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機能の優先順位の決め方

こんにちは
普段はプロダクトマネージャとして業務しているのですが、note上ではぜんぜんPMっぽい記事を発信できていなかったので、これを機会に発信していけたらなと思っています。
よろしくお願いします。


はじめに


みなさんは社内外問わず毎日のように集まってくる機能要望をどのように整理して、どのように優先度を決めていますか?
弊社では、MRRや要望をあげたお客様の規模、緊急度などで判断されていました。
これはこれでいいのですが、製品の価値提供していく上で、まだお客さまはいないけど、将来的な製品のストーリーに沿った機能、既存ユーザが不便だと感じる機能の優先度がなかなか上がってこないなどの課題がありました。

この課題を解決するためにサービスの価値を大きくするためのロードマップを作成することにしました。

カテゴリ分け

今まで開発順位に入れていなかったものが250件以上ありました。
一つ一つ時間をかけて検討していきたいところではありますが、コストが割にあわないのでできるだけ早く判断するために一つ一つをカテゴリでわけることとしました。
弊社の将来的なストーリに合うカテゴリを6カテゴリ、開発中のもの、すでに開発したもの、ストーリーとは離れているものをその他として、合計、9カテゴリに分類しました。
やり方としてはカテゴリをどうするか選定→一つずつPMで話し合いながら決めていくということをやりました。1時間で30-40個くらいのペースで行ったので、時間として6時間位かかりました。。。
スコアリング対象は150件くらいに減りました!!(それでも多いw)

狩野モデル採用の経緯

続いて、カテゴリ分けされた要望リストを、スコアリングして、優先順位を決める作業に入ります。
優先順位を決めるフレームワークとして狩野モデルを採用しました。
なぜ狩野モデルを採用したのかというと前章でスコアリング対象が150件ありますという説明をしました。
今の社内の状況だと、機能を作るときに工数やサーバー費用などを含めた予算などはPMだけではわかないので他部署のメンバーを呼ぶ必要がありました。
他部署メンバーを呼ぶことで予定の調整など含め、拘束時間や工数もかかり、ロードマップを作る時間もかなり長くなりそうという懸念からPMだけでも評価基準が明確で簡単に利用できそうな狩野モデルを採用しました。


優先順位を決めよう

狩野モデルには2つの質問があります。回答内容は少しアレンジを加えています。(5種類の回答がある場合もあります。)

・〇〇な機能があるとしたらどう思いますか?
 a.とても嬉しい
 b.あって当然
 c.あってもなくても困らないし嬉しくもない
 d.それは困る

・〇〇な機能がなかったとしたらどう思いますか?
 A.ないほうが嬉しい
 B.なくて当然
 C.あってもなくても困らないし嬉しくもない
 D.それは困る

上記2種類の回答の組み合わせから(組み合わせ表も添付)以下の項目に分類されます。上から順に開発の優先度が高くなります。
・当たり前機能(必須機能)
・一元的機能(あればあるほどよい機能)
・魅力的機能(隠れたニーズ、思いつかない感動)
・不問(どうでも良い、あってもなくても良い)
・逆行(あっては困る、不要な機能)
・不明(回答が矛盾しているもの)


スクリーンショット 2022-08-23 10.08.29

これだけでは優先順位をきめることはできませんので、
これは社内のPM合計7人それぞれでやってもらいました。
それを割合で出すことを行いました。

スクリーンショット 2022-08-23 10.13.10

※逆行と不明は出なかったので省いております。

まず上の表を説明しますと、PM7人でそれぞれで狩野モデルの問に回答していただき、その合計の表になります。

表の見方として、
普通は割合なので、必須、一元的、魅力的、不問の4を足すと100%になりますがここにも変更を加えています。
必須、一元的、魅力的は数字が多ければ多いほどポジティブな値になるのに対し、不問は数字が多ければ多いほどネガティブ(機能としてどうでもいい)な値になります。この不問の値を反転することで数字が多ければ多いほどポジティブな値に変更して、不問じゃない度合いとして表現を他の3つの項目と合わせることにしています。

順位の計算方法は
必須、一元的、魅力的、不問じゃないの順番に優先度が決まっています。
一元的が100と必須が100の場合では必須が100のほうが優先されるということです。
必須×1+一元的×0.01+魅力的×0.0001+不問じゃない×0.0000001とし、一つの数値として、優先度を比較しました。
全く同じ値がでた場合にはPM内で認識合わせを行い、一番低い値を変更できるように調整する数字一桁×0.000000001を追加するようにしました。
あとはできた優先順位をもとに社内で会話し、微調整を行いました。

これでロードマップができました!!!

気づいたこと

狩野モデルは当たり前の品質ができていないと顧客の満足度が下がってしまうのでまずは当たり前をクリアしていこうねという攻めというよりも守りのためのスコアリングとなっています。
なので今後会社として伸ばしていきたい方向に優先度をつけていきたい場合には向いていないことがわかりました。


まとめ

狩野モデルを使ってみて、まだまだ当たり前品質を担保できていないということはわかりました。
しかし、価値を大きくするためのロードマップを作成する上で狩野モデルにもう何個かの要素を追加して、お客様が魅力的に感じるような機能群が必要だということがわかりました。
この要素はまだなにかはっきりとしたものはわかっておりませんが、この活動を続けて、見つけて行きたいと思います。
もしもうすでにやっているよという方がいれば、ぜひ議論させてください!


最後まで見ていただいてありがとうございました!!!

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