歴史学の面白さについて(ダーントン『猫の大虐殺』を題材に)④:ザ・パスト・イズ・ア・フォーリン・カントリー
引用文は、本のタイトルにもなっている猫の大虐殺について記述している第2章「労働者の叛乱:サン・セヴラン街の猫の大虐殺」からの一節です。
猫を飼っている方には、だいぶショッキングなタイトルですが、これは、18世紀のパリで起こった事件で、二コラ・コンタという印刷工が徒弟時代を回顧した物語に記録されています。
物語をかいつまんで言うと、印刷工場で働いていた駆け出しの印刷工の2人が、劣悪な職場環境に腹を立てて、親方の奥さんが飼っていた猫を含めて多くの猫を捕まえて殺して、ショックを