見出し画像

#012 文章揃え(文字揃え)

⬅️ 前の記事  次の記事 ➡
 
📔 egword チップスマガジン

スクリーンショット 2020-01-24 14.31.02

ワープロの段落書式のひとつとして文章揃え(文字揃え)があります。egword には5種類の文章揃え(左揃え、中央揃え、右揃え、両端揃え、セル標準揃え、均等割り付け)があるので、それぞれの使いどころについてご案内します。

❶ 「左揃え」か「両端揃え」か

文章揃えの設定は、 egword の初期値では「左揃え」になっています。ほとんどの人は気にせず左揃えで文章を書いていることと思います。でも結構な割合で「両端揃え」のほうが見栄えがよくなります。左揃えと両端揃えの違いは、大ざっぱに言えば下図のようになります。

画像1

上図を見て「自分がどちらの書式で文章を作りたいか?」と言われたら、ほとんどの人は「両端揃え」と答えるのではないでしょうか。

左揃えとは行頭を揃えるが行末は成り行き次第という指定方法なのです。日本語のフォントはほとんどの文字が等幅にデザインされているので、実際には上図ほどはデコボコしません。欧文の場合は、文字ごとに幅が違っているし、行末に単語がかかったときは禁則処理(ワードラップ)で単語ごと次の行に押し出すので、左揃えを指定しておくとほぼすべての行がデコボコになり、上図のようになります。日本語でも禁則処理によって行末の1〜2文字が次の行に送られることがあるので行末がデコボコします。実際に日本語で見てみましょう。

画像2

矢印部分に注目してください。左揃えでは「くすっと」の部分の禁則処理によって行末がへこんでしまっています。一方の両端揃えでは、2行目の文字間を少しずつ広げることで行末を自動的に揃えています。文字間隔の調節は行全体に分散しているので見た目で間延びすることもありません。このことからも、日本語の文書ではほとんどの場合で両端揃えにしたほうが見栄えがいいことがわかります。

Microsoft Word では両端揃えが初期値になっています。そのためユーザーは意識せず両端揃えを使っています。egword では左揃えが初期値のため「egword を使うと行末が揃わない、なぜ?」という疑問につながっていると思います。egword も両端揃えを初期値にしたほうがいいのではと個人的には思います。

では、左揃えは何のためにあるのか。それは英文(もしくは英単語が大量に使われている日本語文)を書くときです。英文の禁則処理では文字間を調節せずに単語間の空きで調節します。両端揃えをすると間延びしてしまうので、左揃えにすることが多いです。

画像3

❷ 「中央揃え」と「右揃え」

中央揃えと右揃えは、さすがにこれはほとんどのユーザーが使っていると思います。中央揃えはビジネス書類のタイトルなどに使い、右揃えはビジネス書類の日付や執筆者名などの部分に使いますね。これは常識なのでいまさら説明するほどのことではないでしょう(下図)。

画像6

画像7

❸ 均等揃え

egword のオンラインヘルプを見ると、均等揃えについて次のように書かれています。

文字列を均等の間隔で揃えます。両端揃えとは異なり1行だけの場合や最後の行も行の幅で均等に文字を配置します。EGWORD 14 の均等揃えと同等の機能です。

最後の部分がどうにも歯切れの悪い書き方になっています。旧 EGWORD にユーザーの要望でそういう機能があったから、よくわからないけれど同じ機能を実装しました的な言い様にも読めます。実際に、旧 EGWORD にしろ現 egword にしろこの均等揃えという機能は、ほとんど使いどころがありません。

均等割り付けは官公庁や学校の書類に好んで使われる手法で、その起源はワープロ専用機の機能が元になっています。元々は「5文字分の幅に4文字を均等に配置する」というような目的の機能だったのです。egword の均等割り付けは、段落全体の書式として提供されているため、段落の一部分の特定の文字列だけを均等にするということができません。そのため、本来の(ワープロ専用機相当の)均等割り付け機能としては使えないのです。

Microsoft Word の文章揃えの UI にも均等揃えという機能がありますが、文字揃えの排他選択に見えるボタンのひとつが、特定の条件下で文字間変更機能に変化するという騙し討ちのような UI になっています。そのせいで「Wordで均等割り付けを解除する方法がわからない」という新たなトラブルの元にもなってることを考えると、Word の実装も適切ではないと思います。

では「egword でどうしても均等割り付けをしないと死んでしまう」という場合はどうしたらいいのでしょうか。方法は2つあります。

ひとつは、下図のように書体の文字間を調整して単語の幅を揃えることです。

スクリーンショット 2020-01-19 15.14.27

[インスペクタ]パネル→[T]→[文字]→[文字間]の数字を変更して文字の間隔を広げ、だいたい揃って見えるようにします。

もうひとつは、下図のように透明の表を作ってそのなかで均等割り付け書式を使うことです。

画像6

どちらかと言えば、前者のやり方のほうが簡単なのでオススメでしょうか。

❹ セル標準揃え

「セル標準揃え」は表の中でしか使えない書式です。表の中に入力された文字列が数字であれば右揃えになり、数字以外であれば左揃えになるという自動的な設定です。Microsoft Excel のセル内の書式と同じ動作ですね。「3,500円」や「¥3,500」のように単位が付いても数字として扱われます。

でも私個人的にはあまり使わないかな。Excel のこの挙動も正直迷惑にしか感じないので。あまり便利な使いどころが思い浮かばないです。(個人の感想)
数字を見栄えよく揃えるには、次のようにするのがいいと思います。
① 小数点以下の数字があるときは有効桁数を揃える。
②-1 セルは内右寄せにして、セルの左右余白で数字の位置を調整する。
  または、
②-2 セル内に右寄せタブかデシマルタブを定義してタブ揃えする。

⬅️ 前の記事  次の記事 ➡
 
📔 egword チップスマガジン


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?