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「切り札温存の法則」を無視した営業での失敗例

営業マンであるMさんの事例をご紹介します。

Mさんは担当している見込み客から、次のような電話をもらいました。

「このサービスに興味があるので、一度資料を送ってもらえますか?」

嬉しい電話ですよね。

見込み「大あり」って思っちゃいませんか??

Mさんは「はい、かしこまりました!!」と言って、早速資料を送り、テンションが上がっていました。

しかし、残念ながらこの見込み客は成約につながりませんでした。

なぜなのでしょうか?

これは見込み客に本音を聞いてみなければ分かりませんが、切り札温存の法則という観点からも、失注の原因は見えたのです。

それは「このサービスに興味があるので、一度資料を送ってもらえますか?」という問いかけに対して「はい、かしこまりました!!」と言って、切り札となる資料を送ってしまったことです。

そしてその資料を送った後に、サービスの大切なポイントを電話で細かく説明し、本人はクロージングをしたつもりでした。

その時のお客様の答えは「ありがとうございます。一度検討させていただきます」というものでした。

Mさんは「これは良い返事がもらえそうだぞ〜」と期待に胸を膨らませていましたが、残念ながら成約には繋がりませんでした。

電話で「検討させていただきます」と言われたら、基本的にそこで終わりです(笑)

単価の低い商品であれば、成約の可能性はあります。

むしろ、交渉の回数が少ない方が成約の可能性はあるかもしれません。

だからLPと言われる「ランディングページ」をしっかりとつくることが大切です。

しかし単価の高い商品や、形の見えないサービスなどであれば、成約になる確率はほぼないでしょう。

ではなぜ「はい、かしこまりました!!」と言って、すぐに切り札となる資料を送ってはいけないのでしょうか?

それは、切り札だと思っていた資料が切り札にならないからです。

では、なぜ切り札にならないのでしょうか?

それは大きく2つの理由があります。

①切り札となるかどうかの判断材料が
不足しているから

つまり切り札として使えるかどうかが、まだ分からない状況にも関わらず、切り札だと思って使ってしまったのです。

言い換えれば、見込み客の情報が不足している状況では、間違いなく切り札は温存しなければいけないのです。

だから「一度資料を送ってもらえますか?」と言われたら「かしこまりました。ちなみにどんなところに興味を持っていただいたのですか?」と「問いには問いで返す」ことが必要なのです。

②お客様は一度にキャパシティーを超える情報をもらっても
判断できないから

人はキャパシティーを超える情報をもらうと、その場で判断ができなくなってしまいます。

なぜなら、キャパシティーを超えているので、後で時間のある時に頭を整理して、時間に縛られずに考える必要があるからです。

つまり、切り札が切り札にならないのです。

こんなもったいない切り札の使い方はありませんし、何よりも切り札だと思っていたものが切り札でも何でもなくなってしまうのです。

だから「切り札は先に見せるな」なのです!

そしてここで切り札を使ってしまったら、その後にクロージングする材料がなくなってしまいます。

だからその時点では、切り札は温存し、適切なタイミングを計る必要があるのです。

このように交渉において、切り札を自覚せず、さらに切り札を使うタイミングを間違ってしまうと「交渉成立」というゴールが訪れなくなってしまうのです。

他の事例に興味があったら、ぜひこちら「相手に喜ばれる交渉術の5ステップ」もご覧ください。


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