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何となく感じてきたモヤモヤを、言葉にして適応させていく道の過程 #読書の秋2021

今日は、本を1冊よみました。

「本は1日1冊まで」とプロフィールに書いているのですが、実際には1冊は読まなくても3,4冊平行して読んでいたり、一日で集中して10冊くらい読んだりしています。

こんな風に、正しく1日1冊を守れるのは久しぶり。

それは、著者の花田菜々子さんの文章と、読んだ『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』の読書体験がとても心地よかったからなんです。

菜々子さんの本、気になってたのにこれが初めて


本の内容はタイトルから想像される通りで、「家族とは何なのか問題」を考えながら、お仕事である本屋さんの立ち上げをしていく様子が気持ちよく編まれていて、あっという間に読んでしまった。


家族問題についてもいろいろお伝えしたいところではあるのですが、わたしは菜々子さんの字の文があちこち刺さった。彼女は、わたしたちが何となく感じてきたモヤモヤを、明確に言葉にして分かち合えるようにしてくれる方でした。


たとえばこれ。

 大人になって、社会性を少しは身につけ、生きづらさは薄まった。自分と違う意見を持つ人との出会いはむしろ発見の連続で面白い。でも、自分にとって当たり前の感覚について話すたびに、驚かれたりして、何度も詳しく説明しなきゃならない挙句、でもどうして? どうしてそんなふうに思うの? と少し否定的なニュアンスで聞かれ続けることは時に疲れる。(5ページ)

開始5ページ目、まだプロローグで頷きすぎて首がとれそうになるっていう。笑

そうなんです、生きづらさは「薄まった」。

わたし宛の「よくある質問」ってやっぱりあって、それってとても一言では説明できないし、話せば長いことになるし。なんとなくぎゅっと縮めて「あぁなるほど~!」って説明できるようにはなったけれど、わたしはなんだかもやもやする。

だってその質問、わたし自身が答えを見つけ切ってはいないから。この時間の尺で、納得してもらえそうな理由をいってみただけなんだ。決して嘘をついてはいないのだけれど、正確ではないことにいつもちょっとした申し訳なさを感じてしまうんだ。


それから、ここも。

それまでは自分を殺して、普通じゃなきゃいけないって、とにかく窮屈だったのよ。そこからどうやって<適応する>って意識で日常を組み立ててきたか。(9ぺージ)

これもまだプロローグ。本への共感と、恋愛や結婚への価値観があうNさんという方が、菜々子さんと初めて会って話したこと。

ねぇ、これ!

わたしたちってずっと、「普通」とか「当たり前」っていう枠に自分を押し込もうとして、それがずっと苦しかったよね。みんなできているのに、合わせられない自分がだめなんだな、なんて落ち込んでみたりもして。

だけどさ、すこーしずつ気づいていくんですよね。そっか、合いそうな枠のあるところにいけばいいのかって。そこにいくためには、どんな形の枠なら合いそうか知らなきゃいけないし、それがどこにいくのか探さなきゃいけないからなかなか大変なんだよね。

さらに、そこでもやっぱり違うんだよなって思うなら、枠をオーダーメイドするしかなくて。つくってくれる人はいないから、自分で一からつくって行くしかないんだけど。

いわゆる「普通」にもやもやを感じやすいわたしは、今、フリーランスという名のオーダーメイドの枠をつくっている最中なんだなぁって、この文を読んで気が付いて。まさに、<適応する>ように組み立てている最中です。

「普通」のなかで上手にやっていける人だったらどんなに楽だったろうって思ったりもするけれど、自分用の枠をつくるのも先は見えないけれど何となく毎日楽しいよ。



2人の男の子を育てるシングルファーザーとお付き合いしていく菜々子さんはまさにこの本で、「子持ちシングルファーザーと付き合う彼女」としての枠をオーダーメイドでつくっていきます。

どういう距離感で、どれくらい会って、どれくらい立ち入るのがいいのか。正解のない「家族のような関係」を、どうやって保っていくのか。

同じように、お仕事で立ち上げに携わった女性のための本屋も、正解がない中で、どんな本をどれだけ置いたら「女性のため」になるのかを探っていく。


こういう答えはないけれど、正解でないものはあるっていう問題、最近多いなって思うんです。とにかく考えて、正解ではないものをどんどん取り除きながら試していくしかない。時に、要らないと思ったアレが必要だった!ってもう一回付け足すことが必要だったり。

一番後ろのページに答えがついていればいいのにって何回も思うけれど、答えは地球上どこを探しても存在しないから。そうやって、「これならいいかも」って思える状態を、少しずつ作っていくしかないんだよなぁ。


今朝考えてたあれ、何だったっけ……あの中学生みたいなやつ……。と、一生懸命思い出そうとしたけれど、もう思い出せなかった。今の自分と、もう嚙み合わなかった。(45ページ)


向こう側が一度見えると、「なーんであんなところでどん底気分で悩んでたのか」って思えるくらいのすっきり感が待ってるから。

みんなで、わたしにとっての正解を、行ったり来たり迷ったりしながら、時にヒントを教え合って、一緒に探していけたらいいですよねぇ。





ぜったい面白いから、次はこの本読んでみます




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