男性の生き方は、「仕事第一」以外にあっていい。
ここ数日、男性の生き方について考えています。
きっかけは、1月16日に僕が投稿した「男性の子育て」についてのツイートでした。
このツイートのきっかけは、とある男性が投稿した「男性が育児に関わるのは子どもが2歳から」といった主旨のツイートを見て違和感を抱いたことです。2歳からと言わず、子どもが生まれた直後から主体的に子どもに関わるのが良いと自分の体験から感じていたのです。
「産後すぐに父親になろう!と伝えたい。」の言葉とともに、僕が過去に綴った産後うつ体験のnoteを添付しました。
僕は産後に妻が悩んでいたことに気がつかず、離婚危機を経験しました。
noteには、
妻のサポートをしているつもりなだけで、実際には妻を苦しめていたこと
「男性は仕事、女性は家事・育児」と言う社会的な価値観を強く持っていたこと
自分は仕事をしているのだから、妻が家のことをたくさんするのは普通だと思っていたこと
そもそも産後の負担を理解していなかったこと
など、産後に僕が犯した大失敗エピソードと、家庭を壊しかけたことから働き方を変えたことを書いています。
家庭を重視するのはおかしいこと?
ツイートがたくさんシェアされたこともあり、noteは1日で2000回以上読まれ、さまざまなご意見をいただきました。
産後に旦那さんが非協力的でつらかったこと
結婚すると家事と育児を奥さんが担うのが普通とされることへの疑問
妻が助けを求めることは大切だということ
第三者を頼って、家族だけで育児をしない必要性
などです。
ツイートやnoteへの反応から、産後は夫婦にとって変化の時期であり、どう乗り越えるかを考える必要があることを感じたとともに、男性の人生の自由度が高まることが必要だと思いました。
小泉進次郎さんが2週間の育児休暇の取得を発表し、賛否が巻き起こっています。歓迎ムードがある一方で、仕事を優先しないのはおかしい、実績もないのに育休をとるのか?といった批判も向けられています。
国政を担う立場という事情もあるのかもしれませんが、そのような批判が生じる背景には、「男が家庭に目を向けるのはおかしい」や「そもそも休むのは悪いこと」といった価値観があるように思います。
冷静に考えれば、自分の子どもに関わるのは普通のことです。それが誰かによって阻止されるのはおかしい。
「男性は仕事第一」の考えのもとでは、家事と育児の主な担い手は奥さんになってしまう。女性の負担が大きすぎる。
生き方を変えない夫、いやおうなしに変化に直面する女性。産前は良好だった夫婦の関係性が子どもの誕生後に悪化する「産後クライシス」が発生するのは、当然かもしれません。
僕の場合、妻の心身のバランスが崩れたのは、僕がライフスタイルをほぼ変えなかったことが大きいのです。
このように子どもが生まれた後、男性が家庭にどう関わるかには課題があります。「男が家庭に目を向けるのはおかしい」価値観が強い環境で育休をとったり、定時帰りに残業をせずに家事と育児をする男性は、職場で「変な人」と思われるかもしれません。
生き方が固定化されるのはつらい
でも男性は家族を軽視しているのでしょうか?
僕はこれには大きな疑問を持っています。
大好きな人と結婚し、子どもをもうける。
そんな家庭は男性にとって愛しい存在なはずです。
心の中では「仕事も大切だけど、家族のためにもっと時間を使いたい」と思っていると僕は考えています。けれども「男は仕事」の価値観から、それができない。
一般的に男性は、学校を卒業後に就職したら、ずっと働き続けるのが普通とされています。途中で結婚をし、子どもができても、働き続けることが当たり前と思う人が多いのではないでしょうか。
病気で数日〜数週間休むことはあっても、育児を理由に数ヶ月や数年仕事から離れるのは「普通」ではなりません。
そもそも会社側だって、雇用した男性が家族を優先することを前提にしていないとも思います。
とにかく仕事、仕事、仕事が優先。そんな「固定された生き方」は、苦しいです。本当は育休を取りたい、時短勤務をしたいと思っても、会社での立場、出世への影響、減給や失業による経済的な不安から、思うように行動できない。
これは男性が抱える「生きづらさ」です。歩むべきとされる道を歩かない人は、その後どういった道を辿るのか。ロールモデルは少なく、不安が強ければそれまでと同じ道(仕事第一)を選ぶのは当然の選択ですね。
個人の意向をもっと尊重する社会
男性と育児を語ると、仕事一辺倒の人が悪いように思われがちですが、決してそんなことはないのです。家庭によって事情はさまざまですから、ご夫婦で話し合って納得のうえならいい。外部の人がどうこう言う必要はないのです。
僕が良くないなと思うのは、個人の意思を無視して「男は仕事だろ!」との価値観。ここは強調しておきたい部分です。
仕事は人生の一部に過ぎず、家庭を優先したい時期だってあります。
育休を取りたい、いつもより休みを増やしたい、残業はなしで働きたいなど、男性の意思がもっと尊重される社会が望ましいと考えています。
育休にしたって、取らないのがダメなわけではない。取りたい人は取る、別の手段を選びたい人はそうできる。個人の好みで判断すればいい。
僕が育児をテーマにした記事を書くライターとして、子どもを持つ男性に取材する機会があります。子どもが生まれ、家庭と仕事とのバランスに悩んだすえに、「主夫」という生き方を選ぶ男性とも話しました。
この記事の中では、メインの働き手を夫→妻へスイッチしたご夫婦や、キャリア志向が強い奥さんを尊重して期間限定で専業主夫になった男性の話を載せています。
男性が一家の稼ぎ頭でい続ける必要はないですし、結婚生活の中では役割を柔軟に変えていいと思うんですよね。夫は仕事メイン、妻は家事育児メインを継続しなくていい。
僕ができることを探っていこう
僕は家族優先の働き方をして、2年ほどが経ちました。僕の中にも「男は仕事」の価値観が強くて、家事と育児をたくさんする生活に葛藤を感じたことは何度もあります。
自分の生き方は間違っているのではないか?と自問自答を繰り返しながらも、家族優先の働き方を続けるうちに「これが自分の生き方なんだ!」と腹がすわってきた。
妻は療養して元気になりましたし、息子はすくすくと成長している。
大好きな家族の姿を見たら、自分にはこのスタイルが合っていると思えるようになりました。
僕はいまの生き方を続けて、楽しさ、大変さ、家族への愛情を綴っていきたい。そして男性の生き方がもっと多様になって、生きやすくなるにはどうすればいいのか。そのために僕ができることを考え、行動していこうと思います。
男性の生きづらさについての執筆記事
ご支援をありがとうございます!いただいたサポートは、子育てをテーマにした企画や取材費に充てさせていただきます。