【文学フリマに出る話】2 と小銭の行方

文学フリマに出る。
2023/11/11(土) 文学フリマ東京37
出店名は「ああ迷子のよるに」
第一展示場の F-33
紹介ページはこちら

紹介ページの中にある自己紹介的なURLって一個しか張れないんですね。
共同出展の方はサークルアカウントだけ載せてるのかしら。
しょうがないからインスタのところに載っけてみたけど、親切仕様でhttps://instagramみたいのが自動で頭に付いちゃう。
どないしよう。

まあそれ以上に、カタログがすかすかなのをどうにかした方が良いですね。
2人で出るのにどっちもまだ物ができあがってない。
当日2人で棒立ちしてるかもしれん。
そしたら「文学フリマで棒立ちしてた話」を書きます。

本当は持っていく冊子の紹介をしたいのだけど、全然できてないからそれができない。
しょうがないのでいつも通りの文章を。
私からはこういうのを1冊と、気が狂ったような趣味の冊子(タイトルは「ホーンテッドマンションのお友だち」)を持っていく予定です。
よろしくお願いします。


小銭の行方

 小さい頃からお金を使うのが下手だった。
 初めて自分のお金を持ったのは小学3年生の時だと思う。その前も小さなお財布を持っていた記憶はあるが、少なくとも定期的な収入は無かった。最初のお小遣いは300円。3年生〜5年生は学年×100円で、6年生だけポイント制だった。
 ポイント制というのは、お風呂掃除30Pとか食器洗い30Pとか家事にポイントをつけて、月末にまとめて精算してお小遣いとして受け取る制度だ。お駄賃ですね。これで大抵800円くらい受け取っていた。双子の兄は1,000円を超える月がざらにあって、ちょっと稼ぎすぎだ。家事以外に、マッサージにもポイントが付いていて、兄が抜群にうまかったのも影響していたんだろう。

 今もあまり変わらないけれど、日常的にジュースを飲む習慣は無かったし、自分でお菓子を買うこともほとんどなかった。唯一買っていたプロ野球チップスも、定価のコンビニでは買わなかった。2割引のスーパーと3割引のドラッグストアがあって、母が買い物に行く時に付いて行った。一気に6袋くらい買うのが普通で、食べるのは1回1袋だけ。あの時のプロ野球チップスは1袋22gとか。今思うとよく20gで満足してたなと思う。お菓子に耐性が無かったんでしょう。いっぱい食べられなかった。
 そんなプロ野球チップス、当時は定価で80円+税とかで買えた。2〜3ヶ月に6袋のペースだとかなり余裕がある。日常で使うのはこれくらいだったから貯まりゆくばかりだった。

 何度か、お祭りの時期に祖母からお小遣いをもらったことがある。食べたり遊んだりしておいで、と五百円玉を一つ。だいたい貯金箱に直行していた。
 金魚が怖くて金魚すくいができず。射的はやったこともないしやりたいとも思わず。くじは昔やったけれど、当たらないんだなというのを悟ってから引く気にならず。食べ物全般、お金を使ってまで食べる気が起きなかったし。
 でも町内会の盆踊りで配ってた無料のガリガリ君ももらってた。お金使わず楽しめるならそれは享受する。そういう根性はついてた。
 母からは「使うためにくれたんだよ」と言われた。私もそう思う。たかだか500円、でも子どもが遊ぶにはそこそこ良い金額だ。孫やら小さい親戚がいたら「わたあめと焼きそば食べたー」とか「ポケモン欲しくて射的やったけど取れなかったー」とか聞きたいもん。
 ただね。お祭りの雰囲気ってどこか体育会系なんだ。疲れるんだよ。それに、怖いおじさんとのコミュニケーションなんて、当時の私に取れるはずもなく。食べたい遊びたい欲もなくは無いけれど。ハードルを越えられるほどでは無かったのだ。

 そうして貯まった大量の小銭が、今目の前にある。お小遣い帳を信じるなら総額4万円超。圧倒的に百円玉が多くて、100枚以上ある。昔クリスマスか誕生日に、兄からリサとガスパールの貯金箱をもらった。それを百円玉専用にしていたのに溢れてしまった。よく貯めたわ。
 リサとガスパールがいっぱいになってからお引越しして、百円玉は口が大きなペットボトルに入っている。その他の小銭は大きい粉チーズの容器の中。先日実家に寄ったついでに持ち帰ってきた。何に使うのかと言えば、文学フリマのお釣りである。お釣りの準備しなきゃなのかーと思っていたら、あっさり解決手段が見つかった。
 お年玉や中学以降のお小遣いはお札でもらっていた。その辺もかなり貯まっていたけれど、ほとんど口座に入れて溶け込んでしまった。けれども使うのが下手で積み重なった小銭は、まだここにある。あの頃には大きな存在だった、今ではちっぽけな五百円玉は手元に残っている。
 子どもの頃お祭りで使わずにいたけれど、大人になって満足な使い方ができる。今度はお祭りの出店者的な立ち位置で。ばあちゃんがあの時くれたお金、やっと「使ったよ」と報告ができそうだ。


【文学フリマに出る話】で書いたものをまとめました。

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