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夕暮れ紅枝垂

「小田 山ノ在家の桜(おだ やまのざけのさくら)」は、福島市の郊外で見事な花を咲かせる紅枝垂の一本桜です。
樹勢強く、花の色は濃いピンク。
まるで雪舟が描く水墨画のような力強い幹。
形のよい枝が夕暮れの風に押されて、無数の花弁と一緒にゆらゆらと揺れます。
先日、その日の撮影の最後に、しばらくぶりで会いに行きました。遠目にも目立つ艶姿は、以前と少しも変わりありませんでした。
広くは知られていないけれど、県内でも屈指の名木だと思います。

さて、実はこの桜。
集落の墓地のド真ん中に生えています。本当にド真ん中です。
なので、写真に収めるという観点からは、やや難しいところがあるかもしれません。もちろん、地域の方の大切なお墓であり、桜ですので、何の不満もありません。
そして、私の目にはいつも、この桜の美しさは、泉下に眠る人々の魂が宿ったもののように見えてくるのですよ……。

のんびりした景色に比して、目の前を通る道路の交通量は、案外多いです。飛ばしてくるクルマも見かけるので気をつけてください。
桜の立つ丘の麓に、小さな駐車スペースがあります。二台、あるいは頑張って三台が限界です。この日は横浜ナンバーの方が撮影されていました。

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