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人材の流動性のため、エリート養成校を卒業生のマクロン大統領自らぶっ壊すフランス

前回の投稿では、EU圏の学生間で起きている、大学進学先の変化について話ました。

今日はフランスが政府自ら起こしている、大学の改革について。

EUは歴史あるヨーロッパ諸国の集まりですので、伝統に縛られて組織が硬直化しやすいのも現実。

日本と非常に似ているところもたくさんあります。

まずはアメリカの話、そしていかに世界は不平等かと言うお話から。

「レガシー」というコネ社会

「日本は学歴社会だから。」
「結局、コネだよね」

と言われることが多い我が国、日本。

いやいやいや。

世界を見渡すと「コネ社会は当たり前」、「日本よりもっとひどい学歴社会」こんな国ばかり。

しかも、民主主義先進国と言われるような国々ですら、こうなのです。

例えばアメリカ。

筆者家庭の子が通うようなインターナショナルスクールでは、アメリカの大学進学も多いため、アメリカの大学を対象にした受験オリエンテーションがあります。

どの学校も最新情報をもとに受験の傾向と対策を分析していると思います・・・が、どんなに対策しても、最後に未知の基準が立ちはだかる。

アメリカの大学の審査基準はブラックボックス、というのが暗黙の了解なんです。

以下の要件はアメリカ名門大学進学のための必要条件。

-SATの結果(現在は不要の大学も有)
-高校時代の成績
-部活等でのリーダーシップ歴
-ボランティア歴

これらが評価が高ければ高いほど、合格率は高まると言われています。さらに面接もあります。

全てにおいて優秀であっても、実際にはさまざまなダイバーシティ考慮がなされるため、不合格となり得るのがアメリカの大学受験。

日本で言うところの「模試でこの偏差値取っていれば、あの大学は安パイ」という基準はないのです。

むしろある意味、基準が学力のみと言う時点で日本は平等。

ご存知の通り、アメリカでは富裕層の子女が、一家代々とある名門大学出身、ということも珍しくありませんよね。
「〇〇Jr.は学力でこの大学に入ったわけじゃない」と在学生すらにこやかに認める。

これをコネ、とは言わず、「レガシー」と言うのかアメリカ。

筆者は、大いに結構なことだと思いますけどね、マイルール。世の中平等なんて幻想です。

そこでどう生きるか、頭を捻らなくてはならない。

マクロン、ENA終わらせるってよ。

ではここから、フランスのお話。

機会平等を出来るだけ進めることで、組織の柔軟性を促進しようとしているフランス。

エリート養成校を、卒業生であるマクロン大統領が主導し、廃止が決定。

新たな教育機関を設立するそうです。

日本から移住する芸能人も多く、憧れの国フランスも御多分に洩れず学歴社会なんですよね。

成績トップの進学先グランゼコール、さらにその先のENA

グランゼコールという名門大学群※があり、更にその政治学系から選りすぐりのエリートが進学するのがENA。

行政や政治のトップ人材の育成が目的とされ、実際マクロン氏を含む4人の歴代大統領がここの出身。

※厳密には、フランスでは英語で言うところのユニバーシティとグランゼコールは趣旨が違います。グランゼコールはフランスの大学入学共通試験(バカロレア)成績の上位者しか入学できない専門機関です。

日本で「親ガチャ」と言うワードが話題になりました。

フランス式、親ガチャも甚だしいのがコレ。

While the number of students from privileged families was 45% in the 1950s and 60s, this had risen to about 70% between 2005 and 2014, while those from working-class families fell to about 6%.

Macron announces closure of elite school that hothoused French leaders 出典元:The guardian 

(ENA学生のうち)特権階級家族出身の学生が1950-60年代に45%だったが、2005-2014の間には70%まで増加。労働者階級家族出身の学生は6%。

マクロン大統領は声明で「このような教育を経て官僚となる人材が政府で働くことは、一般国民の声が届いていると言い難い。機会平等化し、より良いフランスのために教育機関をリセットする必要がある」と述べています。

はい、親ガチャ一旦終了〜!

果たして日本の教育は、子供たちのため、日本の未来のためになっているのだろうか

実際、日本でも東大出身者の家庭は富裕層が多いと言うリサーチもあります。

繰り返します。世の中平等なんて、幻想です。

先の例アメリカの「レガシー」(苦笑)などは、親ガチャの最たる例。

でも堂々と認めているのが、アメリカらしい突き抜けたところ。

これに対し、政府自ら不平等を是正しようとするフランス、結構なことではないですか。これがあるべき国家の姿と思います。

賛否両論ありますが、頑張れ!マクロン大統領!

先日、有名進学校の現役高校生が大学入学共通テスト会場の東大前で犯行に及んだ、悲しい刺傷事件。

日本の歪んだ教育システムの犠牲者が、子供たちではないかと感じることが、日々起こっています。

大人による機会平等への努力も、目指すべき点かと。

もう一つ日本の教育で重視されていない、大切なこと

それは、自己肯定感を高める教育。

学力の向上だけで無く、心の鍛錬。

この点を、次回の投稿で。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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