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もっと先の教育の未来予想図5選

2021年に入り初の投稿になります。年が明け、1月もあっという間に終わろうとしています。いかがお過ごしでしょうか。

教育業界はというと、先日、大学入学共通テストが開催されましたね。コロナ禍で数年前に描いていた形式とはだいぶかけ離れた形となってしまいました。試験の形式や社会的な影響など、本当に様々な影響があった中で、これまで一生懸命に勉強してきた受験生は苦労があったと思いますし、その中で果敢にチャレンジされている姿があり素晴らしいと思います。

また、ICT教育はというと、いよいよGIGA元年を4月に迎えるということで、端末納入があったりと、活用をどうするか、とかなり騒がしくなっている状況かと思います。

私自身も、ICT教育に従事する者として、各自治体へのサポートして欲しいとの声が増えてきています。これから新学期にかけてさらに全体として騒がしくなるでしょう。

そんな教育業界ですが、今日は目先に起こりうるだろうことは少し片隅におき、もうちょっと未来のことについて書いていこうと思います。

なぜかというと、この1、2年後の未来は理想よりも現実の方を見なくてはなりません。特に自治体や各学校はICT端末や学びのあり方について新しい形式に順応するために必死に対応していきます。

一方で、本当はこうあるべき(こうなる)だけど、実際はもっと手前で、まずはできるところから始めないとうまくいかないから、今はこうじゃなきゃダメだよねっていうのを考えざるを得なく、それってマーケットフィット(ビジネスチャンス)の意味では重要ですが、そもそも論は度外視しています。

もちろん私自身は日々先生の方々や自治体の方々が必死に明日の学びについて考え、動いてくれているのは理解しています。ただし、いきなり理想を実現できるほど現状は甘くないのは事実です。

とはいえ、理想だけをみて率直にいうと、”GIGAだ!””タブレット端末だ!”などはあくまでスタート地点までの準備期間あくまでスタート地点までの準備期間にすぎないと個人的に思っています。

ICTが入ってきたからといって、何もしなくても子どもたちがめちゃめちゃ賢くなるとか、劇的に変わるとかは絶対にありえないことです。

なので、タブレット端末が配備されて、3年間くらい経過してようやく中一から中三くらいまでの1サイクルを回して、ある程度ICTをどのように教育に活用すれば効果的な学びが実現するかが見えてきてようやく次世代の学習のあり方を考えるスタートラインなのかなと思ったりします。

昨今は端末が入ってきたり、新しい教科に変わったり、追加されたりしていますが、大事なのは、そもそも教育はどこに向かっていて、どこがゴールなのか、ということです。

21世紀も20年が経過しました。とはいえまだ20年だなとは思っています。22世紀になるまであと80年もあるわけです。21世紀型教育だ!とかって言ってもまだ序章でしかないわけです。

なので、今日は個人的に考える究極の21世紀の教育未来予想図について5選を書いてみたいと思います。(前置きがいつも長くなってすみません。)

1. 究極的な個人最適な学習形態

最近ではアダプティブラーニングとか個人最適な学習とかと言われていますが、この流れというのは時代とともにさらに細分化され、個々人に合わせた学習というのは進んでいくと考えます。端的にいうと、自分のキャリアパスに合わせた自分だけのカスタマイズ教科やカリキュラムが自動的に形成され、全員が多種多様な学び方をする時代になります。

少しずつAIを使って個人のレベルに合わせた学習が可能になってきていますが現状は、学校のカリキュラムまでは個人最適になっていません。(一部の私学さんでは手運用でやっているかもしれませんが。) AIが進化することによって、個々人の趣味嗜好、得意不得意なデータがわかってきます。その個人の特性に応じて、自分だけのカリキュラムの全自動生成、またレベル感の調整がされると思います。

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なぜこれがくるのかというと、社会全体が個人最適な社会に変容しつつあるからです。自分が人生をどう生きたいのか。という問いが現代社会では問われていて、お金を稼ぐ=幸せ、よりも、自己表現ができるor自己実現ができる=幸せ、に変わってきています。また実際に自己実現をしようと努力する人の方が共感を生み、結果的にお金もついてくる世の中にもなりつつあります。

この社会がより強くなっていくと、あなたはどう生きたいのか、という問いを小さい時から常に考え、その自己実現のための学習が必然的に必要になってくるからです。

2. VRとAR、5Gを掛け合わせたバーチャル擬似体験

昨年から5Gが徐々に民間向けにも展開が開始し、いよいよ4Gから5Gへと移行が始まりました。冒頭でも言いましたがまだ2020年です。2040年、2060年、2080年を考えると、全く想像もつかない技術領域に到達していると思いますが、技術の細かいところを考えるよりも、単純に今みなさんが思い浮かべる未来がリアルになるのではないかと思っています。(それ以上の未来も想像できますが、思い浮かべる未来は私たち自身が実現しようと動くのではないかと思います。)

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様々な著書でも言われておりますが、スクリーンがなくなり、ARなどを活用して、どこにでも3次元のバーチャルな物質を登場させることができるようになります。これは間違いなく実現するでしょう。

それが実現した時に、外国への訪問擬似体験や職業体験、また理科の実験など今まで資金や体験ができなかったことが、簡単にできる未来になります。

これによってさらに物理的な距離を感じなくなるでしょう。

3. 主教科としてリベラルアーツの普及

リベラルアーツはもとより自由人となるための必要な素養と言われています。まさしく自分が自分たるべく人生を送るために必要な学びなわけです。

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リベラルアーツは日本教育においては非常に広義で捉えられていますが、私としては、何を学ぶか、どう生きるか、を決める手段を学ぶという教科と定義したいと思います。

1.の究極的な個人最適な学習も結局は自分自身がどうしたいのか、という部分が軸となって自動的にカリキュラムが構築されるものです。ですので、そもそものあなた自身、どうしたいの?という部分を深く考えるための教科が必要になるわけです。

もちろん義務教育課程にある子どもたちは将来を選択するために必要な思考プロセスや知識、経験はありません。なので、リベラルアーツ教科を通じて、人生をどう生きるのかを考えるためのフレームワークや自己実現をするための表現方法などを学ぶことになります。

4. 先生の専門性が上がる

先生は全く違った役割になっていきます。基本的に知識供与に関しては全てテクノロジーが提供してくれるので、知識を提供する役割はなくなると思います。

ファシリテーションやコーチングに関してはもちろん当たり前に日々行われていることです。

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また、誰からファシリテーション・コーチングを受けるか、という点に関してが誰が先生か、ということですが、先ほどから記述している通り、子ども一人一人が、どう生きたいかという種別に応じて最適な先生がアサインされるということになるでしょう。

こう考えると、子どものロールモデルとなるような人、ないしは自己実現をするために知識だけでは得られない経験談やリアル感を抱かせてくれる人が先生となります。

つまりある専門領域で突出した実績や経験を持っている+適切なファシリテーションやコーチングができる、という能力を持った人が先生になります。

5. 全てのテクノロジーがワンストップで使えるようになる

最近ではEdTechサービスが乱立してきています。これは教育業界の繁栄のためにはとてもいいことですが、一方でユーザーフレンドリーではありません。

様々なアプリを開いてはログインパスワードを入力しなければなりません。この作業は非常に時間がかかりますし、先生からの指示がうまく伝わらず、何をすればいいのかわからない生徒も出てきています。

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この状況は少しすると解決されると思います。一つの認証で全てのサービスをワンストップで使うことができるようになります。おそらくパスワードではなく、顔認証や指紋認証によるアクセスになるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。まだまだリアリティがないかもしれませんし、こんな未来がくるのかという風に思うかもしれません。

しかしながら、私たちの社会ではつい10年前まではまだスマホを持たないと固辞していた人々が多くいました。

現在はどうでしょうか。誰もそんなことを思っていたなんてほぼ忘れ去られています。LINEやTwitterのない世界はどんな世界でしたでしょうか。

教育業界は変化の緩やかな業界です。それは日本だけでなく、アメリカや海外も同じ傾向であります。なぜなら経済のサイクルも新年度に大きな資本が動きますがそれ以外ではあまり起こりません。また、教育の場合は学習効果について重要なファクターです。

とはいえ学習効果を測定するには、入学して卒業するまでのスパンでどう変わったかやっとわかる程度です。最低3年かかります。もちろん子どもたちの未来がかかっていることですので、丁寧に検証と実践の繰り返しをする必要はあります。

このような理由から教育業界は緩やかな変化を辿っていくわけです。ですが、方向性として独自の方向にいくわけではありません。資本主義社会ですから、やはり国の存続であるとか、自国の繁栄と教育は密接な関係性にあります。日本や世界が今後どのような方向に向かっていくのか。それと同じように教育も変化を遂げていくでしょう。

自己実現や自己の幸せの追求ができるようになったのは、個人でもお金を稼いだり、人を集めたりできるような世の中になっているからです。

この流れは新しいSNSのTikTokが台頭してきたりと、今後も止まることはないだろうと想定されます。より多様な自己実現の仕方が確立していく中で、自分はどう生きるか。という点を軸に必要な学びを吸収していくことになるだろうと思います。

これらは全て私自身の予想でありますし、正直いつ実現するのか、という点では非常に解像度の低い考察ではありますが、シンプルに未来を想像するとワクワクしますよね。

現実的に実現可能な状況はもちろんですが、一度立ち返ってそもそもどうあるべきだっけ、や理想的にはこうだよね、とかこんな未来がくるよね、といった議論は定期的にすると明日への活力になります。

よし、今日もやったりましょう!

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