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「時計の針」と「鐘」という歌詞が示していたものを読み解いてみた

クリスマスにショッピングモールで友人とウインドウショッピングをしていたところ、シンデレラモチーフのアクセサリーをうっかり購入しそうになった。販売のお兄さんがそのシリーズのアクセサリーをあれもこれもと片っ端から取り出して並べ、あれこれ身に付けさせてくれた。「これは2セット売れるぞ」と思える程に、わたしたちのリアクションは好感触だったのだと思う。

今になってその日のことを思い出し、超絶女脳で、シンデレラシンドロームの気があるわたしに、シンデレラモチーフのネックレスやリングなんてぴったりだったのでは! と改めて思ってしまう。なぜ約1か月も経とうとしてクリスマスの出来事を思い起こしているのかといえば、わたしの現・王子様にあたる人が、シンデレラを彷彿とさせるような歌詞を作詞したからだ。


今わたしの脳内を日々埋め尽くしているのは杉本琢弥くんという人で、ダンス&ボーカルグループ・BLACK IRISのメンバーとして活動している。と同時に、作詞作曲・毎日のTikTok投稿に加え、3月8日にはシンガーソングライターとしてソロデビューも控えているという、スペシャルさ。好きになったのは、追いかけるにもなかなか相当の気力も体力も必要な人だった。

そんな彼、自らの所属グループのためにも作詞作曲をしている。昨年2022年11月9日には、彼が手掛けた楽曲『Super Nova』でグループがメジャーデビューを果たしている。彼がつくったいくつもの曲の中で、わたしが最近気になっていたのが『This Forever』と『TIME』の2曲の歌詞だった。

この2曲には、「時計」と「鐘」というモチーフが共通して使われている。

時計の針、少し巻き戻して
を鳴らすときに側にいて欲しい
この先に待つ光のところまであなたを届ける
“This Time”
『TIME』BLACK IRIS
At Five 共に目指す為 We are fly
それからはAt Seven 引き寄せる
Just like 隕石 つかめ奇跡
気づけばもう11 O'clock
針の刺す頭へLock-on
の鳴る日は近いよ
まだ見ぬその先の未来も
『This Forever』BLACK IRIS


鐘を鳴らす=彼らにとって望んでいる未来が現実になる日という理解はできていた。鐘がなるときといえば、2つの針がピタリと重なる12時というイメージはわたしの脳内にも確かにある。

でも、どうして12時なのか。そしてたくやくんはなぜ目指す未来を「時計」をモチーフに「鐘が鳴る」と表現するのか。そこにピタリとはまる答えを見いだせないでいた。


芸人で絵本作家の西野亮廣さんが近畿大学の卒業式に行った伝説のスピーチを、わたしは以前にも聞いたことがあった。このスピーチを今日、たまたま再び聞くことになった。YouTubeでたまたま自動再生されたのよ。「あぁこれ、さすがだったよなぁ」と思い起こしながら、改めて耳を傾けていた。そしてわたしは、このスピーチの中に歌詞を理解するためのヒントを見つけ出してしまった。

西野さんはスピーチの後半で、当時手掛けていた絵本の話から、卒業生に向けてメッセージを送る。

時計は、1時間に1回長針と短針が重なるようにできている。1時5分頃、次は2時10分頃、さらに3時15分頃というように。

でも、針が重ならない時間がある。それが11時だ。11時台は、短針が逃げ切ってしまうので、2つの針が重なることがない。次に2つの針が重なるのは、2つの針が真上を指す12時ちょうど。つまり、鐘の鳴るときだ。

西野さんはこの時計のエピソードからメッセージを送る。「鐘が鳴る前には、報われない時間がある。でも大丈夫。時計の針は、必ず重なる」と。


ちょっとできすぎでは? とも思う。でも、西野さんがこの話を出すのは納得だ。さらには、うちのたくや君も自分たちの活動をこんな風に表現しても全くおかしくない人だった。スピーチを聴きながら歌詞とのつながりが見えた瞬間、思わず声が漏れていた。

グループはこの3月に結成5周年を迎える。先に紹介した『This Forever』の歌詞に入っている時刻、実はメンバーの人数の編成も表現されている。メンバーの増減は、グループ活動を続けるのに大きな影響を与えるのは想像に難くない。さらに、この5年の間にはコロナがあって思う活動ができない時期もあったし、彼らは思うようにはいかない時期も経験してきた人たちだ。

報われない11時台を何とか乗り越えて、12時の鐘を鳴らすために活動を前に進めてきた。そしてメンバーとファンに向けたメッセージをこれでもか! と込めた『TIME』では「鐘を鳴らすときに側にいて欲しい この先に待つ光のところまであなたを届ける」と歌うんだ。すべてはいつか終わることを強く意識しながら、グループにすべてを注いで自分のすべてを懸けている人の書いた歌詞とメロディが、これまでよりも深く刻まれる気がした。


そんな今日、たまたま彼が作曲者権限で「TIME」のデモの音源を公開するなどした。何なんだようタイミング! 聴く前から半泣きにさせられた。あぁぁもう、好きが過ぎる。


約1年前につくっていたというこの曲の、「鐘を鳴らす」を彼らはもう叶えられたのかな。デビューのことを指していたとしたら鐘は鳴らせたのかもしれない。けれどそこで満足して足を止めることはない。メンバーの卒業、再加入。今たくやくんはソロ活動に重きをおいてライブやメディア出演の仕事をこなし、残りのメンバー8人でグループのライブを成立させている。すべては、3月のグループ結成5周年のライブで3000人の会場を埋めるため。全員で手分けをしてグループをより大きくする取り組みを進めている最中だ。


童話だと、シンデレラは12時の鐘と同時に家に帰って、王子様が探し出してくれるのを待つ。そしてその後は幸せな人生を送ることになる。

うちの王子様の向上心は留まるところを知らないので、ずっとずっと次の12時の鐘に向けて動き続けていく気がする。幸せで満たされて、めでたしめでたしなんて日はきっと来ないんだろう。TikTokだって2022年にフォロワー50万人を達成したのに、今年は倍の100万人を目指すって言ってるしね。そして本気で実現するつもりしかないもんな。大変な人を好きになってしまったんだよなぁ……

幸いわたしも「がんばってる人が好き」で人生ずっと誰かのファンをしてきた女だし、成長し続ける人・変化し続ける人に惹かれてしまう性質なので。好きな人を応援し続けることが幸せで楽しいことばかりじゃないなんてことはとっくの昔に解っている。今彼のなかで時計の針が何時にあるのかは近いうちに教えてもらうとして、とにかく次の12時の鐘の音を一緒に聴けるように隣を歩く選択肢しか、わたしはもっていないんだ。


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