているのはやっぱり若者の割合が高いです。
若い子って自分の好きなもののために頑張るときってものすごいパワーを発揮するじゃないですか。
それに対して、常識を知った大人たちはそんなんじゃ上手くいかないよ、といった変な口出しをしてブレーキをかけたくないなと思っていて。
我々大人の存在は、若者たちがやりたいことにブレーキをかけるんじゃなくて、自分達の経験を通じて活動をフォローしてあげることに価値があると思います。
メインは若者で我々はそのフォロー、守りをしっかりするというのが1番のパターンなんじゃないかと思います。
例えば20代、30代以上で若者と同じレベルで熱狂しているんだという方がいれば、それは当然中に入ってもらえばいいと思うんですけど。
基本は年齢関係なく、そこは埋めるようにしたいですよね。
業界の経営について
今ってよっぽど経営がうまくないと食べていけないじゃないですか。
それって、一経営者の努力だけではどうにもならなくて限界があるんですよね。
本当に優れた経営者しか食べていけない。
大多数の人が食べていけないけど、それは貴方の努力不足ですよ。
それはそうかって言われると、今、この業界に限ってはそうではなくて。黎明期だからこその苦しみというのが間違いなくある。
esportsの認知をあげて、「食べていける業界」を我々自信の手で作っていくのが理想ですね。
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お忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
成澤さんならではの経営のお話までしていただき、これから業界参入を考えている方にもご参考になれば幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
インタビュー:上月さくら、kugi.nails
文:上月さくら
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