離婚した理由は女でいたかったから
部屋の更新に関する書類が届いた。
離婚を機に12年ぶりの東京一人暮らしを始めたのだが、もう2年も経ったのかと。
少し感慨深い。
元旦那とは円満離婚である。
離婚する時も大好きだし、
今もまだ大好きだ。
愛情もある。
じゃあ何で離婚したのか?
一度「結婚」という枠をリセットして、
【女】に戻りたかった。
当時わたしたちは数年間セックスレスを経験していた。
結婚後直ぐに彼が拒否をするようになったのだ。
わたしに非がないと思っていたけど、
繊細な彼の心を知らぬ間にズタズタにしたんだろう。
若かった。
理論武装する彼に感情任せに責め立ててたから。
わたしはわたしで拒否されたことがショックで、心臓を鋭利なナイフで突き刺されたような痛みが走ったのを今でも覚えている。
SEX以外は良好な関係で、お互い共働きで家事も助け合ったり、休日は一緒にファーマーズマーケット行ったり少し遠出したり楽しかった。
家に誰かいてくれる安心感は半端なくて、
離婚したらこれが無くなるという不安がわたしを数年間止まらせた。
でも毎日「このまま男女の営みがない生活がいつまで続くのか?」
という不安はやってくる。
ある時その葛藤はピークに達して
「一回ゼロリセットしたい!!」
と魂が叫び出した。
セックスレス以外にも彼との価値観でずっと合わず平行線だったこともあり、
話し合いの結果離婚が決定した。
結婚に至るのも色々だし、
離婚に至るのも色々だ。
答えなんてなくて、それぞれのカップルに委ねられる。
SEXがそこまで大切じゃない夫婦だって沢山いるだろう。
彼にとってもそこまで大事ではなかったのかもしれない。
でもわたしにとっては一緒に生活を共にする夫婦としての関係だけじゃなく、男女としての関係も持っていたかった。
女でいたかった。
それが強かった。
女を諦めるのか?女を生きるのか?
究極の選択に「まだ諦めたくない!!」を選んだ。
そして今女を生きている実感がある。
安心感という代償と引き換えに、不安定の中にある揺らぎと官能という甘い蜜を存分に味わっている。
そして色気が深く濃くなる。
官能の扉をずっと開きたかった。
今こうやって開けているのはセックスレスという体験があったからだ。
だから元旦那には感謝しかない。
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